命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は始末に困るもの也。
此の始末に困る人ならでは、艱難を共にし国家の大業は成し得られぬなり。
西郷隆盛
明治維新というのは、下級武士によるクーデターと考えても良いのではないか。
もっとも下級武士と言っても農民や商人に比べればエリートだ。
彼らのたたずまいが凛としているのは、
「武士道」を小さいころから叩き込まれ、漢学の素養も十分だ。
その中でも西郷隆盛は懐の深い大人物だった。
ところがこのところの政界の人物像は小物ばかり。
まず凛としたところがない。
昨年来、バタバタと辞任した大臣や副大臣、政務官たち、金に汚かったり不倫したり法を破ったり。
何が足りないのか?
西郷さんは、政治家や官僚の資質について、
「過去の実績・功績よりも、その能力と公平無私であることを条件に選ぶべき」と言っている。
逆いえば、選ぶほうに選ぶ能力が無かったということだろう。
任命責任はあるが任命能力がありませんでした。
太陽が昇る前の一瞬を「かぎろい」と言うが、自然と向き合える大事な時間だ。