前回の続き
玉吉をとりまく人々
エッセイスタイルに移行した【しあわせのかたち】では、桜玉吉先生の周囲の人々が
「キャラクター」となって漫画に登場します。
キャラデザインに定評のある先生だけあって、そのキャラ化はとても個性的でした。
玉吉のライバルとなる「サイバー佐藤」。両耳に耳かきをつっこんだ風貌が特徴です。
サイバー佐藤は桜先生の高校時代からの同級生がモデルのキャラで、「しあわせのかたち」では
しばしば、玉吉とのいがみ合いが繰り広げられます。
サイバー佐藤の誕生日に、お互いもらって困るものを贈り合う対決をしたり、
サイバー佐藤がPCを欲しがっていることを察知した玉吉が、佐藤をくやしがらせるためだけに
そのPCを購入したりと、実に低レベルな争いが見どころでした。
二人の戦いはことあるごとに繰り広げられましたが、ついにある日!
サイバー佐藤の弱点が「いもむし」であることを掴んだ玉吉は、
佐藤に対して優位に立つことができたのでした!
・・・このような不毛な戦いは、「しあわせのかたち」連載末期まで続けられることになります。
玉吉のアシスタント「ちょりそのぶ」。頭からはえたキノコが特徴です。
「しあわせのかたち」の彩色はほとんど彼の手によるもので、本人いわくマーカー1本で百階調の色が出せるとか。
サイバー佐藤と同じく、桜先生の高校時代からの同級生がモデルです。
「しあわせのかたち」内でしばしば玉吉とちょりそのゲーム対決が行われました。
が、「モモ鉄」も「テトリスⅡ+ボンブリス」も、ほとんどちょりその圧勝。
仕事場に彼女を連れてきたことも。
普段は造形系の濃い話を二人でしてるんだとか。
実際、ちょりそのモデルになった人はプロの造形作家です。
ちなみに、玉吉自身はすでに結婚しており、「しあわせのかたち」内で娘も生まれます。
奥さんとの関係や、この娘がどう育つかも、今後のポイントとなります。
実は大物が登場していたしあわせのかたち
その他、有名な業界関係者の方々がじつは「しあわせのかたち」に登場してました。
「しあわせのかたち」の新人アシスタントとして登場する「亀吉くん」は、
のちに週刊少年ジャンプに連載する漫画家となり、「シャーマンキング」などのヒット作を
世に出すことになる武井宏之先生その人です。
漫画業界系では、「竹熊健太郎」「藤原カムイ」「相原コージ」などの大物も登場します。
今では映画監督として有名な「押井守」も、当時、玉吉がキャラデザを担当したゲーム「サンサーラナーガ」の
監督だったため、しあわせのかたちにちょろっと登場します。
後の作品でメインキャラになる人たち
しあわせのかたち連載終盤の担当編集者「ヒロポン」は、最初は今ひとつキャラ立ちしない青年でしたが、
本人の提案で、後半からガラッとキャラが変わります。
ヒロポンは、今後しあわせのかたち終了以降、複数作品に渡って登場します。
後に玉吉の盟友となる「O村」の登場です。
このときは「凸村」という名前で登場しますが、のちに「O村」となります。
しあわせのかたちに登場するO村は、なんだか西原理恵子の作品に登場する心優しいキャラのような
風貌をしていますが、後の作品でびっくりするほどの変貌を遂げることになります。
玉吉、運命のターニングポイント「しあわせのそねみ」
「しあわせのかたち」連載末期のある回で、実験的な作風がとられます。
その名も「しあわせのそねみ」!
ごらんのとおり、コマに書かれる文章が重く多めになり、登場キャラもあきらかに面相が悪くなっています。
その毒のある作風は、あきらかに今までの「しあわせのかたち」とは違っていました。
が、ファミ通編集部内部の評判はよかったらしく、しばらくこの「そねみ」は続くことになります。
しかし、さすがの玉吉も読者の反応は恐ろしく感じてきたらしく、
この作風が嫌なら、「嫌」と書いたハガキを送ってほしい。
「嫌」ハガキが50通来たら考え直す、と提案しました。
その結果・・・
一回きりの欄外通知にもかかわらず、153人もの男女から「嫌」ハガキが送られてきたのでした!
