歌動画「さくら横ちょう」と桜横町

2018-03-28 20:54:07 | 音楽(音楽動画・コンサート・オペラ) 

 

  こんにちは

  わたしの周辺はとうとう桜が満開になりました。何処へ行っても桜、桜です。

  東北は開花が4月、北海道は5月だそうで、北のほうの皆さんは今しばらくの桜待ちですね。

  桜情報の時期になりますと、日本は南北に長い国なんだなと今さらながら実感します。

 

  下の写真は今日撮れたてほやほやの桜の花。         

          

                        

  今日は、わたしの好きな日本歌曲「さくら横ちょう」の歌動画を載せました。

  以前から、是非桜が満開の時期にブログに載せたいと思っていたのです。

  

  「ちいさい秋みつけた」や「夏の思い出」で知られている中田喜直さんの作曲ですけど、意外と

  皆さん「さくら横ちょう」はご存知ないのではないでしょうか。

  曲名を聞いたこともない、というかたが多いような気がします。

 

  日本歌曲にはいい歌がたくさんあるのに、知られていない歌がなんと多いことか。

  誰も歌わなくなるといつしかその歌の楽譜も廃版になり、どんなにいい歌でもこの世から消える。

  この歌も絶滅種になって、はかなく散らないでほしい、生き続けていてほしい、そんな願いを込

  めてアップしました。

  ソプラノ歌手の常松寿子さんの歌でお送りいたします。

      
                                        

      
                     https://youtu.be/YjgGyh2DDQY  

                                                               

                    さくら横ちょう   加藤周一 作

                      春の宵  さくらが咲くと

                      花ばかり  さくら横ちょう

                      想い出す  恋の昨日

                      君はもうここにいないと

 

                      ああ  いつも 花の女王

                      ほほえんだ夢のふるさと

                      春の宵  さくらが咲くと

                      花ばかり  さくら横ちょう

 

                      会い見るの時はなかろう

                      「その後どう」「しばらくねえ」と

                      言ったってはじまらないと

                      心得て花でも見よう

                      春の宵  さくらが咲くと

                      花ばかり  さくら横ちょう

 

  この詩は加藤周一さんの「薔薇譜」という詩集に収められています。

  春の宵の「さくら横ちょう」が夢まぼろしのように描かれており、作者の空想の横町かと思って

  いたのですけど、今回調べてみて実在している横町だということがわかりました。

 

  東京都渋谷区の常盤松小学校の傍にある通りだそうで、この歌の小さな歌碑も建っているそうです。

  昔あった桜の並木は今は無く、もう「桜横町」とは呼ばれていないそうですけど。

  詩を書いた加藤周一さんは昭和初期にその小学校に通っていて、学校から早く帰った日はいつも

  桜横町に行って遊んでいたことが、ご本人のエッセイ「羊の歌」に書かれています。

 

  一部抜粋しますと。

  『桜横町には、男の子も、女の子も、文房具屋のおかみさんも、自転車で通るそば屋の小僧も、

  郵便配達もいたのである。学校に近かったから、道玄坂などとはちがって、半ば校庭の延長のよ

  うでもあり、しかし校庭とはちがって、町の生活ともつながっていた。

  私は二つの世界が交り、子供と大人が同居し、未知なるものが身近かなるものに適度の刺戟を

  あたえるその桜横町のひとときを好んでいた』

 

  車社会になった現代では、道路でなかなか見られない子供たちの情景だけに、大人も子供も混在

  しているそんな横町の賑わいが、羨ましいほど豊かなことのように思えました。 

  作者は戦時中、軍隊に徴兵されていたときに故郷の花満開の桜横町のことを思い出し、詩にした

  ということです。

  軍隊生活の中で、桜咲く横町の風景がいっそう華やかで幻想的な詩に昇華されたのでしょう。

 

  下の写真は、その桜横町の現在と歌碑。(渋谷区常盤松町)

      

              
                   (Yahoo画像より引用)
  

  評論家でもあり医学博士でもあった加藤周一さんは、本職のほかに詩や小説、エッセイなども

  発表されており、わたしも生前、著書の新聞広告欄などでしばしばお名前を拝見しました。

  あの加藤周一さんが「さくら横ちょう」の作詞者だったとは。

  多くの著作を遺して2008年に89歳で逝去されました。

 

        

 

  なお、加藤周一さんの「さくら横ちょう」の同じ詩で別宮貞雄さんが作曲された歌もあります。

  その他にも作曲したかたがいるようですけど、どういう曲なのかよく分かりません。

  みんな「さくら横ちょう」というタイトルです。

      

                         

                             

 

 

 

 

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