カフェの雨上がりはいつもより強くサイゴンの香りがする。
食事を終えたころ、空が暗くなってくる。
慌ててカフェにむかう。ちょうど雨が来る。
昼なのに暗いテントのようなカフェでコーヒーを飲む。
灯りはキャンドル。
雨が上がると店内が水掃除されたよう。
気分がよくなる。 . . . 本文を読む
いつもタバコを買う路上店がある。
そこのおばさんはわたしが来るのを遠くから見つけると、すぐに自転車に跨る。
わたしの買うタバコはいつもあるわけではないので、どこかに取りに走るのだ。
走りながら路上のプラスティックの椅子を指差す。
わたしに店番していろ、ということなのだ。いつも現金は残したまま。。。。
そのおばさんは最初からわたしを信用していた。
椅子に座って、いつも10分ぐらい待つ。
その . . . 本文を読む
ザクロを食べる。
日本のとは違って、大粒ですごく甘い。
ハナシは変わるけど、
ベトナム人と日本人は似た顔立ちがとてもよく似ている。
ヨーロッパに行くと、まったく違う顔を持つ人たちがいる。
彼らはまったく違う。
似た顔をしている国たちがもっと親しくなるべきだ、と思ったりする。 . . . 本文を読む
いつもみるバス停が真っ赤に塗られていた。今まではみえないほど、道路に同化した色だったのに、この存在感!
サイゴンが変わっているのを見るたび、微笑んでしまう。いつまでもつのかな、と。
だって、いくら政府が変えようとしても、ベトナム人はおいそれとは変わらない。
バイクのヘルメット、誰一人かぶっていない。
路上の物売り、毎日堂々と同じ場所に店構え。
昨年初めて出たものの、みんなが使うのを嫌がっ . . . 本文を読む
サイゴンに行くとき、プロローグとエピローグがある。
成田に向かうときプロローグが始まる。
機内搭乗が始まったとき芝居は始まる。
そしてエピローグ。
帰るその日、夕方6時にチェックアウトしてから友人のカフェへ。
静かにベトナムコーヒーを飲みながら、「あ~あ、終わってしまうんだな」とサイゴンでの日々を想う。
空港に向かうタクシーから、名残惜しさに満ちてサイゴンの夜を眺める。
来たときより . . . 本文を読む
サイゴンから成田に着くのはいつも早朝7時半。そして9時30分には出社する。
だから飛行機に乗るとすぐに寝る。
席に着くなり、乗務員さんに耳栓とアイマスクをもらう。到着前に出る朝食は「要りません」と言っておく。
そして「降りるときパンをいくつかください」と頼む。
ほんとーうに、到着寸前に目が覚める。離陸から着陸まで、およそ5時間半、睡眠が取れている。
到着すると、乗務員さんがパンを3~4個 . . . 本文を読む
一ヶ月ぶりのサイゴン。
美味しい屋台料理やチェーを持って、ホテルの部屋を友人たちが訪れてくれる。
おやおや!次々に出てくる料理に「Ngon(美味しい)」「Gyon」と感動。
・・・・・・しかしそれだけではすまなかった。
突然出てきたケーキ、そしてベトナム習字で描かれた「Phuc」の飾り皿。
すっかり忘れていたわたしのバースディ。異国で祝ってもらえるとは、思ってもみなかった。
「Phuc . . . 本文を読む
飛行機からサイゴン川が見えてくる。
この川を中心にして生きる人たちの息遣いも見えてくる気がする。
ここで生きる人たちは、川のダイナミックな曲線を、
空から眺めたことがあるのだろうか。
でも、何事にも「全体感」が必要なわけではない。
さまざまな人生のなかで、全体なんか見えないほうが良いこともある。
全体感を把握したいと思うのは、自分の仕事からくる傾向だなと感じつつ…。 . . . 本文を読む
これは12月31日。
旧暦のベトナムでも、いちおうおおみそかは街が大騒ぎになる。
夜になると、このバイクの渋滞。
写真の上のほうがバイクのレーン。下は車のレーン。
バイクレーンがすごいことになってる。
魅せてくれます!サイゴン! . . . 本文を読む
忙しい。毎日のように、頭痛がし、喉が痛い。
今日からまた新しい週。なんだ!?このスピード感。
こんな日は決まってサイゴンが恋しくなる。
ゆらゆら揺れるオレンジ色のサイゴンの夜。
どんなに強行軍でも、サイゴンから帰ると体調が復帰する。
オレンジ色の街が、わたしにセラピーをしてくれているとしか思えない。
愛いっぱいでサイゴンに行く。
きっとまたサイゴンは、わたしを愛いっぱいでむかえてくれ . . . 本文を読む
わたしのサイゴンの第一印象は、空からみたオレンジ色の灯りの街。
なのに「灯り」という角度から、サイゴンを見ていなかった。
greenpapperさんのブログを読んで、にわかに「サイゴンの灯り」が気になる。
サイゴンの大きな魅力のひとつに、「灯り」があるような気がしてきたから。
第一印象に立ち帰り、「灯り」を見てこよう!! . . . 本文を読む
サイゴンに行けなかった月は、よく休日に沖縄に日帰りで行く。
沖縄もベトナムと同様、戦争が悲惨だった地。
ベトナムでは哀しいメロディが流れているけど、
沖縄では底抜けに明るいメロディが流れている。
このサンセットビーチにいるとき、突然音楽が聞こえてきた。
音のするほうにゆくと、ライブハウスでリハーサルが始まっていた。
「りんけんバンド」だった。沖縄の突き抜けた明るい哀愁を歌っていた。 . . . 本文を読む
ここは東京。
自分の住む家は、ずっと昔から、富士山が見えるところに決めている。
富士山を見ながら思うことが、さまざまに変化していることに最近気づいた。
祈る気持ちで見ていたころ、幸福を十二分に感じながら見たころ、
死にたいほど辛い毎日に見ていた長い期間、少しは元気になりたくて見た時期。
今は、サイゴンの友人たちに見せたい、と思って見ていたりする。
ずいぶん立ち直ったものだと思う。サイゴ . . . 本文を読む
まったく整然としていない看板が、川に写る。
それがなぜ心惹くのだろう。
カオス状態がサイゴンらしさ。
整然では、アイデンティティを損なう、と思うのは
わたしの情緒のわがままなのだろうな。 . . . 本文を読む
その昔、雨が上がった夜の、光るアスファルトの道を歩きながら
突然「わたしは今、自由なんだ!」と叫びたくなったことがある。
ま、そのときいろいろあったからなのだけれど・・・・
その夜の、光る路面の美しさを忘れられない。
サイゴンは雨季。
雨上がりの道路を走るバイクのライトと光る路面。
限りない自由を感じたその日の、心の痛さもまた思い出す。 . . . 本文を読む