Versteck von Snufukin

日常生活の色んなことに対して文句を言ったり言わなかったりするブログ。

倒れこむナカタと立ち上がるネドベド

2006-06-24 02:06:53 | Fussball
跳ね馬のように乱暴だけれど(挨拶)

まぁ
終わってしまったことなので
いつまでもウダウダ言ってもしょうがないのだけれど

なんとなく印象に残っているふたつのシーン

イタリアvsチェコ

やっぱりイタリアは試合巧者という感じがした
チェコが攻めてきたら
画面の外側から青いユニフォームが
さーっと戻ってきて
すっと陣形を作る

要所にボールが入ったら
複数で囲んで
奪って
カウンター

やることが明確
全員がやるべきことをしっかり把握していて
見ていて感心するばかりだった

そんなイタリア相手に
一人欠いた状態では
さすがのチェコといえども
どうしようもなかった
ネドベドがピッチを最後まで
駆けずり回ったが
結果は1次リーグ敗退

チェコの大砲
パベル・ネドベド

彼の最初で最後のW杯が終わった

ホイッスルが鳴ったとき
彼はピッチにひざまずいた

そしてすぐに胸で十字を切って立ち上がった
すぐにイタリアの選手が駆け寄る
特にイタリアのベンチから
デル・ピエロが駆け寄ってきたシーンは印象的だった

それにカンナバロやブッフォンが続く

いま、非常に不安定な状態にある
ユベントスのメンバー達が
お互いの健闘を讃え合う姿は
印象深いものがあった


ネドベドはファンに挨拶をし
他の選手やスタッフ達と挨拶を交わし
ピッチを去った

最後にもう一度だけ
胸で十字を切って



数時間後
もう一人W杯の舞台から去る男が

孤高のキング
中田英寿

彼も3試合通して
走り続けた
最後の最後まで戦いにこだわっていた
ボクにはそう見えた

ホイッスルが鳴ったとき

彼は
ピッチ上に倒れこんだ

「試合が終わったら倒れてもいい」

そう言っていた彼は
まさに有限実行していた

彼はしばらく倒れたままだった
青いユニフォームを脱いで
ピッチの中央で
カナリアイエローのユニフォームを
顔にかぶせて
静かに言葉をつぶやいていた彼は
誰も寄せ付けない雰囲気さえ裸身にまとっていた

他の代表メンバーが
サポーターに挨拶に行っている間も
ジーコがインタビューを受けている間も

近くに立っていたスタッフでさえ
一定の距離を置いたまま
ヒデは動かなかった


対照的な二つの光景
どちらが正しいとか
どちらが美しいとか
どちらが幸せだとか
もちろんそういうことではない


でも引き際の二人のあり方は
それまでの代表でのあり方を
象徴しているようだった


ネドベドは
一度は代表からの引退を表明しながらも
欧州予選で苦しむ故国を救うべく
代表に復帰
文字通り支柱となっていった


ヒデは
近代日本サッカー界を牽引し続けた
先駆者として海外リーグで挑戦し
常に世界を見据えて
世界の基準の中で戦ってきた

しかし代表の中では
その強すぎる存在感からか
周囲との軋轢がたびたび問題となった

代表が決定したときでさえ

「このチームはまだ世界で戦うレベルにない」

と発言したり

大会直前の親善試合でさえ

「走るという基本ができていない」

と彼ながらに
的確に言葉を選んで
チームのためを思い厳しい態度を取っていたと思う

その結果として
実際に溝があったのかどうかは知らないが
倒れこむ彼に誰一人として近づけない光景は
その噂を映し出しているかのようだった


勝者の栄光に
敗者として
影として
その身を奉げた男達の持つ
意味の大きさを感じた気がした