美加レディースクリニック いちご通信

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本当に怖い! 女性の病気「子宮内膜症」 早くみつけてあげて

2015-07-16 12:29:04 | オントナ

月経がある女性の7人に1人がかかるとも。定期的な検診を!

 

 現代女性がかかりやすい上に、一度発症するととても治りにくい厄介な病気。それが「子宮内膜症」です。妊娠経験が少ないほどなりやすいため、晩婚・晩産化が進んだ現代、30~40代の女性に非常に増えています。欧米型の食習慣や女性の喫煙、また、月経の回数が多いほどなりやすいため初潮年齢が早くなったことなどの影響もあり10、20代の女性にも増えています。

 松浦亜弥、大黒摩季、石田ひかりといった有名人も苦しんでいることを告白したため、覚えている人もいるのではないでしょうか。月経のある女性の7人に1人が子宮内膜症であるといわれており、その半数は不妊症を患っています。

 子宮内膜症は、本来、子宮の内側にしかないはずの「子宮内膜」がいろいろな臓器に発生し、そこで月経出血をおこす病気です。できやすい場所は卵巣や子宮と直腸の間の「ダグラス窩(か)」、腹膜、子宮の筋肉の中などです。出血しても出口がないため体外に排出されず、血液がたまって嚢(のう)腫を形成したり硬いコブを作ったり、周囲と癒着(骨盤内の臓器とくっついてしまうこと)したりします。癒着は不妊の大きな原因です。

 子宮内膜症が卵巣の中にできると、ドロドロしたチョコレートのような古い月経出血がたまります。これを「チョコレート嚢腫」といい、大きなものになると卵巣内の卵子を減少させてしまい、これも不妊の原因になります。

 おもな症状は激しい月経痛や排便痛、性交痛などです。肛門の奥が痛むという場合は要注意です。しかし、人によっては重症なのに全く自覚症状がない場合もあります。とにかく、早く見つけないと治療が難しくなるので、症状がなくても定期的に婦人科検診をして、子宮内膜症がないかみてもらうことが重要です。

 月経痛がひどい人ほど子宮内膜症になりやすいのですが、低用量ピルは月経痛を改善するとともに内膜症を予防することができます。

 子宮内膜症の怖ろしさをまとめると①激痛に苦しむ②不妊症になる③おなかの中に癒着を生じる④重症化すると完全に治癒しない⑤手術しても再発しやすい⑥長期の治療が必要…となります。早期発見、早期の治療が大切です。