中日が対戦成績をタイに戻した。日本シリーズ第4戦は3日、千葉マリンで行われ、中日が延長11回、2死二塁から新人の大島洋平外野手(25)の適時三塁打で4―3で勝利。通算成績を2勝2敗に戻した。日本シリーズ最年長登板となったベテラン左腕、山本昌投手(45)が先発して3回3失点でKOも、中継ぎ陣が踏ん張って勝利を呼び込んだ。
低く鋭い打球が、千葉マリン特有の風を切り裂いた。大島だ。延長11回2死二塁。9番打者は伊藤の初球、145キロ直球を迷わず振り抜いた。勝ち越しの中越え三塁打。午後11時を過ぎ、底冷えする中でのお立ち台でルーキーは声を弾ませた。
「何とかここで決めてやろうと思った。越えてくれと思いながら必死で走りました」。12安打を放ちながら9残塁。大島自身3回、先頭で中前打も直後にけん制死。「あそこで流れを悪くしてしまった」。ミスを取り返して余りある、値千金の快打だった。
負けられないライバルがいる。同じ外野手のロッテ・清田とは同い年。大学は駒大、清田が東洋大と東都リーグでしのぎを削り、社会人でも2年間プレーして昨年ドラフトでプロ入りした。清田は前日の第3戦(千葉マリン)で、86年の清原(西武)以来のシリーズ新人V打となる三塁打を放ったが、こちらも三塁打でお返しだ。「向こうはパワー系、僕はコチョコチョ系なんで」と謙そんするが「きのうは清田で負けたので、きょうは僕に回ってくるかなと思っていた」。これで3試合連続安打。こちらも清田に負けないラッキーボーイぶりを発揮している。
シリーズ史上3番目の長時間試合となる4時間41分の死闘。落合監督は「えらい下手な試合をやらせたな。ここまでもつれた原因はベンチワークの失敗」と表情は一切緩めなかった。井端が2併殺など無安打。森野、和田がそろって3安打も続くブランコが無安打と打線を分断した。そんな中で指揮官は7投手をつぎ込む必死の継投。8回2死一、二塁では左の福浦にあえて右の浅尾をぶつける、オレ流采配で我慢比べをものにした。
「これがシリーズ。こういう下手な試合をやって勝った。あした以降、うまく流れてくれると思う」。負ければ王手をかけられる試合で踏ん張り、2勝2敗のタイ。名古屋にも戻れる。落合監督の言葉には、確かな自信がにじんでいた。
◆大島 洋平(おおしま・ようへい)1985年(昭60)11月9日生まれ、愛知県出身の24歳。小4から名古屋平針HBCで野球を始める。享栄では外野手兼投手で3年夏の愛知大会5回戦で、優勝した愛工大名電に敗れた。駒大4年秋には首位打者を獲得。日本生命では08年秋の社会人野球日本選手権で首位打者も獲得した。09年ドラフト5位で中日入り。既婚。1メートル76、74キロ。左投げ左打ち。血液型A。
≪新人のV打は10人目≫ルーキーの大島(中)が延長11回に勝ち越し三塁打。新人のV打は今シリーズ第3戦の清田(ロ)に次いで10人、11度目。延長戦では50年第1戦伊藤(毎日=12回左安打)、62年第5戦岩下(東映=11回左越えサヨナラ本塁打)に次ぎ47年ぶり3人目だ。また1シリーズで新人の2V打は60年第3、4戦に近藤昭(大洋)がマークして以来。2人が記録したのはシリーズ史上初めてになる。
≪3点差を逆転勝ち≫中日は3点差をはね返して逆転勝ち。シリーズの最大逆転勝利は76年第6戦で巨人が記録した7点差だが、チームでは04年対西武第2戦の3点差(3-6→11-6)と並ぶ粘り腰となった。また中日のシリーズ延長戦は過去に74年対ロッテ第6戦(●2-3=10回)、88年対西武第5戦(●6-7=11回)と2度あっていずれも敗戦。勝ったのは初めてだ。
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低く鋭い打球が、千葉マリン特有の風を切り裂いた。大島だ。延長11回2死二塁。9番打者は伊藤の初球、145キロ直球を迷わず振り抜いた。勝ち越しの中越え三塁打。午後11時を過ぎ、底冷えする中でのお立ち台でルーキーは声を弾ませた。
「何とかここで決めてやろうと思った。越えてくれと思いながら必死で走りました」。12安打を放ちながら9残塁。大島自身3回、先頭で中前打も直後にけん制死。「あそこで流れを悪くしてしまった」。ミスを取り返して余りある、値千金の快打だった。
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「これがシリーズ。こういう下手な試合をやって勝った。あした以降、うまく流れてくれると思う」。負ければ王手をかけられる試合で踏ん張り、2勝2敗のタイ。名古屋にも戻れる。落合監督の言葉には、確かな自信がにじんでいた。
◆大島 洋平(おおしま・ようへい)1985年(昭60)11月9日生まれ、愛知県出身の24歳。小4から名古屋平針HBCで野球を始める。享栄では外野手兼投手で3年夏の愛知大会5回戦で、優勝した愛工大名電に敗れた。駒大4年秋には首位打者を獲得。日本生命では08年秋の社会人野球日本選手権で首位打者も獲得した。09年ドラフト5位で中日入り。既婚。1メートル76、74キロ。左投げ左打ち。血液型A。
≪新人のV打は10人目≫ルーキーの大島(中)が延長11回に勝ち越し三塁打。新人のV打は今シリーズ第3戦の清田(ロ)に次いで10人、11度目。延長戦では50年第1戦伊藤(毎日=12回左安打)、62年第5戦岩下(東映=11回左越えサヨナラ本塁打)に次ぎ47年ぶり3人目だ。また1シリーズで新人の2V打は60年第3、4戦に近藤昭(大洋)がマークして以来。2人が記録したのはシリーズ史上初めてになる。
≪3点差を逆転勝ち≫中日は3点差をはね返して逆転勝ち。シリーズの最大逆転勝利は76年第6戦で巨人が記録した7点差だが、チームでは04年対西武第2戦の3点差(3-6→11-6)と並ぶ粘り腰となった。また中日のシリーズ延長戦は過去に74年対ロッテ第6戦(●2-3=10回)、88年対西武第5戦(●6-7=11回)と2度あっていずれも敗戦。勝ったのは初めてだ。
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