何故か募集してないはずの「良」ハガキも来ていたが、相殺しても、87「嫌」ハガキが残るということで
結果は、「嫌」の50超えということになりました。
しかも、彩色のちょりそのぶも「この絵には色を塗りたくない」と吐き捨て、逃亡していたので
玉吉は「そねみ」を続けることができなくなったのでした。
この話は一泊二日の話であり、「嫌」ハガキ集計結果は一泊目の終わりで発表されたので、
二日目の話をどう描こうか悩んだ玉吉は・・・
二日目の話を超ポップに描きましたとさ!
いくらなんでも極端でしょうよ、これは。
でも最後のページにしっかりと
1ページまるまる使って濃ゆいキャラ描きおさめ!
その次の回でしっかりと反省する玉吉でしたが、この「そねみ」で確立した作風は
「しあわせのかたち」連載終了後、次の作品で生かされることになるのです。
「しあわせのかたち」連載終了
「そねみ」以降、しばらく通常スタイルで連載は続きますが、ある日ついに最終回が訪れます。
玉吉の職場に電話をかけると、たまに星のカァビィが電話口に出るというヒロポン。
玉吉には一切心当たりはないが・・・
なんと、カァビィの声は玉吉自身が発していたのであった!
カァビィは玉吉の身体を借りて、なにかメッセージを伝えたがっていたのだ。
そのメッセージとは、なんと玉吉をカァビィ星に連れて行き、機械の身体を与えたいというものだった。
玉吉はカァビィに連れられ、カァビィ星へと旅立つことになります。
さようならみなさん、いつか機械の身体を手に入れてみなさんと再会できる日が来ることを
楽しみにしています。
―と、以上のようなくだりをもって、「しあわせのかたち」はその連載を終えます。
1986年の連載開始から、1994年まで。
じつに8年もの月日を経ての連載終了でした。
「しあわせのかたち」はこれにて終了しましたが、桜玉吉の物語はまだ終わりではありません。
以降、「防衛漫玉日記」「幽玄漫玉日記」と、その作風を少しずつ変えながら進んでいきます。
次回、防衛漫玉日記編へ続きます
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玉吉をとりまく人々
エッセイスタイルに移行した【しあわせのかたち】では、桜玉吉先生の周囲の人々が
「キャラクター」となって漫画に登場します。
キャラデザインに定評のある先生だけあって、そのキャラ化はとても個性的でした。
玉吉のライバルとなる「サイバー佐藤」。両耳に耳かきをつっこんだ風貌が特徴です。
サイバー佐藤は桜先生の高校時代からの同級生がモデルのキャラで、「しあわせのかたち」では
しばしば、玉吉とのいがみ合いが繰り広げられます。
サイバー佐藤の誕生日に、お互いもらって困るものを贈り合う対決をしたり、
サイバー佐藤がPCを欲しがっていることを察知した玉吉が、佐藤をくやしがらせるためだけに
そのPCを購入したりと、実に低レベルな争いが見どころでした。
二人の戦いはことあるごとに繰り広げられましたが、ついにある日!
サイバー佐藤の弱点が「いもむし」であることを掴んだ玉吉は、
佐藤に対して優位に立つことができたのでした!
