太平洋戦争における日本の統治者の行動は不条理に満ちている。
たとえばガダルカナル戦では、近代兵器を装備した米軍に対して、日本軍は銃剣をもって肉弾突撃する白兵作戦を3度にわたって繰り広げた。
その不条理の一つは、頭の良い?作戦指導部の官僚が、第一線の情報を無視して机上プランを立てていた。
彼らは頭が良いから完全無欠なプランを立てる。しかし人間は完全ではないし状況も刻々変化する。
結局、「敵を知らず己も知らずして戦った」と言うことに尽きる。
このところの自民党政権は、先の大戦と同じような状況に陥っているようだ。
先ず中国の習近平や北朝鮮の金正恩が何を考えているかの情報を得るための努力が決定的に欠けている。
情報を得るためには多段階に渡る外交交渉が必要だが全くと言って良いほど怠っている。
中国はすでに2000発のミサイルを保有する。さらには核も持っている。
そんな中国を相手に「敵基地攻撃能力」を持っても知れている。
どうしても対等になりたいという思いは、国力差(GDP)が4倍ほどになった今は無理だろう。
逆に「専守防衛」に徹して先制攻撃は絶対にしないと宣言したほうが安全。
今は身を低くして国力を養う時だ。
また中国の経済成長は陰りが見えてきた。
コロナ対策の失敗でボロが出るかもしれない。GDPで2030年に米国を追い抜くのは難しくなった。
日本は軍事力で覇を競うのではなくて、技術力や合理的判断力を養うべきだろう。
長い目で物事は見ておいた方が良い。