国会乱入事件の一年後

 

AC通信 No.877 (2022/01/07)AC 論説No.877 国会乱入事件の一年後

昨日1月6日はインチキ選挙に抗議する民衆が国会に乱入した事件から一年目である。一般に国会乱入事件と呼ばれ、バイデン政権はこれをトランプが使嗾したため暴動が起きたとしている。しかし当日の記録ではトランプは国会に行って平和的に抗議をせよと言ったに過ぎない。

それでもバイデン政権はこれを利用してトランプを政界から抹消しようとしている。ペロシは国会で乱入事件調査委員会を設置し、すでに700名余りが逮捕され、500名余りが起訴された。

事件後満1年を迎え、バイデン政権はこの事件を大々的に煽ってトランプの責任を追求する計画を立てている。その目的は(1)秋の中間選挙で民主党に決定的に不利な現状を取り返すこと。(2)2024年の総選挙にトランプを再出馬させないこと。(3)トランプを政界から永久追放する計画の3つである。

民主党とDSはバイデンが政権を握ればトランプは再起不能と思っていたが、予想に反してバイデン政権は失敗続きのみならず、トランプの人気は下がらず、共和党トップの位置は変わっていない。バイデンは2024年も出るつもりだけど、トランプ対バイデンの人気は49対41%である。

1月6日の当日、バイデン大統領とカマラハリス副大統領は国会の歴代政治家の銅像を配置したNationalStatute Hallでそれぞれ記念公演を行った。これが今後のトランプ攻撃の基調演説だった。

バイデンはこの演説で去年の国会乱入事件はトランプが支持者を唆して国会に乱入させた張本人だと名指しで攻撃した。この事件はペロシが国会で調査中だがトランプが民衆を唆した証拠はまだ上がっていない。FBIとANTIFAが暴動を唆した証拠も上がっている。バイデンは国会乱入事件を「Undemocratic」で「UnAmerican」と言うキーワードとし、今後の戦略の基調とするつもりだった。ワシントンポスト、NYタイムス、CNNなどがこれをバイデンの名演説と持ち上げたが、民衆の反応は殆どなかった。

バイデンの講演に民衆が無反応だった理由は、バイデンに続いてカマラ・ハリスが行った講演に対して轟々たる非難の声があがったからである。ハリスの講演は国会乱入事件を「世紀の大事件」とでっちあげ、日本の真珠湾攻撃と20年前のビン・ラディンの911・ツインタワー攻撃と一緒にしたのである。お陰でメディアの反応はハリス批判に焦点を合わせ、バイデンはすっかり無視されてしまった。

国会乱入事件はアメリカでも大きな事件だったと言える。しかし真珠湾攻撃やツインタワー攻撃は桁違いでいくらサヨク贔屓でも納得できない。翌日の評論ではハリスの無知とでっち上げを批判し、国会乱入事件をバイデン政権の一年内に起きた527件の暴動に比較する保守系の反論が大きく取り上げられた。藪を突いて蛇を出す結果である。ある評論によると民主党側が政権をとって以来、バイデン政権は初めてアメリカで起きた動乱、無政府状態に言及し、これまでの暴動の頻発や各都市の危機を無視してきたバイデンを批判することになってしまった。

保守メディアは更にハリスの自覚のなさを批判し、カマラ・ハリスは常にBLMの側に立って暴動を援助し、暴動で逮捕された者に保釈金を与えた過去があることを指摘し、彼女がBLMを援助したお陰で2019年の民主党のプライマリー選挙に立候補した過去を取り上げ、彼女こそ暴動の使嗾者だと攻撃した。

バイデンの基調講演に続き、民主党側では国会乱入事件を使ってトランプを政界から永久追放する計画を考慮中である。ペロシの国会調査会はこの事件の全責任をトランプになすりつけるため、トランプの幕僚や家族のSNS通話記録の提出を求め、幕僚を国会喚問するなどさまざまな権力濫用を繰り返してきた。更に国会の民主党議員は憲法改正第14条の第3項を使ってトランプを政界から永久追放すると言い出した。

第14条第3項とは簡単に説明すると「国家に忠誠を誓った人物が、反政府の暴動や反乱に加わり、または援助し、或いは国家反乱に関与した場合、国会の上下両院の議員の3分の2の賛成を得て、永久に国会の上下院議員や正副大統領になることを禁止する。」というのである。

反政府の暴動や反乱とは英語でInsurrection and Rebellionとなっているが、ペロシが強引に立ち上げた国会乱入事件調査委員会で起訴された500名余にInsurrectionで起訴された者は一人もいない。だからこの条項をトランプまで引き上げるのは無理だ。

国会の上下両院で3分の2以上がトランプの政界追放に賛成する可能性は殆どない。DSと民主党は第14条3項でトランプを追放するのは不可能と知っているけれど、これを使って民衆を煽動し、2024年の選挙にトランプが出ないように工作するつもりである。

DSと民主党はトランプが大嫌いというよりトランプを極度に恐れているのだ。世紀のインチキ選挙でトランプを降ろしたら人気が下落すると思っていた。ところがホワイトハウスを追われた後のトランプの人気は下落するより大幅に上がったので更なる大陰謀でトランプ追放を図ってるのである。

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