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岡田さん 惜しかったねえ 本当に

2010-06-30 09:42:38 | 日記
途中の選手交代の選択が難しい試合展開だった。だが、岡田さんの選手交代は的確だった。
色々な選手交代の選択肢がある中で、しっかりと状況を考えた上での冷静な選手交代だった。
ああいう監督は見ていて安心する。選手層の薄い中、うまくまとめ上げた。よくやったと思う。これからは海外に出て実績を積んでほしい。

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<<下らない夜のお話>> R君と色相環

2010-06-30 09:27:06 | 日記
男の出した論文は好評だった。海外の有名大学や企業やマスコミからもたくさんの引き合いがあったが、男は研究室の同僚だった中国人の留学生と組んで、結婚相談のような出会い系サイトのようなビジネスを始めた。
事業は出だしから快調な滑り出しで、会員数はどんどん伸びていった。特に中国での伸びが大きかった。長年の1人っ子政策で子供の数が減り、自分の子供にはなるべく良い合性の異性と結婚させたいという裕福な親が増えたためだった。そういった親の世代には、明確に数値化された合性表は、神の託宣に近かった。
世界中の離婚率が減少していった。会社は世界的な大企業へと発達していった。男はすぐに飽きてしまい、会社の権利を全部R君に譲って、再び研究に戻った。
男は研究室に戻って、どうしてもモテナイ人々の研究を始めた。どういった状態がモテナイ状態なのかも分かりづらいし、そもそもサンプルが集まらない。数値化が大変な作業だった。男はとにかく人にあたった。多くの人に会い、その人の特徴をつかもうとした。
ある日、男はタバコ臭い女性と食事をし、どうも心に引っかかる部分があったので、うまいこと言って脇の汗を採取させてもらった。研究室に戻って汗の成分を分析し、成分ごとに色をつけてバランスの取れた色相環を作った。次に自分の汗の成分から色相環を作り、それをコンピューターグラフィックス上で重ねてみた。
研究はうまくいった。男の予想以上にはっきりとした結果が出た。男はR君にその結果を報告し、R君は特許を取り、世界中の離婚率はますます低下した。離婚訴訟で商売をしていたアメリカの多くの弁護士が干上がることになった。まあ、それはめでたしめでたしなこと。

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<<下らない夜のお話>> ひまわりの侍

2010-06-30 09:22:42 | 日記
男は昔、庭にひまわりの苗を買ってきて植えておいたことがあった。ある朝起きてみると、全部首のところから切られて、介錯された侍の胴体みたいになっていた。
結局はそういうことになる。

だんだん背が高くなってきて、自分の背丈と同じくらいになってきて、まるで自分自身の分身のような、新しい自分が花開くような、そんな気分でひまわりの花が咲くのを毎日楽しみに待っていた。
ある日、女がつぼみのまま切り花にしてしまった。女は何の興味も示していなかったのにも関わらず、ある日突然、全くの唐突に。つぼみはとても大きくなっていて、明日にでも花が開くのではないかと思えるくらいにまで膨らんでいた。
首を切られた後のひまわりは、とても無残でみすぼらしく、根元から切り倒してしまうのも不憫で、冬が来て自然に腐って無くなってしまうまでほったらかしにしてあった。

結局はみんなそういうことになる。

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<<下らない夜のお話>> MISIAの波長

2010-06-29 09:25:43 | 日記
大学の研究室に籠って、男女のベストマッチングについて研究を重ねていた頃、男は気晴らしに一人でミーシャのライブに出掛けた。
カーオーディオで聴く彼女の歌声から彼女の体格はとてもマッチョだと想像していたが、実際には彼女はとても華奢な体格だった。身長が低く、腕も細くて、マイクが重そうに見える程だった。MCの時の声も華奢な感じだった。歌っている時の力強く伸びのある声とは違い、普段の彼女は小鳥がさえずるようなとてもかわいらしい声で、聞いているとくすぐったく感じられるくらいだった。
その時に、ひょっとしてこれかもしれないなと思ったのだ。『人は見た目が9割』という本もあったけれど、美人は3日で飽きるとも言う。もし長く付き合うのであれば、見た目よりも声質や話し方の方が大事なのではないかと、ミーシャを見ながら男は思ったのだ。
翌日から、男は多くの声のサンプルを集め始めた。長く結婚生活が続いている夫婦のものや、離婚手続きが長引いている夫婦のものが、サンプルとしては分かりやすくて有効だった。別れた芸能人カップルが想像以上に多く、研究には大いに捗った。情報化社会も、まあ悪くない。サンプルはすぐに膨大なものとなった。
男の予想通りだった。円満な家庭生活を築いている夫婦の声の波形は、2人の声を掛け合わせることでとてもきれいな波形を表す。逆に仲の悪い男女の声だと、掛け合わせた声の波形に乱れが生じる。「恋の波長」がどうのこうのとよく言われるけれど、昔から分かってたことなのだな。ただそれを数値化し視覚化し単純化する技術がなかった。男はちょっとしたアイデアからそれを発見し数値化を実現させた。そして、それをビジネスにしたのだ。


