二代目のつれづれなる日記

大阪で別注家具・オーダー家具の製造、家具のリメイク・修理をしている丸一木工所の二代目の日々の日記です。

椅子の座面の修理(ウェービングテープ加工)

2023-07-09 14:50:48 | 修理


ネイルサロンを経営されている方から「経年の使用で座る部位がペッタンコになってしまったので
修理をお願いできますでしょうか?」と写真付きでお問合せいただいたのですが、
(ウェービングテープが伸びきってしまっているのが原因だという事がわかったのですが、)
ウェービングテープを張り直そうとすれば、座面の生地を止めている鋲を外す必要があり、
外す際に生地が破れる可能性があると以前、椅子張り屋さんから聞いていたのですが、
「背もたれ部分は問題ないし、座面の生地も綺麗なので張替えたくない。」
とお客様が言われておられましたので





隅木を一旦外し、合板を潜り込ませてから座面を持ち上げてという修理を数年前からさせて
いただいていたのですが、「施術中はお客様が長時間座られるのですが、座面に底付き感が
あるのですが、なんとかならないでしょうか?」とこの度、お問い合わせいただいたんです。

座面裏をウェービングテープから合板に変更したので、この点は致し方がないのかと
木工職人の私の感覚で思っていたのですが、ここはプロの椅子張り屋さんに相談してみたところ
(私の母校の工芸高校の後輩が椅子張り屋さんを経営しているので無理をお願いしているのですが)
「座板にお尻の部分をくり抜く→ウェービングテープを張り直す→ウレタンを追加するという加工を
施せば底つき感もなく、生地もそのままでいけますよ。
あと、これぐらいのウェービングテープの加工でしたら”谷本さん(私の事)”でも出来ますよ。
私がレクチャーしますので大丈夫です!!」と言っていただいたので教えていただき





このように座板の裏側にウレタンの追加してあります。





修理が仕上がったのがこの状態です。
「既存の生地が綺麗だし、同じ生地が手に入らないのでなんとかしてほしい。」という方にお薦めの修理方法です。
(今回の場合は、何店舗もあるお店で使用していて、背もたれ及び座面の生地が綺麗である。
ウェービングテープを直そうとすれば、座面の生地を外す必要があり、鋲を外す際に生地が破れる恐れが
ある→座面の生地を新調した場合、背もたれの生地とぴったり合わない場合もある。)


ちなみに・・・


ウェービングテープを1巻き購入させていただいたのですが、このイタリア製の分は伸びにくて良い品物だそうです。


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