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ネコ20匹を世話するため、本を書いたりバイク乗ったり。見えない世界ととその狭間を見ながら日常を生活する一人の男の物語。

アトランティスの記憶<後期アトランティス 11 >

2013-02-27 07:53:14 | 『日常』

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後期アトランティス


目の前に広がる神殿のホールの姿から。
次第に私の眼は別のものを見始める。
その下りてくるものに体をゆだねると、そのものに支配され、
それを表現するまでは体の動きは止まらない。

見えてくる。
別の時代、別の存在。

大きな翼、透明な羽、虹色の翼。
いろんな翼をもった人達。

彼女(彼?)らは地上の決められた場所に降り立った。
それはチェリス達が塔からの情報と惑星意識から引き出したポイント。
エネルギーの集中する場所を彼女たちは感じて、そこに立つ。

すると、周りに居た抽出された存在がそれに気付き、あるものは牙をむき、あるものは自分よりも高位の存在と見て傅くものも居る。

彼女たちは、自分たちの居るべき場所に来ると、そこで意識をリンクし始めた。
惑星意識と、宇宙意識と。

翼を広げ、そして繋がる。

26の存在が惑星に降り立ち、エネルギーの情報網を作りだす。
その情報網で地上に居る抽出された存在達の意識にもリンクしていく。

しかし、同時に他の「公園」より抽出された存在の中にも、惑星意識よりも宇宙意識と繋がり、その流れで惑星上の存在達とリンクして行こうとする者も出始めた。

チェリス達の公園だけでなく、他の公園でも新しい「抽出された存在」を生み出す事をしていたのだった。

それらも惑星上に「自分のアクセスしやすい星」からのポイントを設定し、それぞれに情報網を作りだそうとしていた。

「星の門」、「新しき星の海」、「赤き星の道」
それらと繋がる存在が、それぞれに惑星上に現れ、彼女達と異なるネットワークを築き始めていた。
姿は彼女達と似ていたが、それらの存在には翼と、頭部には宇宙意識との繋がりを得るための突起が存在した。
それは星の繋がりを得るために長いものもあれば、細いものもあり。


新たに宇宙意識とさらに繋がるための存在が誕生したため、彼女達のネットワークはスムーズに繋がっておらず、惑星状にはそれらの存在達の新たな勢力分布が起こっていた。

チェリス達は思った。
これは、自分たちの意図したものではないと。

今までバラバラであった存在達がまとまって、それぞれで勢力を作りだしてしまってはこれまでよりも規模が大きくなっただけで、何の変化も無い。

そこで新しい判断をした。

相手を攻撃する事を。

踊りは、次の段階に入った。
手の動きと体のしなりで表現する静かな踊り。
その時、私の体に流れ込む情報は、いつもの妖精さんだけのではなかった。
感じていたのはスーべロス、トリョウ、チェリスの3人の心の動き。
静かな中にある、巨大な変化の流れ。
それを私は、踊りで示す。

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・創世記

スーべロスとトリョウは次第に共に行動する事も多くなってきた。
チェリスは最初の頃から共にいたので、スーべロスとの関係は深くなっていたが、
次第にトリョウもスーべロスとの関係を深く持つようになってきた。

二人で行動している時、必ず一人が取り残され。
共に3人で行動することが次第に減ってきた。

そこに生まれてきたのは「独占したい」という欲
これまで、コーディネーターには存在しなかった、モノを独占するという欲。

情報の海には存在していても、これまでその感覚にアクセスすることは無かったのに。
スーべロスの存在がこの「公園」に戻ってきてからそれが現れ出した。

トリョウもチェリスも、最初はこの感覚に戸惑っていたが、次第にこの感覚に身を任せるようになった。独占したときの感覚、それに溺れていったのだ。

この感覚でいる時に抽出する存在は、いつもよりより美しく。新しいエネルギーに満ちた存在になってきていた。

それが分かったから、さらにその新しい感覚に身をゆだねていく。
新しい、惑星意識と宇宙意識をつなぐ存在を抽出する際、この感覚の中で作業を行う事が新しいものを生み出している。