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<<下らない夜のお話>> 鯨海賊団結成

2010-06-29 09:21:58 | 日記
金曜日の朝、まだ空も薄暗い時間帯、男は鯨に乗って岸へと引き返した。
服を着て近くのネットカフェに行き、自分の持っていた証券口座にアクセスした。そして目一杯レバレッジをかけて、日本株を空売りした。
金曜の夜から週末にかけて、御前崎の浜岡原発、天竜川上流の佐久間ダム、三重県長島町の長良川河口堰、長崎県諫早湾の水門を回った。時限爆弾を一個ずつ仕掛けて回った。
日曜の夜、爆弾は静かに炎を上げた。
週明けの東京株式市場は波乱の幕開けとなった。爆発の規模は小さく、けが人も出ず、被害額も少なくて済んだのだが、日本の安全保障に対する懸念や、日本で将来爆弾テロが連続して起こるのではないかとの憶測から、外国人投資家を中心として幅広い銘柄に対し大量の売り注文が出た。全面安の展開だった。男はいったん株価が底をついたところで買い戻し、値が戻ったところで売り抜けた。
そして再び鯨の背に乗り、男は南の海へと消えた。

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<<下らない夜のお話>> 精神医学

2010-06-29 09:19:14 | 日記
男が高校に通っている時だった。
「将来、心理学者になりたい。悩んでいる人を助けたい」
クラスメートがそう言った。昔の少女マンガのヒロインが言いそうなセリフだな、と男は思った。
「いつか世界中の人々の悩みも消え去って、心理学者のような仕事もなくなれば、それが一番いいよね」
男は言った。
まだ二人は、心理学者と臨床心理士の違いさえ知らなかった。
あれから何年にもなるが、ずっと世界は曇っていて、いつ晴れるとも知れない。

男は大学在学中にベンチャービジネスを始めた。友達との下らない会話がきっかけだった。六本木ヒルズを見物に行った時、友達はビルの窓から下を見下ろして、一人ごちた。
「愚民どもめ」
男は自分の耳を疑った。男は自分がひどく堕ちていると思った。友達には前から何となくSの気があると感じていたが、いくらSの気があるとはいえ、人を愚民呼ばわりして悦に入っている友人を持つことは男にとって恥だった。そのような人間が自分のそばに近づいてくること自体が、自分自身の堕落と感じた。
「あんたにはSの気があるね」
男はS君に対して正直にそう言った。
「イヤ、僕はノーマルだよ」
S君は穏やかに反論した。それどころかS君は、男に対してこうまで言った。
「あんたが一番アブノーマルだよ」

それ以来男は、人間のベストマッチングについて研究することにした。
男はまず仮説を立てた。SとMの関係こそがベストマッチなのではないかと。そして、それなりの文献を漁ってみた。マルキド・サドやザッヘル・マゾッホ、ナボコフやジョルジュ・バタイユ、マダムOなど。空しいではないか。侘しいではないか。これが文化なのか。人類は紀元前の昔からこんなことに悩まされてきたのか。大いなる浪費、人生と頭脳の自由落下。
結局SとMはベストな関係でも何でもなかったが・・・。
Sな人、Mな人、中性な人、色々な人の性格判断や組み合わせや合性を調べる。どれもうまくいかない。数値化したいがなかなかそれができない。数値化、単純化。
研究に行き詰っていたある日、男は気晴らしにミーシャのライブに出掛けた。以前から男はミーシャの声の虜だった。
ミーシャの普段の声は、ライブの時のMCでないとなかなか耳にできない。CDで聴いた時の力強い歌声とは違い、MCの時の彼女の話す声は、とてもやさしく耳に心地よかった。普段の彼女の声は、小鳥がさえずっているような、どこかくすぐったく感じるようなかわいらしい声だった。とても透明感があった。
それで考え付いたのだ。人間の声の波長と男女の合性との関係を。
「あの人とは波長が合う」とか言葉にはするけれど、それを数値化できた人間は男が世界でも初めてだった。様々なサンプルから男女1名ずつの声を掛け合わせて、きれいな波型ができる組み合わせを見つける。声の合性もいいが、性格の合性も非常にいい。
声だけでも十分だったが、脇汗のサンプルも大量に集めた。汗の成分を分析し、成分ごとの波長を出し、そこから合性の良し悪しを測った。
男は会社を中国人の留学生と一緒に立ち上げた。完璧なビジネスパートナーだった。中国では彼をノーベル平和賞に推す声まであるとか。世界中の離婚率が減ったからだ。実業家がノーベル賞なんてありえない。笹川良一でもあるまいし。
会社の運営が順調に滑り出したところで、男は会社の経営権を中国人に譲り、自分は別の友人とラーメン屋を始めた。飽きっぽいので、ラーメン屋もすぐその友人に譲って、消えてしまった。
中国人はフォーブス誌の表紙を飾ったり、世界を動かす100人に選ばれたりもしている。ラーメン屋は今もとても繁盛している。



