最近、気がかりなこと
最近、週刊誌やインターネットで投稿される動画、そのコメント欄など主にネット上の言論の場がひどいことになっている。気味悪いほどに足並みを揃(そろ)え、秋篠宮家の一挙手一投足を貶(おとし)める。一方で秋篠宮家がこんなにもひどいのなら、あとはもう、愛子さまに天皇になっていただくより他はない、と愛子天皇論を展開する。
信頼のおける雑誌と思っていた老舗出版社の週刊誌2誌までもが、「愛子天皇が誕生する日」「愛子天皇に前のめり」などというタイトルを掲げている。
いくつかの証言によると、某コメント欄にこのような意見に反論を書いても反映されないし、反映されたとしても、たった数秒のうちにバッドマークが大量につく。それは人間がしているのではなく、機械が、特にAI(人工知能)が行っている証拠だろう。明らかに組織的な「言論統制」「言論誘導」が展開されているのだ。
このような動きに対し、そんなことは不可能だ。皇位継承順は秋篠宮皇嗣殿下、悠仁親王殿下と決まっていて、それは内外にも示された。今さら覆されるものではないだろう。覆されるとしたらクーデター。第一、皇室典範には「皇位は男系男子に限る」と明確に示されているではないか、と危機感を抱かない人々も存在する。
しかし今や、世論が一番力を持つ時代だ。世論の高まり次第では今後どうなるか、わからないではないか。
この、つくられつつある世論は、秋篠宮家の眞子さまのご結婚によってますます勢いを得た。
これまで皇室にほとんど興味を持っていなかった人々が、その衝撃的なご結婚によって秋篠宮家を最低最悪の皇族とみなすようになった。秋篠宮家から天皇が現れることだけは我慢ならない、秋篠宮家の人々を見るだけでも気分が悪い、秋篠宮家の会計監査をして全員皇籍離脱させよ、などと憎悪の念を露(あら)わにするようになった。
皇室への理解と敬意を
しかし私のように長年皇室をウオッチしている者にとっては、秋篠宮家ほどご立派な皇族は見当たらない。宮中祭祀を何より大切にし、公務も完璧にこなし、日々研鑽(けんさん)を積み、清廉潔白、国民に対し、常に慈愛の眼差(まなざ)しを投げかけられてきている。
ところがこういうことを言うと、世論誘導にはめられた人々が、秋篠宮家を擁護する竹内はおかしいと評する。秋篠宮家にはどんな暴言を吐いても構わないと信じている。結局、これまでウイークポイントがなかった秋篠宮家であるからこそ、今回の〝失態〟が、これでもかとクローズアップされ、攻撃される材料と化しているのだろう。
秋篠宮家を攻撃する者たちが何を目的としているのか。それは、かの宮家から皇位を簒奪(さんだつ)し、愛子天皇を実現させようとすることである。しかもそれは単なる皇位簒奪にとどまらない。
愛子天皇が実現すれば、父が天皇である女性が天皇になったことになり、過去の8方10代の女性天皇(お二人は2度天皇になられた)とポジションについてはほぼ同じである(祖父が天皇という方もあった)。だが事情は大きく異なる。
過去の女性天皇は生涯独身か、未亡人であり、天皇になってから誰かと結婚し子を産み、その子が天皇になることはなかった。だから皇統に影響を与えることはなかった。しかし今日、女性天皇となられた方に生涯独身を強いることは不可能だ。もし強いるとすると「おかわいそう」の大合唱となり、ご結婚していただこうという流れとなる。
無理解、無責任が国を危うく
そうして生まれたお子さんが、性別に関係なく天皇の座につくと、女系天皇。これまで一度たりともなかった存在だ。そして最も肝心なことは、女系天皇は皇室の方ではなく、女性天皇の配偶者の家の方だということだ。
つまり女系天皇の出現で皇室の歴史は終わり、別の王朝が始まるのである。愛子天皇を待望している人々が本当に狙っているものとは、実は皇室の滅亡であり、それは日本国の解体をも意味する。
皇室と日本国を滅ぼしたい勢力が、なぜこれほどまでに幅を利かせることになったのだろう。それは、皇室のことに国民は口出ししてはならない、不敬であるという国民のおとなしさ、ルール遵守の精神に対し、皇室破壊、日本国滅亡を狙うかのように、朝日、毎日、NHK、共産などの反日左翼、外国の勢力が付け入り、勢力を伸ばしてきた結果ではあるまいか。
皇室を命がけでお守りするはずの宮内庁は、戦前の宮内省とは違い、皇族を監視する機関となり果てた。GHQ(連合国軍総司令部)による、皇室と日本国を弱体化する計画の一環のためだ。
皇室をめぐる不健全な状況は、不敬の名の下に考えることや調べることをやめた国民の怠慢に責任の一端がある。今、最も警戒すべきは、怠惰で無責任、言論誘導にたやすく乗ってしまう国民なのだ。(たけうち くみこ)