葛藤、欲、困惑、怒り、悲しみ、

あらゆる感情が二人を包み込む。
それが、新存在への新しいエネルギー。

これまで存在していなかった、集団の中で循環する新しいエネルギー

しかし、それは次第に勢いを増し、
3人の中で取り返しのつかないくらいの強さになった。

そして、相手を「攻撃」することを思い出させた。
これまでの存在達は、自分の生活のために相手を排除、もしくは捕食は行っていたが。
自分のエネルギー循環の一環として(感情の動きで)相手を攻撃することは無かった。

二人は、ついにその事を思い出してしまった。

新しい抽出された存在、翼をもつ彼女達に、他の公園から抽出された存在を「攻撃し、排除する」事を教える存在を作り上げた。

その存在は「音」を使い、「歌」で彼女達に伝えていく。
情報を音で響き渡らせ、彼女達は翼でそれを感じていく。

彼女達は思いだす。
はるかな昔、宇宙で行われていた戦いの記憶。
そして、自分の勢力以外を攻撃するという事を。


地上は地獄と化した。
地球に存在していた生物も、いくつかは死滅し。
以前に抽出されていた存在は、戦いの中ですべて滅んだ。

そして、新しく抽出された存在達の彼女達の戦いが続く。

他の公園より抽出された存在も、昔の記憶を思い出し彼女達に応戦しているが、
最初の勢いは弱められない。

次第に彼女達に追いやられ、古い大陸へとのがれてゆく。

そして、そこで抽出された存在の情報を、地球意識から発生していた初期の知性のある生物に伝え、そして残していった。
その生物は二本足で歩き始め、それは抽出された存在の情報を再現するように生活を始め、そして変化をはじめた。
別の公園で新しく抽出された存在は、彼女達とは違うやり方で宇宙意識と地球意識との繋がりを持てる存在を作りだすことになった。
彼女たちのネットワークを使わない、新しい惑星とのつながりを持つ存在達。
今の、変化する世界を感じていく存在達。

彼女達は、拠点を確保し、地球上にグリッドを形成した。
地球を情報のネットワークで包み込み、地球と宇宙の間をつなぐ存在を生み出しやすい環境に作り変えていった。

そして、調和が生まれた。




その時、
チェリスは一人で座っていた。

もう、トリョウもスーべロスも傍に居ない。


地球上で戦いが繰り広げられていたとき、
チェリスは二人を消滅させていた。

二人が肉体を重ね出すような、そんな関係を持ち始めたのを知り、二人が喜びのつながりを行うために1つの区に入った時。
チェリスは無意識にその部屋の粒子濃度を上げた。

粒子は揺らぎ、結晶となり。
そして、二人の体に取り付いた。

肉体が変容し、二人の心の中が表面に現れてくる。
それは融合し、膨れ上がり。
苦しみと悲しみの姿が出た後。

それは白い灰になった。

チェリスの目の前には、地上にグリッドを作っている彼女達の姿を映し出した壁と。
白い灰の山が見えている。

地上を良き姿にもっていくために、自分達は彼女達を作りだし、
そしてそれを実行した。

しかし、その時に行った現象、相手を攻撃するという事。
それが自分の身にも起こっていた。

外で行われていたことは、チェリスの心の中で行われていたことであった。

その結果、チェリスは一人となった。

愛、憎しみ、嫉妬、怒り、喜び、悲しみ。

チェリスはそれらの感情をすべて体験した。


それに気付いた時、すでに次の仕事に取りかかっていた。
新しい、宇宙意識と惑星意識をつなげる存在達の抽出

多くの数にすることで、たくさんの感情を体験できて。
たくさんの感情を体験することで、もっと多くのものを作りだして。
宇宙と惑星と繋がるだけでなく、互いに繋がり合い、それが広がって行く。

