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倉庫番の独り言

「コーノさんちの物置き」アネックス

皆既日食

2009-07-21 22:05:03 | お宝
今日の「お宝」はモノではなく、自分にとって「一生もの」の経験である。まぁ、切手とか、レコードとか、骨董品、美術品のお宝が「有形文化財」であるとすると、こちらは「無形文化財」の範疇に入るであろう。

明日22日には『今世紀最大』と言われる皆既日食が沖縄県トカラ諸島を中心に見られるということで、全国の天体ファンが南西諸島に集結している。会社での今日の会話も「先週の梅雨明け宣言はフライングだったなぁ」から始まって「明日の皆既日食はこの調子じゃ見えないな。まぁ、南の島まで出掛けて行って見えないよりは良いけれど」といったものが多かった。

私は1991年7月11日の『20世紀最大』と言われた皆既日食をメキシコ・シティーで見た経験を持っている。この週を中心に南北アメリカを出張中で、丁度この日がブラジルのマナウスからサンフランシスコに向かう移動日に当たっていた。
そこで、マナウスを午前2時ころのフライトで発ち、メキシコ・シティーで一旦降りて日食を見た後、夕方のフライトでサンフランシスコに向かった。とても長い一日だった。

「ヒコーキ大好き」人間としてはこの時のフライトをまず記さねばならないだろう。マナウスからメキシコ・シティーまではブラジルのヴァリグ航空RG872便、使用機材はボーイング767。途中、コロンビアの首都サンタフェ・デ・ボゴタで給油。メキシコ・シティーからサンフランシスコはメキシコのメキシカーナ航空MX144便、機材はダグラスDC-10ダッシュ15。これもノンストップ便ではなく、途中グァダラハラに立ち寄った。

さて、メキシコ・シティーの空港に着いた時には既に日食が始まっており、空港のロビーのテレビでその状況を映していた。タクシーで街の中心の広場まで行き、広場に面したホテルに荷物を預けて日食見物である。広場には多くの人が出ていて、マジックミラーの様なメガネを使って空を見上げている。こちらも近くの土産物屋でメガネを買い求めて仲間に加わる。

日食が進むに従って、空が暗くなり気温が下がっていくのが感じられる。これは原理が判らなかったら、こんなに恐ろしいことは無いだろうという感想を持った。天照大御神が天岩戸に隠れたというのは皆既日食の神話化だと思うけれど、それほどのインパクトは確かにある。

メキシコ・シティーでの皆既日食の時間は多分7分くらいだったと思うが、その間、空には明るい星が見える様になり、高地で湿度が低いせいもあって気温がどんどん下がる。

もう一度、太陽の恵みの素晴らしさと言うよりも「ものすごさ」を感じたのは、皆既食が終わってダイアモンドリングが輝いてから、太陽面の一部が月の陰から現れた時だった。多分、太陽面のほんの1パーセントほどが顔を覗かせただけで、あたりはそれまでの暗さに慣れた目には普通の日中と変わらない明るさを取り戻しており、日差しの暖かさもグングンと強まって行った。

この皆既日食はハワイからバハ・カリフォルニア半島を経てメキシコを横断した。ハワイには日本から多くの人たちが日食観測ツアーに出掛けたが、あいにくの曇り空だったと聞いている。明日の南西諸島の晴天を祈念する。

この時に撮った写真をこのブログにアップしようと、この連休中に探したのだけれど、見つからなかった。いずれ見つかったら「遅ればせながら」でアップしたいと思う。

フルトヴェングラー メロディア盤

2009-07-15 21:36:51 | お宝
先週の北京出張で日替わりテーマの順序が崩れてしまったが、きょうは取り敢えず「お宝」の第2回としよう。

前回に続いてフルトヴェングラーである。


学生時代に当時のソ連のメロティアレーベルから第2次大戦中のフルトヴェングラーのライブ演奏のレコードが何枚か発売されて大きな話題となった。

ポリエステルテープを使ったテープレコーダーが発明される前に、鋼の線を使って同じ原理で録音する技術がドイツで開発され、フルトヴェングラーの演奏がいくつか録音されていた。これを戦勝国のソ連が持ち帰っていたのだ。1942年から43年の録音で、確か最初に発売されたのはベートーヴェンの「第九」(2枚組)、ブラームスの交響曲第4番、シューベルトの交響曲第9番の4枚だった様に記憶している。

これはその1曲、ベートーヴェンの「第九」の第1面である。


こちらはブラームスの交響曲第4番である。

当時輸出関係の仕事をしていた父に頼んで、ソ連に出張する人に現地で買って来て戴いたものである。新聞や雑誌で評判になっていたが、実物を手にした日本人としてはかなり早い人間の一人だったと思う。

その後、英国のEMIが版権を買ったり、アメリカのユニコーンが出したりして市場に出回る様になった。

フルトヴェングラー没後50年の2004年を過ぎて知的財産権上の制約が無くなってから、多くの人がレコードの原盤からリマスタリングをした復刻CDを出しているが、それらの原盤になったのがこのメロディア原盤である。

私が持っている数多くのレコードの中にはいくつかの稀少盤があるが、この3枚はその中の頂点である。

お宝鑑定

2009-07-05 21:54:01 | お宝
日曜日はこれといってテーマを決めていない。思いついたことを書いている。

あまりテレビを見ない私だがお気に入りの番組は「お宝 なんでも鑑定団」である。それも日曜日の昼下がりの再放送で見ている。

さて、うちにはどんな「お宝」があるのだろうか。愚息夫妻のためにも我が家のお宝の棚卸しをしてみよう。

と、言う訳で「お宝」というカテゴリーを新設した。

第1回はドイツの郵便切手である。


言わずと知れた20世紀を代表する大指揮者ヴィルヘルム・フルトヴェングラーである。いつ発行されたものかは知らないが、切手の上端に「フルトヴェングラー 1954年没」と記載されているので、巨匠の没後ほどなく記念切手として発行されたものであろう。

私が高校生の頃、輸出関係の仕事をしていた父に頼んで手に入れたものである。

はて、この切手をオークションに出したらいくらの値段がつくのであろうか。