こんにちは
毎日、湿気が凄いですね。皆さん、如何お過ごしでしょうか。
今日は、イタリアのフレンツェにあるヴェッキオ橋へご案内します。
以前から一度渡ってみたいと思っていたのですけど、今年の一月にようやく念願がかないました。
↓下の写真は、丘の上から見たフィレンツェの街。ルネサンス発祥の地。
街の中を流れているアルノ川の、写真の一番左の隅に全貌が見えるのが、ヴェッキオ橋です。
↑ちなみに、右端の赤いドーム屋根の教会がフィレンツェで最も有名なドゥオーモ(花の聖母教会)。
そして中央に見えている高い塔付きの茶色の建物がヴェッキオ宮殿です。
面白いことに、ヴェッキオ宮殿とヴェッキオ橋はヴァザーリ回廊という長い廊下で繋がっており、
回廊は、橋の二階を通って川を渡り、西岸のずっと先のピッティ宮殿まで続きます。全長約1km。
↑上の写真がヴェッキオ橋です。
ご覧のように、右手の赤い屋根の細長い建物の二階が回廊になっており、右のウフィッツイ美
術館の二階の廊下とヴェッキオ橋の二階を連結していました。
ヴェッキオ宮殿からウフィッツイ美術館までは、目と鼻の先ですので、短い渡り廊下で繋がって
いました。
↑上は、橋の拡大。これをモデルにした橋が東京ディズニーシーにも架かっていますので、ご存知
のかたも多いことでしょう。二階が回廊になっていて、橋の上は商店街です。
正式の名は「ポンテ・ヴェッキオ」。ポンテが橋でヴェッキオは古い。古い橋という意味だそうです。
現在の橋は1345年に再建されたものですけど、大もとは1世紀から存在していたという古さ。
↓下は、ヴェッキオ橋の出発点です。さっきのヴァザーリの回廊が橋と繋がった所。
これから橋を渡ります。(逆光の暗い写真を無理に明るくしたため、写真が汚くてすみません)
↓下は、橋の上です。逆光でしたので、橋を渡ってから振り返って全体の写真を撮りました。
なので、右手に回廊。西日の加減次第で、回廊が右になったり左になったりしていますので。
右に「U-BOAT」と書いた白いテントが下がっている辺りが、橋の終点です。
橋を渡り終えても、街が続くので、橋を渡ったという実感がなくて。
↓橋の上は、貴金属や宝飾品の有名店ばかりが軒を連ねている専門店通りになっています。
昔はお肉屋さんや八百屋さんが並ぶ食品街だったのですけど、残り物をアルノ川に捨てるので川の
悪臭がひどくて、フィレンツェを統治していたメディチ家が撤去させて、宝飾店街に変えました。
なので、食料品店みたいな造りの宝飾店が並んでいました。回廊は右手です。
↓橋を撮っていたら、ワオ~、フィレンツェな二人連れが歩いてきました。
橋の中央はこのように建物が途切れていて、アルノ川が見晴らせます。
↑上のブロンズの胸像は、ベンヴェヌート・チェッリーニというイタリアの著名な彫刻家。
この人は元々、金細工師だったそうで、ヴェッキオ橋には金細工職人のお店が並んでいましたので
その組合が彼の偉業を記念して「金細工師の父」として建造したそうです。
↓片側は、ヴァザーリ回廊を通すためこんな造りになっていました。
↑プッチーニのオペラ「ジャンニ・スキッキ」の中で娘のラウレッタが「お父さん、もしリヌッチョ
と結婚できないなら、わたしはポンテ・ヴェッキオからアルノ川に身投げしてしまうから」と歌う
「私のお父さん」という、美しい有名なアリアがあります。
まさにこの場所。身投げするならここしかない、などと妙に感動して。
↓さて、橋を渡り終えた、たもとにある「ポンテヴェッキオ」という人気店に入ってお茶にしました。
そこの茶色の木の扉が二つ付いているお店です。
↑あんな大きなカップにジェラートが山盛りに入ってきます。すごいボリューム。
人気店だけあってお値段も良かったけど味も濃厚でとても良かった。
↓お店の名前の上にある赤いマークは、フィレンツェのシンボル、深紅の百合の花。
花の都フィレンツェの至る所に描かれていました。
Barはバールと発音し、バーではなくてカフェに近いお店のことだそうです。
↓さて一休みした後は、あのヴァザーリ回廊がどんな風に街を通ってゆくのかそれを目撃するの
を楽しみにしていましたので、回廊を追いかけてゆきました。
回廊(左手)はビルと接着していました。ビルの中を通ってゆくようです。
↓さらに追ってゆくと、こんなふうに時々ビルから出て姿を現してはまたビルの中へ突入。
これを繰り返してピッティ宮殿までゆくのでしょう。
さっきのお店に友人を待たせていましたので、追跡はここまで。納得できました。
ヴァザーリ回廊には現在でも、メディチ家の美術品のコレクションが両側に並び、それが1km
続いているそうです。
かってメディチ家の人々は、ヴェッキオ宮殿とピッティ宮殿の間を一度も外に出ずに回廊を通って
美術品を楽しみながら往来していたということです。
外に出なくて済むのは、セキュリティ上からも合理的だったことでしょう。
イタリア・ルネサンス絵画の宝庫と言われるウフィッツイ美術館の所蔵品もすべて、歴代メディチ家
のコレクション。展示物は2500点にのぼると聞きました。
さすがにイタリア・ルネサンスのスポンサーだけあって、スケールが桁違いの大富豪。
それにしても18世紀に、これだけのコレクションを「フィレンツェに留めておき、一般公開すること」
を条件にすべてトスカーナ政府に寄贈したという、メディチ家唯一の相続人、アンナ・マリア・ルイーザ
という女性は一体どんな人だったのでしょうか!
↓ヴェッキオ橋を臨むアルノ川。この日、評判のアルノ川の夕焼け風景が見れてラッキーでした。
気温が安定しませんね、みなさん体調にお気をつけてお過ごしください。