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倉庫番の独り言

「コーノさんちの物置き」アネックス

トリスタン論考(1) 無人島の一枚

2007-02-09 23:43:51 | トリスタンとイゾルデ
「無人島の一冊」というテーマがある。無人島に一人ぼっちで住むとして本を一冊だけ持っていくことが許されたとしたら何を持っていくか、という問いである。ある人は聖書と答え、ある人は電話帳と答える。アナログレコードの時代に同様に「無人島の一枚」というのが音楽好きの間でよく語られていた。

この問いに対する答えはまだ出せていない。2曲に絞られてはいるのだが。バッハの「マタイ受難曲」とワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」である。どちらも長い楽曲なので一枚という訳には行かないが、1曲あるいは1セットということで許してもらおう。この2曲は時代もスタイルも内容も両極にあるように異なるけれど、どちらも聴くたびに心を揺り動かされる。前者は敬虔な祈りをもって魂に響いてくるし、後者は灼熱の情念を直接魂に叩きつけられる。両者に共通するのは、管弦楽と独唱と合唱とで構成され、ことばが重要な役割りを果たしていること。

カラヤンが「ザルツブルク・イースター・フェスティバル」を始めた時に取り上げたのが「マタイ」と「トリスタン」であったのも、この2作品が無限に広がる音楽の世界の入口にそびえる仁王門の彫像として相応しいと考えたからであろうか。

とまれ金曜日のテーマはしばらく「トリスタン」を中心に進めてみよう。

ワーグナー ブルックナー フルトヴェングラー

2007-02-02 22:30:40 | トリスタンとイゾルデ
朝ふだんと同じに会社に行って、淡々と仕事をして、仕事の合い間に同僚にきのうの「大新年会」を語りデジカメの写真を自慢して見せ、これと言って特別なことも無く普段と同様に帰宅する。

金曜日のテーマを定義する決め手無し。きっかけを作る行動もイベントも無いけれど、ここは一つおそらく最大の趣味をどこかの曜日に定めないではいられないだろう。その趣味は、ある意味月並みではあるけれど「クラシック音楽鑑賞」。とりわけオペラ、その中でもワーグナー。来週の金曜日からはこの分野での自慢話、論評、失敗談に花が咲くことになるのである。吉田秀和先生のような洒脱なエッセイが書ければいいのだが。

きょうのタイトルは今後のテーマを予感させるプレリュードである。