きまぐれ日誌

みどり文庫

子どもに喜びを!

2016-08-04 10:34:33 | みどり文庫
みどり文庫がボランティア活動をしている目的は、「子どもに喜びを!」を授けることです。
私たちの活動は、「本」や「お話」を通してですが、この世の中には、お金目当てではなく、子どもを歓喜させることを喜びとする大人が大勢いるのです。

アメリカ西海岸、南カリフォルニアの浜辺は、夕陽の美しいところ。日没は19時50分ですが、毎夕、多くの家族連れ、若いカップルや老夫婦が、サンセットを楽しみに海辺にやって来ます。
その浜辺に時折現れる「シャボン玉おじさん」。

長〜い竿にヒモを横たわし、石鹸水を入れたバケツに浸してから竿を持ち上げると、それはそれは大きなシャボン玉が空中に浮かびます。
子どもたちは歓声をあげ、はじけて小さくなって飛び交うシャボン玉を捕まえようと手を伸ばし、追いかけ回ります。

おじさんは、巨大なシャボン玉を、あきることなく作り続けます。
子どものあげる高らかな笑い声に誘われて、いく度もいく度も・・・。

大きな泡は夕陽を浴びて七色に輝き、大空にうねります。
何がしかの魔法の力が働いていると思うような美しさ!
おじさんは魔法使い?

水平線に沈んだ夕陽は、海の中から、大空を再び真っ青な空に染め上げます。一瞬空は、昼間のように明るくなるのです。
やがて日が暮れて、真っ暗になってもシャボン玉は飛び交います。幼い子は、親の「もう、帰ろう」ということばも耳に入らず、シャボン玉を追って駆け回ります。

外国のビーチでは、こうした「お金をかけない楽しみ」があふれています。
波打ちぎわで波と追いかけっこする子、砂のお城を作る子どもたち、サーフィンに興じる若者たち、ピッツァやサンドイッチを持ってきて、夕陽を見ながら食事を楽しむ友人家族たち。

日本は、海に囲まれていながら、どうして浜辺の遊びを楽しまないのでしょうか?
雨の降らない、地中海性気候の地域との差もありますね。

人々は、浜辺で沈みゆく夕陽に手を振って叫びます。
” Good-bye the sun !  See you tomorrow! "

                記:  細谷 みどり