贋・明月記―紅旗征戎非吾事―

中世の歌人藤原定家の日記「明月記」に倣って、身辺の瑣事をぐだぐだと綴る。

「硝子のハンマー」推理作家協会賞受賞

2005-05-24 21:27:22 | Weblog
前回「硝子のハンマー」の読後感を書いたが、その「硝子のハンマー」が今年度の推理作家協会賞を受賞したというニュースを今日知った。
もちろん偶然です。

あまり良い感想を書かなかったのに、推理作家協会賞を取ってしまって、どうも立場がない。
もっとも、ミステリとしては上質だし、悪意や恐怖がよく書けているということは言っておいたから、まあ、それほど他人様と評価基準がちがうというわけでもないかもしれない。
私の感想は、「後味」が悪かったということだから。

じゃあ、最近読んだミステリで、後味が良くて、すぐれた小説としてはなにがあるか?と尋ねられると、なかなかすぐに作品名が出てこない。

「夜のピクニック」はすごく楽しめたけれど、ミステリとは言いがたいしね。
強いて言うならば、宮部みゆきの「ぼんくら」「日暮らし」2部作かな。
いずれもよく出来た小説だが、世評もすこぶる高いから、これらの書名を挙げるのは当たり前すぎて、ここで書くまでもないなあ。

北村薫が円紫シリーズの新刊を書いてくれるのを待ちたいね。