贋・明月記―紅旗征戎非吾事―

中世の歌人藤原定家の日記「明月記」に倣って、身辺の瑣事をぐだぐだと綴る。

今年の講義内容

2005-05-17 22:09:03 | Weblog
昨日の記事のコメントに、どんな講義をしているのかという質問があったので、今年度の講義内容をちょっと書いておきます。
ごくあらましだけです。

「中世文学講義」
テーマは「源平争乱の文学」。前にもちょっと書いたような気がするが、世の流行に便乗したわけではないわけではない。少しそういう気持ちもある。学生が興味を持ってくれるかなという期待。ただし、中世文学全体を見渡すためにも、これは、なかなか効果的な視点であるのも確かなこと。

「中世文学演習」
「増鏡」を精読する。「増鏡」は、いわゆる歴史物語なので、何か材料があって、後世の人がそれを使って歴史を描いていることになる。そこで、材料らしき資料を探してきて、それと「増鏡」本文とを丁寧に読み比べてゆくという演習。

「中世文学講読」
御伽草子(「室町物語」とも言う)の「諏訪の本地」をサクサクと読む。これは、学生が室町時代の辞書(そういうものが残っているのです)を使って言葉の読み方や意味を調べて、現代語訳を作ってみるという授業。

「言語表現学概論」
すごい名称だが、実態は論文・レポートの書き方の技法を教える授業。具体的な卒論の書き方は、もちろん各ゼミでたたき込まれるのだが、全体に通ずるような「論文の書き方」について講義する。論文は、まず形式を知って、それに合わせて研究を進めてゆくと、自ずと論理的で説得力を有する良い論文になるものである。それを教えるのである。ろくな論文を書けないお前がそんなことを教えられるのか?といったツッコミはしないでほしい。自分のことは棚にあげるのが、教員である。

まだ、これ以外に4種類あるが、それについては、また次回。