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祈りの幕が下りる時ー東野圭吾

2023年10月31日 | 読書


評価4

再読(前回2019年3月21日)。
加賀恭一郎シリーズ、第48回吉川英治文学賞受賞作品。
日本橋署の刑事・加賀恭一郎の許に「母の百合子が亡くなったので遺骨を引き取って欲しい」との知らせが仙台から届いた。母は加賀が幼い頃に離婚してその後音信不通の状態だったのだ。加賀は仙台に向かった。そして遺品の中に「1月柳橋、2月浅草橋、3月左衛門橋、4月常盤橋、5月一石橋、6月西河岸橋、7月日本橋、8月江戸橋、9月鎧橋、10月茅場橋、11月湊橋、12月豊海橋」と書かれたメモを見つける。その内容は、ちょうど同じ頃、東京小菅で発見された遺体発見現場の月めくりカレンダーに残された書き込みと同じものだった。

加賀が母と親しかった男性の身辺を調べ始めたことをきっけに東京で起こった殺人事件の真相が次々と明らかにされて行く。そこには、近々明治座公演「異聞・曽根崎心中」の千秋楽を迎える舞台演出家・角倉博美の幼い頃からの生い立ちが絡んでいた。

謎解きの面白さはもちろんだが、日本橋界隈の江戸情緒を背景に親子の愛憎、東日本大震後の過酷な原発作業が語られて重層的なサスペンスに仕上がっている。読み応え十分!

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