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<<下らない夜のお話>> CABIN

2010-06-15 10:36:21 | 日記
「君とは付き合えない。君はまぶし過ぎて僕は失明してしまいそう」

誰かが溺れ死のうとしている。誰かではなく世界中がかもしれない。もしそれを食い止めることができる人がいるとすればそれは自分かもしれない、と男は思う。だが男には救えない。目の前で溺れて死んでいく友を、手をこまねいて見ているしかない。

「君のようなかわいい恋人がいてくれたらな」
「あなたは美しすぎてCGに見える」

テレビではアフリカの貧困について議論されている。コメンテーターたちは男よりも高い学歴と知識と地位と名誉と金を持っている。
この人たちは一体何をしているのだろう、と男は思う。こんなに影響力のある人たちなのだから、議論なんかしてないで行動に移せばいいのにと思う。自分には何もできないと男は思う。こんなに力がある人たちに解決できない問題は、自分の手に負えないどころか誰の手にも負えないと思う。それなのにアフリカの痩せた子供たちの映像を見せられて心を痛めている自分の存在と感情は、何の意味もないことのように思えてくる。何かのペテンにかかっているように思う。

男は飛行機で韓国の仁川に向かっていた。
「すいません、この中にお医者さんはいませんか」
日本の空港を飛び立って間もなく、男は大声でそう叫んだ。
「お客様、大丈夫ですか?どうかなされましたか?」
キャビンアテンダントがすぐに飛んできて男に聞いた。男はこう言った。
「君の不安そうにしている顔が見たくて、つい叫んでしまったよ」

飛行機は引き返し、男は裁判にかけられ、罰金を科せられた。
その後、男の本が売れ、CDも売れ、男はキャビンアテンダントと交際した。