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サラ☆の物語な毎日とハル文庫

アンがマシューを待っていたブライトリバーの駅

前回も書いたように、プリンスエドワード島は赤土の島です。
手で簡単に崩れてしまう砂岩でできていて、建物に使える石がありません。
それで、板壁の家がほとんどなのだけど、ブライトリバー駅のモデルといわれるケンジントン駅舎は、石造り。隣の州から運んできた石で作られています。

鉄道はとっくに廃止されていて、駅の前にほんの少し、レールが残されているだけです。
この情景から、『赤毛のアン』の幕開けのシーンを想像するのは、なかなか難しいっ。

マシューがブライトリバーの駅につき、駅長さんに五時半の汽車がじきにくるかどうか尋ねたとき、駅長さんは、こう答えました。
「五時半の汽車なら三十分も前に通ってしまいましたよ。
だが、あんたのとこへ、お客が一人おりてますよ。
小さな女の子がね。
あそこの砂利の上にすわってますよ。
婦人待合室に行ったらどうかと、言ったらね、外のほうがいいんだって、まじめな顔して言いましたっけよ。
そのほうがひろびろしていて空想をめぐらすのにいいのよ、だってさ。
ひとくせ、ありそうな子だね」

駅長さんが言ったように、この駅には、婦人待合室と紳士待合室があるに違いない。
きっとガイドさんがその場所を案内してくれたものと思われます。
ところがわたしときたら、駅舎と直結している場所にリカーショップを見つけたのでした。
カナダでは、アルコール類は、リカーショップにしか売っていないとか。
そこで、わたしはさっさとリカーショップに飛び込み、「スモールワイン、プリーズ」なんて、むちゃくちゃ英語で、ワインを購入していたのです。
いま考えると、ちよっと残念!

それはさておき…
婦人待合室と紳士待合室に分かれていたからといって、男子と女子は同席せず、なんて堅苦しい倫理観に基づいて、待合室が分けられていたわけではないみたいですよ。
ガイドさんが言うには、当時、男性は噛みタバコを常用しており、つばをしょっちゅうペッペッと吐いたのだそうです。
その茶色いつばが女性のドレスにかかって、汚すといけないので、待合室を分けたという話。

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