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サラ☆の物語な毎日とハル文庫

『海馬』は疲れない

東大薬学部助手の脳科学者池谷裕二氏と糸井重里さんの対談集『海馬』が、文庫本になって出ました。

脳の働き、とくに海馬について面白い話が満載です。
最近の脳科学は、ここまでいろいろ分かってきているのかと、興味をいたく刺激されます。
といっても、「脳は1000億個の神経細胞が集っていますから、正直いうと、現代の未熟な科学ではとても手がつけられない。世界中の研究者は誰も脳の実体を正確には把握していません」(池谷)ということらしいですが。

それにしては、「へー♪」という知識がいっぱいです。
たとえば、「夢は記憶の再生なんです。その証拠に、フランス語をしゃべれないぼくが、フランス語をぺらぺらしゃべる夢を見ることは絶対にない。記憶がないから。夢には記憶のあるものしか出ない。ただ、いろいろな組み合わせをしているのです。トライとエラーのくりかえしですけど、夢に限らず無意識では常にそんなことをやっています」

「海馬は情報の仕分けという非常に大切な役割を担っていますから、海馬の神経細胞が多ければ多いほど、たくさんの情報を同時に処理できます。
…海馬が大きく発達していると記憶力が高まるということは、実験によってずいぶんと確かめられています。人によってだいたい、10%から20%の神経細胞数の違いが出ます」

「海馬にとっていちばん刺激になるのは、空間の情報です。」空間の移動が、海馬にとっては、とてもいい刺激になるらしい。

「やる気を生み出す脳の場所があるんですよ。側坐核といいまして、脳のほぼ真ん中に左右ひとつずつある。
…側坐核の神経細胞はなかなか活動してくれない…どうすれば活動をはじめるかというと、ある程度刺激がきたときだけです。…やる気がない場合でもやり始めるしかないということなんですね」
やる気がおきないときは、「とにかくやり始める」のが特効薬という話。

もう、まだまだいろいろ、脳の働きにまつわるネタ満載。
もっともっと紹介したいけど、キリがないし…。

で、海馬って何? 脳のどの部分にあるの?
と思った人は、文庫を買って読んでください。
絶対面白いです。おすすめです。
新潮文庫から出ていますよ。
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