多数ですべてを表現し、それが無限に広がって行く可能性を持ったもの。

チェリスは自分の一部を分け与え、
そしてそれらは外に現れた。

「アトランティスの民」として。

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後期アトランティス


私は静かに踊りを終えた。
会場は静まり。

そして、激しい拍手。
涙を流している人もいる。喜びにあふれている人も居る。
私の踊りで、たくさんの人が、たくさんの感情を出してくれている。

そのまま、私の幕は終わり、次の章に移る。

今日の私の踊りはこれで終わり。
やっと解放されるわ。

そう思って廊下を歩いていると、ヤネッシュ姉さんが背中を叩いてくる。

「わぁ、とっても綺麗!」
姿を見て、つい口に出しちゃった。
いつもの颯爽とした姿と違って、女性の美しさを際立させたメイクと衣装。
まるで別人みたい。

と口に出さなかったのに、「別人みたいだと思ったでしょう?」と言われてしまったわ。

「良い踊りだったわよ。あとはカーテンコールまでゆっくり休んで。お疲れさん」

ヤネッシュ姉さんにそういう風に言われると嬉しくなる。
あまり人の踊りに良いとか悪い言わない人だから。

私は楽屋に戻って、ヨルハンにカーテンコール前に起こしに来るようにと伝えて、ベットに横になった。
力粒子の支えがあって、とても気持ちいい。
このまま寝ちゃおう。

深い眠りに落ちていく。

その途中、自分の中に入って来た情報かな?
いろいろな風景が見えてくる。

チェリス達とは違う「公園」から抽出された存在は、今は他の大陸で新しい動きをしていた。
強調と調和に溢れた社会を作りだしたり。
原始的であるけれど、自然の中で豊かに暮らす生活をしていたり。
宇宙の存在との交流を強め、それらと共に生活している人々もあったり。

私達アトランティスの民とはまた違った生活をしている様子が見える。

今はすべてが調和し、そこで生きている。
それっていいなぁ。
やっぱり平和がいちばんよねぇ。

また、夢の中に情報が流れてきた。

なんだろうこれ。

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創世記


塔とリングはすでに大陸の一部と化し、そこでは新たな存在の抽出は一切行われていない。
すでに、必要な存在はすべて外に排出されているからだ。

それまでそこに居たコーディネーター達はそれぞれに自分の作った存在が力を持っている場所へと旅立った。
自分の抽出した存在を見守るため。

そして、それらを導くため。

チェリスはすべてを新しく生み出した存在達に分け与え。
「アトランティスの民」
がそのものとなった。
その意識を分けて持った存在。

最初に生み出された「アトランティスの民」には寿命が無かった。
情報の源に戻る必要が無いため。

宇宙意識と惑星意識と繋がれるので、情報の源に回帰する必要性がなかったからだ。
地球上にグリッドを作っていた26の存在もその仕事を終え、塔の場所へと戻って来た。
民の生活を手助けするために。

そこには、粒子を使う技術が存在した。しかし、それはリングの内部でのみ有効な技術であったので、26の存在がそれに手を加えた。

大陸中を循環させられるような規模で粒子を作りだしそれを動かして行く技術。

意識の力で町は作られ、意識の力でアトランティスの民はそこに街を作りだした。

中央に塔を頂き、最初はリングの跡との間にできた運河と塔の周りだけで街が出来上がり、そこで粒子が使われていた。

そこから次第に運河が幾重にも広がり。
そして、それ以上に、大陸全体に粒子を使ったネットワークが広がって行く。

粒子技術を広げていくたびに、そこには26の存在達の姿があった。

その場を安定させ、グリッドを作り。
そこに粒子を充実させる。

そして、粒子の循環がそこに出来上がると、次々とそれを繰り返し、大陸全体にそのネットワークを広げていった。

それと共にアトランティスの民も広がり、大陸全部に町を作り、そこで生活を始める。

町は塔を中心に同心円上に作られ、それは26の存在が作ったグリッドと同じラインに並んでおり、26の町が大陸に生まれた。

最初、無限の時間を持っていたアトランティスの民も、粒子を使うようになって、そこに寿命が生まれてきた。
粒子は民の意識を介して動き始める。
情報と繋がり、そのまま生活している時は情報エネルギーは安定しているが、意識を使って情報を外に出す事(力粒子を操作するとか、情報粒子を介して情報を伝えるとか)を行うと、自分の中にある宇宙の情報と惑星の情報と繋がるラインに、少しずつ隙間が開いてくる。
安定していた情報のルートが乱れてくると、肉体にもその影響が出てきて。
街を作り、大陸に情報粒子のネットワークを作り上げる頃には、最初のアトランティスの民はすべて寿命が尽きていた。

それは、地球が公転周期を1000以上回るくらいの時間ではあったが。

アトランティスの民は、自分達の寿命が尽きる事を理解した時、
子孫を作りだし、それを育てるシステムを作り上げた。

二人の遺伝子を合わせると、それは安定してアトランティスの民の情報を保ち続ける事ができる。それらが子孫を残してくシステム。

それが「ペア」であり、
そのペアを確実に作ることができるシステムが、「家」という子供達だけの生活を送る施設の存在であった。





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