日本は昔から「外交音痴」と言われて久しい。
安倍外交の基本は、アメリカのトランプやロシアのプーチンに対しては「抱きつき外交」、中国の習近平に対しては「面従腹背外交」で、どちらかというと弱者の戦法である。
ところが韓国に対しては上から目線の「嫌韓外交」である。
今まで我慢してきたのだろうがとうとう堪忍袋の緒が切れたのだ。しかし感情優先だから落としどころが見えない。困ったものだ。
トランプ大統領は文大統領に、「日韓関係は大丈夫か?」と聞いたそうだ。
すると文大統領は「選挙まで待ってください」と答えたという。
しかしその選挙とは来年4月だと聞いて、そこまでは待てないと言ったとか。この程度の認識だから本気で仲介する気はないようだ。
トランプ大統領は、「金正恩とはアメリカに届くような中・長距離のミサイルは発射しないという約束している。短距離ミサイルは金正恩と話し合っていない。それはシンゾーの領域だ」と語っている。
一体どうなっているのだろう?
トランプにとって、「アメリカファースト」で自国が安全ならば、東アジアの安全保障はどうなろうが関係ないという態度だ。
ここに安倍外交の限界が露呈している。
トランプに抱き着いて核の傘で守ってもらい、拉致問題もしつこいくらいお願いしているが、トランプからは「そんなのはお前たちで考えろ」と言われているに等しい。
結局、自国の安全は自国で守るという気概を持ち、ハードの軍事力はそれなりに維持すべきだろうが、基本は「善隣友好外交」であるべきだろう。
外務省の現役もそうだろうがOBは概して安倍・河野外交に批判的である。
外務省大使経験者は「戦後最大の外交敗北」と評価し,外交全般を立て直すためには「安倍が辞めることが最善の道」(立憲民主党幹部)との声も聞こえる。
ネットでは河野外相を評価する声が多いようだが、「外務大臣失格」(自民党幹部)という声が多いようだ。
ネット(特にネトウヨ)から評価を受けてもそれが裏目に出ることもあるのだ。
「安倍外交の破綻」は明確だ、「北東アジアの危機」になすすべなく「挙手傍観」では寂しすぎる。
「巧偽は拙誠に如かず」--たとえ拙くても、真心のある方が、うわべを飾り巧みそうに見せて、実のないものよりはよい。