暁の雲(平安語調平成日誌)

花をめで 鳥をうらやみ 霞をあはれびつつ
露をかなしぶこころ ここに記す
秋の月を見るに 暁の雲に会へるがごとし

連続戯画小説 翁丸開闢(かいびゃく) その廿三

2012-08-10 | 樹木・植物・動物・有職故実

つとめて
少納言 宮の御けづり櫛(朝の身繕い)に参り
宮は 御手水〈みてうづ〉まゐりて 御鏡持たせて御覧ずれば・・・
(少納言は) かたはらにて 犬の柱のもとにつゐいたるを(見て)
「あはれ 昨日翁丸をいみじう打ちしかな
 死にけむこそかなしけれ・・・
 何の身にか このたびはなりたらむ
 いかにわびしき心地しけむ・・・」とうち言ふほどに
この寝たる犬ふるひわななきて 涙をただ落としに落とす
いと あさまし・・・
(注)角盥(つのだらい):手や顔を洗い清める(御手水まゐる)為の水を入れる容器
つづく(^^)