贋・明月記―紅旗征戎非吾事―

中世の歌人藤原定家の日記「明月記」に倣って、身辺の瑣事をぐだぐだと綴る。

森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』はオモチロイ

2007-02-20 21:06:12 | 読んだ本
森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』を読んだ。

楽しめました。
実におもしろかった。
ヒロインの口癖を借りるならば「オモチロイ」小説であった。

言うならば、京都を舞台とした大学生ファンタジーである。

数日前に、同じ作者の『きつねのはなし』の感想を書いたが、あれが「暗黒」ならば、これは「光」の小説。

自意識過剰のへなちょこ男子学生が、元気で純真な(「天然」と言う方が適切か)後輩の女子学生に恋をして、さんざんな目に遭うというのが、大筋の話。

これは、男子学生ならば、98%くらいの人が経験したことである。
もちろん、小説に書かれているようなことが実際に起きるはずがないから、気持ちとしては、ということ。

古書市や学園祭が舞台というのも、共感できるところ。

話の小道具もおもしろいし、何より語り口がうまい。

森見登美彦というのは、才能のある作家である。

というのは、前回も断言したところであるが、改めて断言しておく。

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