・・・このような不毛な戦いは、「しあわせのかたち」連載末期まで続けられることになります。
玉吉のアシスタント「ちょりそのぶ」。頭からはえたキノコが特徴です。
「しあわせのかたち」の彩色はほとんど彼の手によるもので、本人いわくマーカー1本で百階調の色が出せるとか。
サイバー佐藤と同じく、桜先生の高校時代からの同級生がモデルです。
「しあわせのかたち」内でしばしば玉吉とちょりそのゲーム対決が行われました。
が、「モモ鉄」も「テトリスⅡ+ボンブリス」も、ほとんどちょりその圧勝。
仕事場に彼女を連れてきたことも。
普段は造形系の濃い話を二人でしてるんだとか。
実際、ちょりそのモデルになった人はプロの造形作家です。
ちなみに、玉吉自身はすでに結婚しており、「しあわせのかたち」内で娘も生まれます。
奥さんとの関係や、この娘がどう育つかも、今後のポイントとなります。
実は大物が登場していたしあわせのかたち
その他、有名な業界関係者の方々がじつは「しあわせのかたち」に登場してました。
「しあわせのかたち」の新人アシスタントとして登場する「亀吉くん」は、
のちに週刊少年ジャンプに連載する漫画家となり、「シャーマンキング」などのヒット作を
世に出すことになる武井宏之先生その人です。
漫画業界系では、「竹熊健太郎」「藤原カムイ」「相原コージ」などの大物も登場します。
今では映画監督として有名な「押井守」も、当時、玉吉がキャラデザを担当したゲーム「サンサーラナーガ」の
監督だったため、しあわせのかたちにちょろっと登場します。
後の作品でメインキャラになる人たち
しあわせのかたち連載終盤の担当編集者「ヒロポン」は、最初は今ひとつキャラ立ちしない青年でしたが、
本人の提案で、後半からガラッとキャラが変わります。
ヒロポンは、今後しあわせのかたち終了以降、複数作品に渡って登場します。
後に玉吉の盟友となる「O村」の登場です。
このときは「凸村」という名前で登場しますが、のちに「O村」となります。
しあわせのかたちに登場するO村は、なんだか西原理恵子の作品に登場する心優しいキャラのような
風貌をしていますが、後の作品でびっくりするほどの変貌を遂げることになります。
玉吉、運命のターニングポイント「しあわせのそねみ」
「しあわせのかたち」連載末期のある回で、実験的な作風がとられます。
その名も「しあわせのそねみ」!
ごらんのとおり、コマに書かれる文章が重く多めになり、登場キャラもあきらかに面相が悪くなっています。
その毒のある作風は、あきらかに今までの「しあわせのかたち」とは違っていました。
が、ファミ通編集部内部の評判はよかったらしく、しばらくこの「そねみ」は続くことになります。
しかし、さすがの玉吉も読者の反応は恐ろしく感じてきたらしく、
この作風が嫌なら、「嫌」と書いたハガキを送ってほしい。
「嫌」ハガキが50通来たら考え直す、と提案しました。
その結果・・・
一回きりの欄外通知にもかかわらず、153人もの男女から「嫌」ハガキが送られてきたのでした!
何故か募集してないはずの「良」ハガキも来ていたが、相殺しても、87「嫌」ハガキが残るということで
結果は、「嫌」の50超えということになりました。
しかも、彩色のちょりそのぶも「この絵には色を塗りたくない」と吐き捨て、逃亡していたので
玉吉は「そねみ」を続けることができなくなったのでした。
この話は一泊二日の話であり、「嫌」ハガキ集計結果は一泊目の終わりで発表されたので、
二日目の話をどう描こうか悩んだ玉吉は・・・
二日目の話を超ポップに描きましたとさ!
いくらなんでも極端でしょうよ、これは。
でも最後のページにしっかりと
1ページまるまる使って濃ゆいキャラ描きおさめ!
その次の回でしっかりと反省する玉吉でしたが、この「そねみ」で確立した作風は
「しあわせのかたち」連載終了後、次の作品で生かされることになるのです。
「しあわせのかたち」連載終了
「そねみ」以降、しばらく通常スタイルで連載は続きますが、ある日ついに最終回が訪れます。
玉吉の職場に電話をかけると、たまに星のカァビィが電話口に出るというヒロポン。
玉吉には一切心当たりはないが・・・
なんと、カァビィの声は玉吉自身が発していたのであった!
カァビィは玉吉の身体を借りて、なにかメッセージを伝えたがっていたのだ。
そのメッセージとは、なんと玉吉をカァビィ星に連れて行き、機械の身体を与えたいというものだった。
玉吉はカァビィに連れられ、カァビィ星へと旅立つことになります。
さようならみなさん、いつか機械の身体を手に入れてみなさんと再会できる日が来ることを
楽しみにしています。
―と、以上のようなくだりをもって、「しあわせのかたち」はその連載を終えます。
1986年の連載開始から、1994年まで。
じつに8年もの月日を経ての連載終了でした。
「しあわせのかたち」はこれにて終了しましたが、桜玉吉の物語はまだ終わりではありません。
以降、「防衛漫玉日記」「幽玄漫玉日記」と、その作風を少しずつ変えながら進んでいきます。
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全部覚えてる。
ありがとう。