Today is a very good day to live!

原文は「Today is a very good day to die」だけれど。まだまだここから。今日も精一杯生きる。

河北新報に青空応援団!

2016-03-26 08:00:19 | 青空応援団
河北新報さん
『東北魂』5回連載の1回目に青空応援団!

残しておきたい記事なので、サイトから転載

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宮城
<3.11と今>頑張る人 全力後押し

◎東北魂(1)青空応援団団長 平了さん=仙台市

 膝下まである長い学ラン、ズボンは幅広のドカン。30~40代の男たち10人が、底冷えのする体育館にはだしで立つ。
 社会人応援団「青空応援団」が1月、宮城県亘理町逢隈中を訪れた。団長、平了さん(37)=仙台市青葉区=の講演と応援指導だ。
 くすくす。ニヤリ。ひそひそ。バンカラな風体に、生徒たちはざわついた。
 「こら。人が一生懸命やっていることを笑ったり、ばかにしたりするな」
 一喝され、水を打ったように静まる生徒たち。
 「人を応援できない人に応援される資格はない。君たちには、夢に向かって頑張る友達を応援できる人になってほしい」。平さんは言葉をつないだ。
 「フレェー、フレェー」
 高く腕を掲げ、体を反らし、声を振り絞ってエールを送る。団旗が舞う。


中学校の応援指導で青空応援団の演舞を披露する平さん=1月20日、宮城県亘理町

 青空応援団は2013年6月、元仙台一高応援団長の平さんが結成した。
 団員は全国に約100人。自営業の平さんをはじめ、仕事の合間に手弁当で活動を続ける。週1回の練習を欠かさず、体を鍛え、己を律す。
 マラソン大会、運動会、結婚式、夏祭り。依頼があれば全国どこへでも。14年にはパリのジャパンエキスポで演舞を披露した。
 個人の応援も請け負う。余命3カ月と告げられ自暴自棄になっていた男性はエールに自らを奮い立たせ、1年半生き抜いた。頑張る人を応援で後押しする。
 東日本大震災。平さんは友人の女性を仙台市若林区を襲った津波で亡くした。「友人の子どもの視界から、母親を奪った震災の爪跡を消したい」。直ちに行動を起こした。スコップを握り、山となっていたがれきを取り除いた。
 直後に人助け集団「スコップ団」を組織。有志を募り、沿岸で泥かきや家屋の清掃に当たった。
 土を掘るのが怖くなるほど多くの遺体に出合った。女性とみられる手は、別の小さな手を握りしめたままだった。


スコップ団の活動で被災家屋を洗浄する平さん=2012年1月、宮城県山元町

 志半ばで絶たれた数々の命に触れ、人生の「持ち時間」を意識した。時間を無駄にすることは命を浪費することだ。きょうを死ぬ気で生きよう。
 支援の手薄な部分に目が向いた。被災ペットの保護や遺体安置所にドライアイスを運ぶ活動などにも力を注いだ。
 〈何かっこつけてんだ〉。情熱をせせら笑いたがるやからはいつの世もいる。
 唾を吐くようにまき散らされた書き込みを一蹴した。「やりもしないくせに足を引っ張るひきょう者を、相手にしている暇はない」
 12年3月10日、犠牲者の鎮魂を祈る2万発の花火を打ち上げ、延べ約8000人に上るスコップ団の活動を休止した。過剰な支援は、被災した人の成長の芽を摘んでしまうのではないかと懸念したからだ。
 助けが要る時はいつでも声を掛けてほしい。でも、ここから先、頑張るのはあなた自身だ。
 支援から応援へ。
 できることに力を貸すのではなく、力を出せるように応援しよう。そして、頑張っても笑われない社会を子どもたちに残そう。
 だから声を張り上げる。心にかかった雨雲は、青空応援団が吹き飛ばす。
(伊東由紀子)
     ◇
 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故が突き付けた困難とどう向き合っていくか-。あの日から、東北生まれの人々はそれぞれの立場でふるさとの明日を思い、行動してきた。その先に再生の道が開けてくると信じて。(5回続き)

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