赤い羽根

「​赤い羽根ってなんの募金だっけ？」と、言いながら、胸に赤い羽根を付けてその人は現れた。
あぁ、そういう人だよなぁ。この人は。

赤い羽根は、まぁ、アヤシイ募金ではない。けれどもなんだか募金をするって、なんだかコソコソっとしちゃう。自慢するようなことでもないけれど、悪いことしてるわけではない。募金をお願いする側になったこともあって、募金してもらうことのありがたさって良くわかっているはずなんだけれどね。なんだろうね。

きっと本当は、ほんの少し、自分にできる範囲で募金をするってことは、良い事でも悪い事でもなく、普段の生活の中に組み込まれている「普通のこと」のはずなのだ。



「困っている人を手伝うことをボランティアとはいわない。」「人助けに理由はいらない。」そんなことをいっていたその人は「生きていく時間の中に【親切にする】は入っていて当たり前だからだよ。オンとオフではないんだよ。ただ、風が吹くように生きる。それに名前をつけてはいけない気がするからです。」とも言っていた。

いつからだろうか。
悪いことではなく、どちらかというと「良いこと」をするのに理由をつけるようになったのは。