その作品の背景を知るために、過去の言葉などを含めた深い日本語の理解が必要です。ですので、的確な解釈をするための読解力が養われます。…
その作品の背景を知るために、過去の言葉などを含めた深い日本語の理解が必要です。ですので、的確な解釈をするための読解力が養われます。…
過去の日本の音楽作品もしくは伝統的作品は国語の興味深さを再認識させます。例えば日本歌曲を演奏する時、現代ではあまり使用しない言葉や表現を目にすることがあります。…
音楽用語などは主にイタリア語で表示されているので、イタリア語などの外国語を自然に触れることになります。イタリア語の意味や深意を知ることによって音楽の変化を直接生むことができるので、他言語に興味を持つ可能性や言語の使い方の醍醐味などを知ることができます。…
そして、言語とは異なるものから作曲者の真意を理解し想像していきます。ですので、普段とは異なる視点から深い読解力を身につけることができると考えられます。…
楽譜において、言葉でもない数字でもない音符という特殊な記号を読みます。これは柔軟な頭脳を使って音符を読みこなし、そこに書いてある音楽を表現していきます。…
自分自身の手で音楽を通して、その時代・国の風景を眼前に映し出すことができる特別な空間を味わうことができます。そして、その当時の雰囲気や人々の息遣いなどを肌で感じることができます。…
音楽はとても興味深い分野だとしばしば思います。とりわけクラシック音楽であれば、時空を超えて、直接その時代・国の音楽に触れ、演奏ができます。それによって、その時代・国に興味をもち、音楽で触れた時代・国の歴史、文学、科学、生活様式など様々なことを学ぶきっかけを与えます。…
声楽家を志す人にとって声変わりの時期は最も重大なことであると思います。それは子供の時から開始した歌唱・音楽教育、特に歌唱教育が中断することなく続けていくことができないからです。声変わりによる中断は声の形成にとってほんの短い休憩にすぎず、その後以前と同様に声楽のレッスンを続けられるというわけではありません。声が変わったことにより、ほぼゼロからで、広範囲に最初から始めねばならないし、ここで新しい声をはじめて見出すことが必要になります。つまり再出発を余儀なくされます。それで声楽家がある意味、音楽家として尊重されるのだと思う今日此の頃です。
中世後期において、使徒パウロの言葉を浅慮な解釈をしてしまい、典礼での多声の声楽では高音域のソプラノやアルトも全て男声が歌うことになってしまいました。始めは声変わりをしていない少年たちに歌わせていましたが、旋律が精巧になり高度な技術と円熟した音楽性が必要になると、カウンターテナーのソプラノとアルトのスペイン人歌手たちが登場しました。その特別な歌唱法をスペイン人たちはムーア人から学び、彼らは歌唱法を秘密にして教会音楽における地位を独占することに成功していました。しかし、十六世紀の終わり頃ローマ法王庁聖歌隊の空席を埋めるためのオーディションが行われた時、スペイン人のフェルセット歌手たちとは異なる特別な音色のイタリア人歌手が現れました。このイタリア人歌手の特別な音色・響きは法王クレメンス八世を魅了し、聖歌隊に採用されることになりました。それによりスペイン人歌手たちの独占状態の終わりを告げ、カストラート歌手の隆盛が始まりました。イタリア人でペルージャ出身の優れたソプラノ歌手ジローラモ・ロジーニ、たった1人の歌手によってカストラートの時代が始まるとは…と思う今日此の頃です。
楽譜は数式、公式、詩、格調高い文章のように様々顔を見せているように思います…だから、心耳心眼でそこにある謎、意味、理由、法則、理論、深意などをいろいろな分野をヒントに探究して、理解して、解釈していきます。その結果、自分自身の表現が創造され、伝統に由来する、個性豊かな表情が現れると考えます。クラシック音楽はとても自由なものだなと思う今日此の頃です。