紫の物語的解釈

漫画・ゲーム・アニメ等、さまざまなメディアにひそむ「物語」を抽出して解釈を加えてみようというブログです。

【ガンダムX】サテライトキャノンの撃ちドコロ

2010-05-18 00:13:02 | アニメ全般
【機動新世紀ガンダムX】に登場するガンダムである
「GX-9900 ガンダムエックス」及び「GX-9901 ガンダムダブルエックス」は
歴代ガンダムの中で最強クラスの兵器を搭載している。

その名も「サテライトキャノン」。
月面の送電施設から照射されるマイクロウェーブを受信し、
そのエネルギーをビームに変換して掃射する超兵器である。
威力は絶大で、射線軸のモビルスーツや戦艦を一瞬で蒸発させるほどである。

ロボットアニメにおける、必殺技的位置付けにあるこの兵器だが、
意外にも本編で使用された回数は少ない。

月が出ていないと使えない、チャージに時間がかかる、といった制約が
あるからとも言えるが、それ以上に、「強力すぎる兵器だから」
という理由が挙げられる。

【ガンダムX】の主人公「ガロード・ラン」が最初にサテライトキャノンを
使用した際、その場にいた大勢のモビルスーツや戦艦が一瞬で蒸発し、
大量の人間が死んだ。
ガロードはサテライトキャノンの恐ろしさを知り、以後、対人間において
軽々しくこの兵器を使わなくなる。

別に、ガロードが極端な人道主義者なわけではない。
むしろ、ガロードは荒廃した時代において、盗賊まがいのことをやって
生き延びて来た人間であり、サテライトキャノンを使用しない戦闘においては
敵を殺すことにあまりためらいを持たないくらいだ。
が、そんなガロードをもためらわせてしまう大量破壊兵器が
このサテライトキャノンなのである。

以下に、【ガンダムX】本編においてガロードがサテライトキャノンを
使用した場面を列挙し、その死傷者数を検証してみようと思う。
また、ニコニコ動画で本編中サテライトキャノンを使用した場面の動画が
あったので、同時に貼っておく。

機動新世紀ガンダムX ガロードによるサテライトキャノン集


機動新世紀ガンダムX サテライトキャノン集のおまけ


  サテライトキャノン発射全場面

使用回:2話「あなたに、力を…」
経緯:
 GXを狙うMS乗りたちに襲撃を受けるガロード。
 ティファが解放したサテライトシステムは数百のMSを蒸発させる。
死傷者:
 数百人(荒野のMS乗りたち)

使用回:5話「銃爪はお前が引け」
経緯:
 アルタネイティブ社に囚われたティファを助けるため、同社の巨大MA
 グエンディーネをサテライトキャノンで狙撃。これを撃破する。
死傷者:
 ?人(アルタネイティブ社の施設にいた者たち)

使用回:7話「ガンダム、売るよ!」
経緯:
 臨界寸前の動力炉から脱出するため、ガロードはサテライトキャノンを
 推進力にして脱出をはかる。
死傷者:
 0人

使用回:9話「巷に雨の降るごとく」
経緯:
 ザコット艦の襲撃を受けるフリーデン。ガロードはサテライトシステムの
 マイクロウェーブを湖面に照射し、水蒸気爆発により危機を脱する。
死傷者:
 ?人(ザコット艦大破。乗り組み員は全員死亡か?)

使用回:24話「ダブルエックス、起動!」
経緯:
 ダブルエックスを起動したガロードは、サテライトキャノンで
 ゾンダーエプタ基地を破壊。基地の消滅を見た追撃部隊は撤退する。
 ガロードはサテライトキャノンを追撃部隊に向けることなく、
 戦闘を収束させた。
死傷者:
 0人(基地は無人のはずだが逃げ遅れた人がいたかもしれない)

使用回:25話「君達は希望の星だ」
経緯:
 エスタルド、ノーザンベル、ガスタール同盟軍に参加したガロードは
 ダブルエックスのサテライトキャノンで新連邦軍の飛行基地を狙撃。
 基地を壊滅させる
死傷者:
 ?人(飛行基地にいた者は死亡したと思われる)

使用回:28話「撃つしかないのか!」
経緯:
 エスタルドの王子ウィリスを国外に脱出させるガロードたち。
 そこへ、ウィリスの国外逃亡を防ぐためガスタール軍が現われる。
 ガロードはサテライトキャノンの使用をためらうが、
 その間にウィリスは自らの意志で投降する。
死傷者:
 0人(サテライトキャノン使用せず)

使用回:34話「月が見えた!」
経緯:
 コロニーレーザーを使用して地球に奇襲しようとする革命軍から
 ティファを救い出すため、ティファを渡さなければコロニーレーザーを
 破壊すると交渉するガロード。交渉の末、ガロードはティファの身柄を
 受け渡されるが、約束を破ってちゃっかりサテライトキャノンで
 コロニーレーザーを破壊して去る。
死傷者:
 0人(コロニーレーザーは全壊)

使用回:38話「私はD.O.M.E…かつてニュータイプと呼ばれた者」
経緯:
 革命軍と新連邦軍が激突する宇宙の戦場を突破するため、
 ガロードはサテライトシステムを起動。サテライトキャノンを恐れ、
 両軍が引いた瞬間を狙い、ガロードたちは戦場を突破する。
死傷者:
 0人(サテライトキャノン使用せず)

使用回:39話「月はいつもそこにある」(最終話)
経緯:
 フロスト兄弟のサテライトランチャー発射を阻止するため、
 ガロードはサテライトキャノンで挑む。二つのマイクロウェーブ波は
 相殺され、両者のガンダムは大破する。
死傷者:
 0人(フロスト兄弟もガロードも死亡せず)


・・・と、まぁ本編でのサテライトキャノンの使用はこんな感じである。
ガンダム全シリーズ通してみても、大量破壊兵器を搭載しているガンダムは
他にもある。

【0083】のガンダム試作2号機は核バズーカを搭載しており、パイロットの
ガトーは大義のために発射するし、
【W】のウィングガンダムゼロはツインバスターライフルという高出力ビーム
を持っている。パイロットのヒイロはバスターライフルを発射しながら
グルグル回って360度の敵を撃破するというえげつないことをやってのける。
(大量殺人は意識しているらしく、「俺はあと何人殺せばいい?」と悩む)
【SEED】のフリーダムガンダムは、戦場の大量の敵をことごとくロックオンし、
七色のビームを放ち、容赦なく撃破する兵器を持っている。
(パイロットのキラは、コクピットは外してるからと大量殺人から目を逸らす)

ガンダムとはいえ、やはりロボットアニメ。
必殺技は使ってナンボというロボットアニメで必殺技の使用をためらう、
というのも珍しい。
【ターンAガンダム】にも「月光蝶システム」という大量破壊兵器が
出てきたが、結局使用されることはなかった。
そういう意味で、ガンダムシリーズ通してみても異色な【X】と【ターンA】。
未見のひとは観てみてはどうだろうか?

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