「今、とても充実している自分を感じる。最後まで男役を楽しみ、宝塚生活を全うしたい」。来春4月に宝塚歌劇団を退団することが決まった花組トップスター、真飛聖(まとぶ・せい)は21日、大阪のホテルで行った退団会見で、率直に心境を語った。
真飛は光沢のある白のジャケットとブラウス、黒のパンツ姿で会見場に現れた。まず、小林公一・宝塚歌劇団理事長が「彼女は正統派男役として大いに貢献してくれた。卒業するその日までますます輝いていけるように協力したい」とあいさつ。真飛は「来年4月での卒業を決めました。最後まで宝塚の生徒としての誇りを持ち、男役を十分に楽しんで全うしたい」と口火を切った。
退団を具体的に考え始めたのは1年ほど前。「『EXCITER!!』というショーに出合い、真飛聖の男役を存分に見せられたという感覚があった。その再演が今年にできたこともきっかけになった」という。「私は星組から花組に替わったとき(平成17年)、花組を一番大好きといえるようにがんばると言ったんです。今、花組の組子を100%愛している自分がいる。そのことを実感できて、充実している今(が退団の時期)だ、と思えた」と話した。
組子たちには「麗しのサブリナ」などの東京公演の千秋楽が終わった17日に、退団することを伝えた。「全員に私の口から直接、伝えたかったんです。みんなシンミリとして、涙を流しながら聞いてくれた」そうだ。
神奈川県川崎市出身の真飛は、阪神大震災後の再開第1弾となった平成7年「国境のない地図」で初舞台を踏み、星組に配属。甘い容姿と個性的な役作りで注目を集め、新人公演主演の「我が愛は山の彼方に」、日生劇場公演「雨に唄えば」の女優リナ役、宝塚バウホール公演単独初主演の「花のいそぎ」など着実ステップアップ。17年に2番手男役として花組に組替えになり、春野寿美礼のあとをうけて19年12月にトップに就任した。相手役の娘役トップは桜乃彩音。
トップ・デビューは20年2月の中日劇場公演「メランコリック・ジゴロ」「ラブ・シンフォニーII」で、宝塚大劇場のお披露目公演は「愛と死のアラビア」「Red Hot Sea」。ほかに韓国ドラマの舞台化「太王四神記」、「外伝・ベルサイユのばら-アンドレ編-」、人気テレビドラマの舞台化「相棒」、往年の名作「虞美人」などで、多彩なキャラクターを魅力的に演じた。映画を舞台化した「麗しのサブリナ」から相手役の娘役トップが蘭乃はなに変わった。
宝塚生活で最大のターニングポイントになったのは、星組時代の「WEST SIDE STORY」(11年)のベイビー・ジョーン役だという。「それまで芝居が怖かったんですが、徹底的にしごかれて芝居のおもしろさを知り、その後の道が開けました」。トップになってからの代表作には「虞美人」をあげた。「一番、気負わずに楽しんでやれた作品です。トップになってからはとくに、心にウソがないようにと常に思って、自分と正直に向き合うことに心がけていました」。
そして、ファンに対して「ファンのみなさまがいてくれたからこそ、真飛聖の16年間があります。残された時間を大切にして、最後まで見届けてください」とメッセージをおくった。退団後は「今の時点ではほかの芸能活動も、結婚も予定にございません」と言い切ったが、「何でもいいから笑いはとっていきたい」とか。
今後の公演予定は、全国ツアー「メランコリック・ジゴロ」「ラブ・シンフォニー」=11月13日~12月12日、大阪・梅田芸術劇場メインホールでの「タカラヅカスペシャル2010」=12月18、19日。そして退団公演の「愛のプレリュード」「Le Paradis!!」=来年2月4日~3月7日、宝塚大劇場▽同3月25日~4月24日、東京宝塚劇場で、その千秋楽が退団の日となる。
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真飛は光沢のある白のジャケットとブラウス、黒のパンツ姿で会見場に現れた。まず、小林公一・宝塚歌劇団理事長が「彼女は正統派男役として大いに貢献してくれた。卒業するその日までますます輝いていけるように協力したい」とあいさつ。真飛は「来年4月での卒業を決めました。最後まで宝塚の生徒としての誇りを持ち、男役を十分に楽しんで全うしたい」と口火を切った。
退団を具体的に考え始めたのは1年ほど前。「『EXCITER!!』というショーに出合い、真飛聖の男役を存分に見せられたという感覚があった。その再演が今年にできたこともきっかけになった」という。「私は星組から花組に替わったとき(平成17年)、花組を一番大好きといえるようにがんばると言ったんです。今、花組の組子を100%愛している自分がいる。そのことを実感できて、充実している今(が退団の時期)だ、と思えた」と話した。
組子たちには「麗しのサブリナ」などの東京公演の千秋楽が終わった17日に、退団することを伝えた。「全員に私の口から直接、伝えたかったんです。みんなシンミリとして、涙を流しながら聞いてくれた」そうだ。
神奈川県川崎市出身の真飛は、阪神大震災後の再開第1弾となった平成7年「国境のない地図」で初舞台を踏み、星組に配属。甘い容姿と個性的な役作りで注目を集め、新人公演主演の「我が愛は山の彼方に」、日生劇場公演「雨に唄えば」の女優リナ役、宝塚バウホール公演単独初主演の「花のいそぎ」など着実ステップアップ。17年に2番手男役として花組に組替えになり、春野寿美礼のあとをうけて19年12月にトップに就任した。相手役の娘役トップは桜乃彩音。
トップ・デビューは20年2月の中日劇場公演「メランコリック・ジゴロ」「ラブ・シンフォニーII」で、宝塚大劇場のお披露目公演は「愛と死のアラビア」「Red Hot Sea」。ほかに韓国ドラマの舞台化「太王四神記」、「外伝・ベルサイユのばら-アンドレ編-」、人気テレビドラマの舞台化「相棒」、往年の名作「虞美人」などで、多彩なキャラクターを魅力的に演じた。映画を舞台化した「麗しのサブリナ」から相手役の娘役トップが蘭乃はなに変わった。
宝塚生活で最大のターニングポイントになったのは、星組時代の「WEST SIDE STORY」(11年)のベイビー・ジョーン役だという。「それまで芝居が怖かったんですが、徹底的にしごかれて芝居のおもしろさを知り、その後の道が開けました」。トップになってからの代表作には「虞美人」をあげた。「一番、気負わずに楽しんでやれた作品です。トップになってからはとくに、心にウソがないようにと常に思って、自分と正直に向き合うことに心がけていました」。
そして、ファンに対して「ファンのみなさまがいてくれたからこそ、真飛聖の16年間があります。残された時間を大切にして、最後まで見届けてください」とメッセージをおくった。退団後は「今の時点ではほかの芸能活動も、結婚も予定にございません」と言い切ったが、「何でもいいから笑いはとっていきたい」とか。
今後の公演予定は、全国ツアー「メランコリック・ジゴロ」「ラブ・シンフォニー」=11月13日~12月12日、大阪・梅田芸術劇場メインホールでの「タカラヅカスペシャル2010」=12月18、19日。そして退団公演の「愛のプレリュード」「Le Paradis!!」=来年2月4日~3月7日、宝塚大劇場▽同3月25日~4月24日、東京宝塚劇場で、その千秋楽が退団の日となる。
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