中秋節の時期には、たくさんの提灯が路上で売られていた。
ここはチョロン近く。昔、年末になると熊手市に行ったことを思い出す。
大きな熊手が売れると、盛大な一本締めが行われる。
わたしの父親は商売をしていたわけではなかったので、毎年買うのは小さな熊手。
大きなのを買って一本締めしてもらえる商売人の家庭が羨ましかった。 . . . 本文を読む
定宿REXを離れて、初めて外資系のホテル「リバーサイドルネッサンス」に泊まった。
川沿いで角部屋の見晴らしの良い部屋。
う~む、なんだかサイゴンに来た気がしない。
一人ホテルで侘しい気持ち、とはこのことだを実感。
その後、国営のほかのホテルを渡越のたびに渡り歩くことになるのだが、
最後にまたREXに落ちついた。
心にフィットするホテル選びには時間がかかる。
REXに着くとサイゴンの自 . . . 本文を読む
リビングの一角にプチプチサイゴンがある。
ブログで知り合った方のお店で買った小さなライトを置いてみた。
そのライトは緩やかに虹のように色が変化する。
様々に変化する色によってその一角のイメージが変わる。
この色のとき、サイゴンが一番近く感じられた。
サイゴンの夜のようなオレンジ色の一角で、爽やかに香るミントグリーン。
夕暮れどきのサイゴンの空気のよう・・・・・。
. . . 本文を読む
一人でフランス料理を食べに行ったときのこと。
AMEXが使えなかった。VISAはホテルに忘れてきた。で、現金は足りなかった。
ウェイターをしていた20歳(はたち)のThuyくんがお金を貸してくれた。彼にとっては高額なお金。初めて会った見知らぬガイコクジンのこのわたしに。
そんな彼のホスピタリティを、リゾート地の外資系ホテルは見逃さなかった。
今、彼はベトナムのリゾートホテルで働いている。
. . . 本文を読む
サイゴンはどんどん変わってゆく。
やっと大人になった戦争を知らない子供たちの世代が、
ものすごく勉強してリッチになって新しいサイゴンを作り上げようとしている。
わたしが好きだったカフェは戦争を知っている最後の世代がオーナー。
そのカフェは閉店し、学生時代そこのお客だった若者が
新しいカフェを閉店したカフェのすぐ近くにオープンした。
新しい世代の台頭。新旧交代を目の当たりにしてしまった。 . . . 本文を読む
大晦日のパーティのために用意したのは。清潔感のある花。
サイゴンは花が溢れている。熱帯らしい派手ないろの花。
そんななかで、グリーンと白を基本にした花を選ぶのはたいへんだった。
明るい色を勧める花屋さんに、「もーお願いだからこれだけにして」と頼む始末。
シンプルな色合いと自己流のアレンジは成功し大好評。
「どこでアレンジしたの?」「うふふ、わたし」さすが「見る目」が高い。
サイゴンの人 . . . 本文を読む
なぜあのときあんなに切なかったのだろう。
あの頃サイゴンに行くと「もう二度と来るもんか、こんな街」と毎回思っていた。
その極みが3年前の大晦日。
暮れ行く空とバイクを眺めながら、こんなに切ない街になぜたった一人で
ここにいるのだろうと思った。
バイクの喧騒。イヤだ!もうイヤだ!
けれどもこのとき成田についたとたん「また戻りたい!」と焦がれた。
その理由は今でもわからない。
喧騒が懐かしく . . . 本文を読む
灯りと毎日違う活け花が各席にあしらってある小さなカフェ。
このカフェがわたしのサイゴンでの基地。
店に入るとバイクの喧騒も人々の激しいパワーも消えて、静かな時間が流れる。
サイゴンは今、大資本によるカフェラッシュでついにこのカフェは閉店になりました。
大事な場所がなくなってしまった。
この悲しさ、淋しさはいったい何だろう。 . . . 本文を読む
緑が光るカフェ。
窓から木々が見える。
隣には絵。
絵など飾る必要がないほど、窓が絵画的。
こういう風景が何気なくあってもベトナムの人は慌てず騒がす。
気がついているのかな?と思ってしまうのだが、おそらく空気のように
彼らの周りにはわたしたちにとっての「美」があるのだと思う。 . . . 本文を読む
このブログは日記ではない
サイゴンを通じて数年まえの自分まで遡り、
今のわたしを見つめるためのものだった。
しかしだな、最近は日記化し初心を忘れているぞ
反省....しながら今日も日記だが....
中秋節の前夜は街中、家族だらけだった。
かつてわたしに家族たちがいた頃、祭りに父や母と街に出たことを思い出す。
たくさんの家族たちを異国 . . . 本文を読む
ホテル前のロータリーの騒がしさに引かれて外に出る。
やけに子供たちが多い。
明日は“中秋節”。満月を祝う祭りなのだが、それが「子供の日」だとは知らなかった。
子供連れの家族で、ロータリーは溢れかえっている。
昔の日本のお盆のように、提灯に灯りをつけている子供たち。
一心にろうそくの灯りを見る、子供たちの目はろうそくよりも光っていた。 . . . 本文を読む
帰りの飛行機で雲から放射状にもれるヤコブのはしごを見る。
柔らかな光。光る海。行き交う漁船。
これが日本、わたしの国。
もう涼しくなっていた北海道から帰り、明日の夜はもうサイゴンにいる。
3連休の完全オフ日。行ってきまーす!
. . . 本文を読む
北海道へ出張。
空から菜の花畑のように真黄色にみえるのは今年の米たち。
海と山に挟まれたわずかな平野をも利用して米を作る、我々日本人。
広い大きい豊穣なメコンデルタと比べてしまう。
サイゴンの人たちの暢気さの理由がわかるような気がした。
日本人が小さなことこだわる理由もわかるような気がした。 . . . 本文を読む
ココナツ、さとうきびなどはそのままジュースにする。
ココナツは実をそのままカップにしてストローを入れて飲む。
さとうきびは搾って飲む。
この少年は竹のようなさとうきびを機械で二度絞った。
少年はよく見ると端正な美しい顔をしている。
黙々と作業をする様子が、何かに耐えているようでさらに美しく見える。 . . . 本文を読む