「これ持って帰ってくださいね~」
パートのおばちゃんTさんが仕事の帰り際に何か箱に包まれたモノをくれた。
「えっ、何ですかこれ?」と聞き返すと
「見てのお楽しみです」とのこと。
仕事中ずっと中身が気になり
「形からするときっとケーキだ!これは甘党の俺にはうれしい!」と思っていた。
そして我慢が出来ず、仕事が暇になってからその中身を確認することにした。
重い…ケーキにしては重過ぎる。
俺はアルファベットのたくさん並んだ茶色い包装紙をゆっくりとはがす。
すると中からは緑色の長方形の箱が現れた。
時計…にしては大きすぎる。
俺は箱の上蓋に字が書いてあるのを発見。そこにはこう書かれていた。
「Dom Perignon」
「ドン…ペ…リ…。ドンペリ!?」
そう、そこにあったのはあの有名な高級シャンパン、よくテレビとかでホストがる
「ヒトミさんにピンドン入りまーす!!」
とかやってる、俺には無縁だと思っていた
「ドン・ペリニヨン」じゃないですか!(もらったのは白だが)
何秒か俺は固まった。そして俺はホストだっけ…?と一瞬思ったが、これは嬉しい!
最初独り占めしようと思ったが、いつもお世話になってるバイトの先輩の「TASSY」さんと一緒に飲もうと思い、バイト終了後TASSYさんと合流。
そしてご2人で飯を食べに行った後TASSYさん宅に上がり「ドンペリ様」を嗜むことに。
箱からドンペリ様をだす…高級感あふれる深緑色のボトルが期待を煽る。
恒例の記念撮影。うーんナイスバディ…。
蓋が飛ぶのと中身が溢れるのを恐れ、厳重にタオルで固定し、力を込める…
すると蓋は以外に軽く開き、中を覗くとシャンパン独特の白い煙が立ち込めている。
妙に神妙な面持ちでグラスにドンペリ様を注ぐ。
黄金色の液体の中には気泡が細かくスパークしている。
そして乾杯し一口目…!
ん・・・!
さわやかだ!
何より後味に癖が無く、不純物の少なさを舌で感じることが出来るほど飲みやすい。
これがドンペリ…かとうなずきつつ、その味を楽しむ。
ここでTASSYさんがビンに張られていたバーコードをパソコンで検索してみる。
高い高いといわれるドンペリ。
しかし俺もTASSYさんも値段の相場を知らなかったのだ。
「きっとドンペリにもピンキリがあって、
くれるくらいだからきっとこれは"ピン"で、高くても3000円位だろう」
と思っていた。
しかし画面に映し出された値段を見て唖然。
同じ種類のドンペリはネット価格でも安くても1本で1万円。
高いサイトでは14000円位するのだ。
俺らこんな高い酒を飲んでるんですね…とびっくりしつつ少しもったいないことをしたと後悔。
なぜ勿体ないのかって?
俺とTASSYさん値段も知らず
普通の背の高いグラスにナミナミ注いで
ガブガブ飲んで、
もう半分も残っていなかったからですよ。
飲むペースが速かったためTASSYさんはもうグダグダ状態。
俺も高い酒を飲んだという満足感でフワフワしていた。
ありがとうTさん!非常にうまかったです!
そして今日(14日)にバイトに行くとTさんを発見。
早速気持ちを込め「昨日のドンペリありがとうございます!」と言うと
なぜか「え、なんの事ですか~?わたし何も知らないですよぉ~」と知らないフリをされた。
「昨日の・・・」と言いかけたとこで
「知りませーん」と続く。
ラチが飽かないので、いつかお返しをあげようと思う次第だ。
ちなみにドンペリをくれた理由はいまだにわからないままである…。