「新型コロナ」のせいなのか、見えない影におびえてなのか、やはり株式市場が直撃された。
もともと大した理由もなく上がっていたわけだから、下がる時も理由はいらない。
逆にいうと売り時を狙っていた投機家の格好の売り場になったのだろう。こんな状況を見るにつけ、「新型コロナ陰謀説」を信じたくもなるが、その辺を議論してもどうにもならないだろう。
円高というのは、一般の庶民にとってはメリットがある。
今の日本の貿易構造は輸出と輸入がほぼ均衡しており、トータルでは大きな影響はない。
輸入する物価が安くなるわけだから、一般の庶民にとっては歓迎すべきことだろう。
もっとも輸出のウエイトが高い企業にとってはそういうわけにはいかない。
しかしこんな時に備えて従業員の給与を十分上げず、内部留保を厚くして来たと信じたい。
欧米の投機家は日本経済の体力は十分あると読んでいるから、世界的な危機が起きると円に投資する。
日本は国の借金は多いが、個人や企業が金持ちでまだまだ余裕があると踏んでいるのだ。
先日、レバノン(ゴーンの逃亡先)がデフォルトした。要するに外国からの借金が返せなくなった。
そうするとゴーンなる人物は「疫病神」なのだろう。日本にとっては「厄介払い」が出来たということだ。
次に危ないのは「韓国」だという説が流れているが、あながちデマでもなさそうで、それなりの信ぴょう性はある。
輸出に頼りすぎていて、外国からの借金が多いからだ。
本来ならこんな時に備えて、日本と仲良くしておくべきだったのだろうが、少し感情に走りすぎたようだ。
原油の暴落も日本にとってはありがたい。
1バーレル50ドル台だったものが、30ドル前後になって来た。
日本の輸入のかなりの部分は原油の輸入で占められるているから、貿易収支は輸出が減っても大幅な黒字になるだろう。
「異次元の金融緩和」など早くやめるべしと主張してきたのだが、ここにきて日銀の打てる手は殆どない。
さらにマイナス金利などで深堀すれば金融機関への影響は厳しいものになる。
日銀も年金機構も株式投資に入れあげていたから、株式の暴落で「顔色を失っている」。
株式などは下がってもいずれ上がると「腹を括るしかない」のだ。
慌てて「戦力の逐次投入」などするべきでない。
破滅の根源は結局、分相応を超ゆるにあり。これ古今一貫の鉄則なり。 一瀬粂吉翁