漫画屋の離れ

本ブログ「漫画屋日記」の離れブログです。構想中の作品メモに利用。

日本の未来・・・?

2006-05-27 21:40:43 | 資産運用

いつも見ている為替王さんの記事に興味深いモノがありました。件名は「カーストという身分制度のあるインドから見た日本の格差社会」というものです。最近、株価がさえないのは何も日本だけの話ではなく、世界的に調整している様子です。特にインドは大幅に下落しました。日本では最近設定されたインド投信も多いですから、痛みを感じている人も多いのではないでしょうか。

それはともかく、インドに存在するカースト制(法律で禁じられているそうですが、社会構造的にも民族意識的にもまだまだ存在するようです。)を日本に照らしてみるという問答は興味深いです。特に気になった記事を抜き出してみます。為替王さんがインド経済の専門家に問答をするという形になっています。

Q:優遇政策はなくても良いか?
A:下層階級の人にはないものが2つある。お金と教育だ。この2つがないために、上に這い上がることができない。教育のない親は、子供に学校に行かせようと思わない。まず、そういう発想がない。そうするとこのサイクルから抜け出せない。抜け出ようと頑張る人をサポートする政策は必要だ。

Q:日本も格差社会と言われ始め、治安が悪化している。
A:私から見れば、日本はとても良い国だ。田舎でもどこへでも一人で行ける安全な国だ。インドとは比較にならない。しかし、日本でも、格差というか、治安悪化の兆候が表れている。小泉首相の能力主義的な発想に私は賛成だ。しかし、下流に落ちた人をそのままにしておくと大変なことになる。

Q:どうして大変なのか?
A:下流に落ちて、それに慣れると上昇意欲がなくなる。決してそこから上がろうとはしない。彼らが頑張ることと言えば、政府からの援助を求めることだ。下流では被害者意識が充満している。彼らは被害者として当然の“もらう権利”を主張することに一生懸命になる。驚くべきことに、下流グループから抜け出ることに一生懸命になりはしないのだ。下流層にい続けることを望み、安心してしまう。下流層がグループ化、固定化してしまうことを懸念する。

特に最後のQ&Aは日本の未来を暗示しているようでもあり、すでに兆候はでているような気がします。2ちゃんねるとかみてると感じますね・・・。個人的には国家というものが施政者側の利害以上にプライオリティ(優先順位)をもって市井に生きる人々に何かしてくれるという考え方はそもそも持てないので、基本的に期待はしていないのですが(期待もしていないので、不満を言う背景もない。)。せいぜい使える制度は利用させてもらうというところでしょうか。最後の引用。

Q:どうしたらよいか?
A:さきほど言ったように、無差別な優遇策ではなく、下流から這い上がろうとする人をサポートする政策は重要だ。そしてもうひとつ・・、極端な能力主義を目指すべきではない。能力主義はよいが、稼いだお金を分配する仕組みが必要だ。支払った税金が自分に見返りのない事に使われたら誰も納得しないだろう。しかし、それは治安改善につながり、間接的には自分たちに跳ね返ってくる。

最後の下線は政治家も悩みどころですよね。現行の政治選挙の形では長期的な政策をとりにくいというのは致し方のないところですから。10年後、20年後の日本はまた今とずいぶん空気感というか様相が変わっていそうですね。とりあえず今の日本円はまだまだ強い(借金だらけなのに・・・。)。せめてこれを利用して今のうちに、できるだけの対策をしたいものです。間に合うかな・・・。