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殺人犯はそこにいるー清水潔

2024年07月27日 | 読書


評価5

再読(前回2017年1月28日)。
群馬と栃木の県境、半径10㌔という狭いエリアで5人の少女が姿を消す事件が発生した。

①福島万弥ちゃん5歳殺害事件(1979年栃木県足利市)
②長谷部有美ちゃん5歳殺害事件(1984年栃木県足利市)
③大沢朋子ちゃん8歳殺害事件(1987年群馬県尾島町)
④松田真実ちゃん4歳殺害事件(1990年栃木県足利市)→「足利事件」
⑤横山ゆかりちゃん4歳行方不明事件(1996年群馬県太田市)

五つの事件の共通項は・・・
・幼女を狙った犯罪である
・3件の誘拐現場はパチンコ屋
・3件の遺体発見現場は河川敷のアシの中
・事件のほとんどは週末などの休日に発生
・どの現場でも泣く子供の姿などは目撃されていない

この中の松田真実ちゃん殺害(足利事件)に関して、殺害したと自供して逮捕されたのが幼稚園の送迎バス元運転手の菅家利和さん(逮捕時45歳)。犯人とされた理由は「自供」と日本で初めて証拠採用されたと言われる「DNA型鑑定」だった。その後の裁判で菅家さんは無期懲役囚として収監される。

この事件を独自の視点で冤罪ではないかと検証、再審から無罪へとキャンペーン報道を行なったのが本書の著者、日本テレビ記者の清水潔である。

清水の努力が実って菅家さんは2009年6月、17年半にも及ぶ刑務所生活から解き放たれついに釈放され、再審の結果無罪を勝ち取ることになる。そして、清水は一連の事件を「北関東連続幼女誘拐殺害事件」と位置付けて独自の「真犯人」割り出しに乗り出し、真犯人「ルパン」を見つけ出すに至る。しかし、その後、他の4つの事件との関連は「時効の壁」もあり追及されることはなく、「真犯人」は闇の中へ葬られてしまうのだった。

国家権力の自己保身と隠蔽体質がひどい!
それに迎合するマスコミのずさんな報道!
再読だがホントに頭に来た!
どうなってるんだこの国は!
この本が出されたのが2013年、あれから10年も経っているが、ニッポンの国家権力とマスコミの有様で何か変わったことがあるだろうか!?政治家の犯罪に対する態度など何にも変わっていないではないか!!!国もマスコミも全く信用できない!!!

【追伸】
この本は2016年7月、内容はおろかタイトルすら窺い知ることができない「文庫X」という特製カバー付きで盛岡の「さわや書店フェザン店」の一角に並んだのでした。その後、全国的な話題になり爆発的な売れ行きを記録。

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