人類を救うイロン・マスク氏礼賛

 

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)11月20日(土曜日)弐

 

(読者の声3)テスラ礼賛。一年ほど前に予約していた衛星からのネット通信を始めた会社、STARLINK社の小さな丸いアンテナが届いた。
全てがすでに繋がっており、電源をつなぐだけで、アンテナは自分で空の適度な位置を探す。まだベータの段階だが、将来世界の全ての場所で、高速でしかも遅延性の少ない(間、抜けでない)交信ができる。
4万の小さな衛星を地球の近くに張り巡らす。当初5万円、月1万円。使い放題。この運営には極めてコストが安く、大変儲かるが、その利益は全て「火星基地建設」に使う、という。全ての衛星の打ち上げはSPACE・Xが担当する。
つまりその費用は誰よりも格段に安いので、これも全世界独占となる。これを総括するのがマスク氏である。
 テスラの社員が内訳話をしている。数千、数万の社員を持つ大会社組織であるが、その運営が、既存のいかなる組織とは異なる。全社員、研究者、工員、CEO, などがそれぞれ自分の責任と判断で直ちに実行できる。
全ての社員が、直接、許可なしにマスク氏に進言する、それを阻害した者は直ちに解雇されるなど。従来の縦割り、情報、命令の縦の階級ごとの、判断、承認、拒絶、などの審査、軍隊組織のような、批判、合議の排除、などの仕組みとは違う、いわば別の生物形態に進化した。
その結果、車の製造過程でも、改良が継続的に加えられる。3-5年に一度の「新型」ではなく、同じ年の車でも、多くの改良された色々な「新型」が生産されている。このような継続的な改善はソフトウエアでは当たり前になっているが、テスラだけが物理的な製造工程で行われている
トヨタが現場の声を尊重するが、それを高速に改善した。工程だけでなく、客からの声、不満、などの情報全てを瞬時に社員全員にスマホで常に送られるので、自分の担当する部品の改善の必要性・関連性をも把握できる。
 例えば、生物が熱いヤカンに触れば瞬時に、反射的に避ける。それは多くの細胞、神経などが情報、解析、反応、行動を速やかにする、よって怪我、死を避けうる。そのような生物的な運営・改善の仕組みがテスラには出来上がっている。
誰もが、あたかも最高責任者であるかのように行動するよう義務ずけられ、良い成果は直ぐに評価される。
つまりやり甲斐のある楽しい仕事がテスラにはある、故に優秀なあらゆる種類の人材が集まる。こんな乱暴な人事は、年功序列、多種の中間管理職、無能な管理職、劣化した社員、内向き下向き後ろ向き、今だけ金だけ自分だけ、天下り先確保、では日本企業・官僚は受け入れられない。そんな過酷な「正直な努力者が勝つ」未来が始まった。 
https://www.youtube.com/watch?v=9bUKN4t0hD8&list=PLkLRBLia2E6UYWLGqMtUfVCiOVk-fchfI&index=6
 (在米のKM生) 

 

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)11月23日(火曜日)

 

(読者の声2)人類を救うイロン・マスク氏礼賛。(批判されるを承知で私見を開陳)
父親にいじめられて高校生の頃、祖国南アフリカから親戚を頼ってカナダに来たが、見つからず、極貧の中で3キ仕事をしながら大学へ通い、起業を始め、最近、世界一の富豪になった。数人の仲間とPAYPALという金を個人間で動かす会社を作り、それを売った金で、直ちにSPACE X という火星移民のための会社を始める。
つまり米国の威信と財力をかけたNASAを凌駕する不遜な計画である。テスラを始めたのはその後になる。電気を作る太陽光発電の会社、EVのためには電池、交通混雑緩和のための地下道路、ハイパーループという超高速交通電車、AI とヒトを繋ぐ仕組み、世界中どこでもネットに繋げるSTARLINK, など全てが全く新規の事業だ、という特徴。
専門知識も経験もない分野で、瞬時に独学で学んで、専門家を集めて起業する魔法のような早業で駆け抜けている。これらは十人の天才がどんなに努力しても半分以上の起業は生まれる前から失敗しただろう。(日本では、偉い人の「爪の垢でも煎じて飲め」という表現があるが、西欧の「初夜権」的な・優秀なDNAを拡散せよ、という解釈もできるかもしれない。とすれば日本人の知的水準を向上する目的が文科省、故に前川喜平氏の現地研究の言い訳になる。)
 人類を「多惑星的存在」にして、人災、天災による「地球破滅から、人類滅亡の危機を分散」させる、具体的には「出来るだけ早く」火星に移民基地を作る。それを可能にできる時間が限られている、という。
父親として家族、子供を守る、つまり子孫を残すことが最大の使命である。
そんな全人類の任務を自発的に課して、毎日脇目も振らず18時間勤務に励む。話だけ聞くと宗教家的な匂いもする。巨額の金を集めて使うところも似ている。しかし「ものずくり」に携わった者は知るが、文学、哲学、宗教、ソフトウエアなどの言葉の世界とは比較にならないほどの膨大な物理的な投資・努力が必要だ。
 そんなあまりに非日常的な稀有な極めて利他的な英雄を慕い、尊敬し、テスラを買う事によって氏の計画を支持するという精神的な支持基盤がある。
テスラの株を絶対に売らないという支持者も多い。株価が資金の根元になる。つまり支持者の自由意志による。
NASAの財源は「強制的に」搾り取られた税金、国債、借金である。過去50年間官僚支配で進歩なし(しかし負けを認め、マスク氏に外注した事は偉い。日本では絶対に無いだろう。日本で仮にマスク氏が現れたら、東京特捜部がたちまち逮捕して、既存利益集団を守るだろう。)
 下記の最近の動画は、氏の細かい知識の一端を写している。不恰好な直径9メートルの巨大なロケットが何故ピカピカのステンレスなのか、延々と理由を説明しているのも面白い。現場で実験して試して創造していく過程が見える。
氏の話す速度に舌が追いつかず、不明なところがあるが、自動文字化の字幕も追いつけず先に行って意味がわかり、過去の文を急遽改正する、という忙しく立ち回る最新のアプリの進歩も観れる(観られる)そのうちに同時翻訳字幕で日本語で読める日も近いだろう。
https://www.youtube.com/watch?v=l_MHkr_uYww
(在米のKM生

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