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≪夢から覚めるとまだ夢の中で・・・≫ 4

2011-08-12 13:17:46 | 日記
 そうしてそこに大の字になって、草の上に気持ち良さそうに倒れています。そして、しばらくあって辺りを見ると、悲しくも、自分が気付かないうちにまた元のお花畑に戻ってきているのが分かります。私は元のお花畑の中にあった右側の扉の近くにいます。必然性の崩れが起こって連続性の必然が効かなくなった、とかなんとか、あまりよく意味の通らないことが頭の中をよぎります。
 クリスマスの夜、寒空の下で湖の向こうから吹いて来る風に身を任せて、風の浮力に遊びながら湖の畔で一人焚き火を燃やして体を温め、真冬のオリオン座を見上げている。そんな訳も分からないが深いしみじみとした寒さが体の表面だけすっとぜんたいを包むように広がって、波の音と冷たい風が体の表面を走るけれど、体の内側は逆に焚き火の明るさが温めていてくれる、そうしてそこに私はいる。
 私はかつて湖の畔に住んでいて、湖の対岸から吹いて来る冷たい風には、体の内面にある汚れた部分を削り取って行くような、そんな不思議な力があることを知っている。夏の暑い日の風より、冬の寒い時期の風の方に、より強くその不思議な力を感じたものだった。昔はよく体に風をまとって、少しだけ私は私自身から軽くなっていた。
 この草原のような場所でも軽くなりたい。ここならば昔よりもっとそうなれるのかもしれない
 魔法の力を失った人魚姫のようなマッチ売りの少女のような深いカタルシス、例え様もなく訳もなくしみじみとしたカタルシスが体中の皮膚の表面を伝わって行って、そしてこのカタルシスもいつかは消えてなくなってしまうことを自分で分かっていて、それが消える時には自分もいっしょにそれに包まれてなくなってしまいたいと考えています。どうせ消え行く身ならば、この空っぽの状態のままで消えてなくなりたい。そのようになくなってしまえれば、消え行く身の痛みと苦しみへの恐怖が、素直な心地良さと無邪気な安心に消されていくはず。満足した私とはきっと、そのように消されていく私なのだ。
 カタルシスに包まれた私は全ての思いを消し、心も体も静かにして待っています。私は静かにまぶたの裏に、いつまでも消え失せない永遠の深い悲しみへの憧れを秘めて、祈りを潜めているのです。祈りが祈りではなく、私が私ではなく、祈りが私で私が祈りで、そしてやがては祈りも私も何もないようになることを待っているのです。
 でも、そんなふうに思っていても、やはり私だけが悲しみに取り残されてしまいます。映画で見たときのようにカタルシスからはいつか覚めてしまいます。
 私はまたここで一人で何かを見つけに行かなくてはならない。この旅をここで消して終わりの映像に私を溶かし込んで、この私をも終わりにしたい。でももう少し飛んでいく。なぜなのか?ここから先に何か興味深いものが待っている。でも、だからそれが何だと言うのか?興味があるから行くのではない。何の興味もないから行く。何も考えないでいられるから行く。何も考えていないのであれば、うれしくても悲しくても何があっても、もうどうでもいい。何をしようがどうせ同じで、ここで終わってももう少し行っても同じことで、元に戻るという選択肢だけはありえない。



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