<<下らない夜のお話>> カモメと木と鯨と大王イカとタコと海亀とエリマキエイと

2010-06-28 09:25:11 | 日記
夜の海を漂って朝が来て目が覚める。男のすぐ隣には流木に乗って羽を休めている1羽のカモメ。驚いている男を気にもせず、カモメは一人で勝手に話し始めた。

「オレのダチにはものすごく飛ぶのが上手い奴がいたよ。そいつはどんな風にでも、いい風にでもちょっと癖のある風にでも上手く乗ることができた。でもそいつはいつからか、何もかもが退屈だと言うようになった。いい風がちっとも来ないといつも嘆いてばかりいた。年寄りたちも言ってたが、最近はまるでいい風を見かけない、胡散臭い風ばかりだって。いい風が全然来なくて、それでも退屈そうに風を待っていたダチだが、ある朝突然、1本のひょろ長い木になっていたよ」
「木?木になってたって?一体どういう意味だ?」
「どういう意味かって、そりゃあ説明は難しいが、言葉そのままの意味だよ。巨木というには細すぎるし、かといってすぐに折れてしまいそうな若い極細の木でもない。どこにでもありそうな、あまり見栄えのしない木になってしまっていたよ。青葉がたくさんついてたな」
「そういうことはよくある事なのか?つまり、木になることは」
「さあ、よく分からん。年寄りが言うには、そういう奴も昔にはいたかもなってことだが、どうだか」
「その木はまだどこかに生えてるのか?」
「台風とか大雪にやられてなければね。最近は若い奴らの中で憧れる者が多くてな、木になることに。だが、条件は厳しい。人魚姫のようにな」
(人魚姫?)
「人魚姫の話はあんたも知ってるだろ?あの子はオレの初恋の人だったんだ」

「ワシらが束になれば、タンカーなんてすぐじゃよ」
鯨が隣で言った。
「ワシがスクリューに巻き付けば、原潜なんて」
大王イカが隣で言った。
「タコは?」
男が聞いた。
「奴はいつも余り乗り気ではない。だが奴が出るときには、いつでももっと賢いやり方をする」
海亀が言った。
「あいつはいつも口ばかりだ。もっといいやり方があるはず、そればかりだ。いつもそればかり言ってる」
エリマキエイが言った。
「船が来る」
鯨の背中の上のカモメが言った。さっきまで流木だと思っていたのは、鯨の背だった。

そして誰もいなくなった。

<<下らない夜のお話>> 哲学者のサイ

2010-06-28 09:18:43 | 日記
20代の頃、男は哲学や心理学の本をたくさん読んだ。退屈でつまらない本ばかり読んでいた。そういった退屈でつまらなくて何だか内容のよく分からない本を読み込んで行かなければ、世の中は渡っていけないものと信じ込んでいた。そうして退屈で意味も分からず読み進んで行くと、たいていは2人の学者が狭い研究室の中で議論していて、一方が「この部屋にサイがいないことは確かだ」と言い、もう一方が「この部屋にサイがいるかいないかの証明をすることはできない」と言い、そんな言い合いを夜が明けるまで繰り返しているのだった。
どうせこの国は駄目になってしまうのだから、サーフィンでもしながら気楽に暮らしていればいい、そのうちに男はそう思うようになっていった。地震か火山か年金で、この国はどうせ駄目になると思っていた。でも男は自分の予想よりもかなり長生きしてしまったし、自分の予想よりも早く肉体的に衰えてしまった。その上、海にはもう乗れそうな波は立たなくなっていた。

<<下らない夜のお話>> 右から左へのスポイル

2010-06-28 09:17:46 | 日記
あの日も男は、昨日から今日、今日から明日へと人生をスポイルしていた。

「君の美脚に悩殺されてしまった。君の太ももに触れてみていい?」
「死ね!」
「君の美乳に悩殺されてしまった。君の心臓の鼓動、聞いてみたいよ」
「殺すぞ!」
「君に僕の胸の鼓動の高なりを聞いてもらいたいよ」
「にぎりつぶすぞ!」
「君と等身大の性について語り合いたいよ」
「引っこ抜くぞ!」
「君に星のかけらをプレゼントしたいよ」
「それよりも金のネックレスがいい」
「君は僕にとって100%の人だけど、僕は君にとって何%くらい?」
「20%」
「光栄です。君と駆け落ちしたいよ」
「お前なんか、バンジージャンプのひもが切れて頭から落っこちてしまえ」
「なかなか乙ですね」
「お前なんか、焼きそばUFOの湯切りをする前に、ソースを入れてしまえ」
「かしこまりました」

薄味になってしまったので、後で普通のウスターソースを足した。環境にも悪いことをした。下らない夜だった。