サラ☆の物語な毎日とハル文庫

桜と、学生のころの自分と出会った日

東京は桜が満開。
早稲田のキャンパスのあたりを、友達とウロウロしてお花見気分。
以前とずいぶん変わったけど、ここにくると、学生時代の気分を思い出します。
大隈講堂から文学部キャンパスに行く道は、ちっとも変わっていない。
夜になり、街灯や店の照明で明るい通りを、カーブにそって歩いていきました。

懐かしい…。
ホントに懐かしい。
馬場下町の交差点、蕎麦屋の三朝庵のところまでくると
まざまざと、学生時代の情景と重なり、ハッとしました。
すると信号が青になって、文学部のほうからおチビさんの女子大生が歩いてくるじゃないですか。
私です。
なんてこと! あれは確かに、ブルージーンズをはき、紺のセーターを着て、バッグを肩にかけた21歳の私です。
青白い、ちょっと暗い表情をして、目は一点を見つめ歩いています。

信号を渡っている自分の姿を見て、21歳のその子が何を一心に考えているのか、
思い出した!
なぜ、地方から東京の大学に進学したのか。
一人暮らしでさびしい思いをしながら、あの当時の私が何をめざしていたのか。
昨日のことのように、思い出しました。

こういう感覚って面白い。
私は常々、過去の時間も、現在の時間と同様に存在すると思っています。
21歳の私と会ったということは、現在と過去が一瞬重なったのです。
そして、忘れかけていた夢を、昔と同じ熱意で実感しました。

春の薄ピンク色の夜桜が誘った幻想でしょうか?

なんにしても、とても懐かしい一瞬でした。

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