出足は順調というご家庭もあれば
なかなかペースをつかめなくて・・・というご家庭もあるはず。
最適な1週間の学習サイクルは個々に応じて変わります。
誰かの真似をする、ということではなく
自分にとって最適な学習サイクルを作り上げていきましょう。
今回のお題は
「低学年のうちに取り組みたいこと」
小学校就学前や、1年生~3年生のお子さんを持つご家庭から
学習相談で質問される内容NO.1といっても過言ではないのが
上記の質問。
「ゆくゆくは中学受験を考えている。
本格的な塾通いをする前に
取り組んでおいた方がよいことは?」
この質問に対しては、色々な見解があると思います。
ここでは算数に限定したうえで
あくまでもこれまで中学受験算数を指導してきた1講師としての考
では、いきましょう。
遊びましょう
まずは知育玩具。
知的好奇心をくすぐるような
楽しげな知育玩具が巷にはあふれています。
お子さんが興味を示すのであれば
どんどん活用していただいてよいと思います。
数字・数値を早い段階から覚えた生徒は
計算処理が得意な傾向にあります。
また、レゴのような立体パズル系の知育玩具で遊んでいた生徒は
空間把握が得意な傾向にあります。
ただし、どれも前述のように
お子さんが興味をもって自ら手に取った場合に限ります。
親御様主導で与えても、主体的に取り組まなかったのであれば
残念ながらほとんど効果なし。
どの学年においても
「自発的に」というのがカギですね。
●●問題集はベストセラー?
次に市販の教材。
・最レベ問題集
・トップクラス問題集
・スーパーエリート問題集
・ハイレベ100
などが名の通った問題集です。
それぞれの特長はググればいたるところで語られているので
ここでは割愛します。
比較して最適なものを選択していただければと思います。
一つだけ、注意点を。
大人の目から見て遠回りな解き方をしていても
すぐに矯正せずに、まずはやらせてみることです。
自由な解答方針のもとに、取り組ませることが
低学年にとっては有益。
正しい方向に導いているつもりが
結果としてお子さんの考える芽を摘んでしまっているケースの方が
ついつい口をはさみたくなるのを
我慢して見守ってあげてください。
問いかけがなくても
知育玩具にしても、問題集にしても
購入費用がかかります。
そこで、費用がかからない取り組みを最後に。
端的に表現すれば
算数で求められる思考の流れを身に着けるために
発問して考えさせる
ということです。
例を挙げて説明します。
「60㎝のひもが5本あります。」
この文章を読んだときにどのような反応を示すかによって
だいたい3つのグループに分かれます。
Aグループ
合計の長さは300㎝だと瞬時に計算する。
Bグループ
「合計の長さは何㎝ですか?」と問われれば、60㎝
Cグループ
「合計の長さは何㎝ですか?」と問われても、
■Aグループ
Aグループの生徒は
ほぼ例外なく、算数が得意になります。
たとえ問われなくとも
与えられた情報から、求められるものを自ら考え、計算し始める。
この思考の流れを持ち合わせていることが算数にとっては重要なの
放っておいても心配ないグループです。
■Bグループ
Bグループの生徒がAグループの領域に達するためには
たくさんの問いかけを受ける経験を積む必要があります。
問いかけのストックができ
次第に問いかけなしでも自分で推し進められるようになります。
■Cグループ
Cグループの生徒は
問題文の内容を数式で表現することがまだ難しい状況です。
5本のテープを絵に描いて、
場合によっては、実際に5本のテープを用意して
それをつなげてみる実体験が必要かもしれません。
問題文の内容を数式で表現できることに慣れてきたら
問いかけを受ける態勢がようやく整ったと判断してください。
算数においては
問題文を読み、どこから解き進めていくかを判断する
いわゆる“着眼”が必要です。
着眼点を見抜ける理由は
「問題文で与えられた情報から求められるもの」を
問われなくても自分で判断できるから。
その力を養うには
まずは複数の問いかけをしてあげることです。
「全体の長さは?」
「何人に配ることができる?」
「共通するものは?」
「アとイを比べたら何がわかる?」
「いくつで割れる?」
問いかけのストックができてくると
問いかけなしで解き進めることができるようになっていきます。
おしまい。
それでは、また~