こんにちは
今日は、前回と同じくカッパドキア地方にある洞窟の民家を訪問したお話をしたい
と思います。
洞窟民家と言うと驚かれるかもしれませんが、カッパドキアには、巨大な岩石に造
った洞窟レストランや洞窟ホテルなども数あり、洞窟民家も珍しくはないのです。
日本にはない文化ですね。
日が暮れて、バスは閑散とした町はずれの集落に着きました。
↓ 下の写真は、洞窟民家の玄関先。女性は、この家の奥さまです。
何代にもわたって百年以上この家に住んできたというだけあって、改良を重ねてき
たのでしょう、見た目には洞窟という感じではありませんでした。
↓ まず、旅行客全員が客間に通され、温かいチャイやトルコのクッキーなどのおも
てなしを受けながら、奥さま自らの自己紹介や家族構成、洞窟の住居についての
お話などを聞きました。 わたしたちの質問にも答えてくださいました。
その後、家の中を見学。
いくらでも、どこでも見て自由に写真を撮っていいです、ということで、わたしたちの
ほうが戸惑うくらいに大胆なオープン・ハウスです。
写真では分かりづらいのですけど、この家の壁はすべて岩肌の上に石灰が塗り重
ねてあり、表面はデコボコしていました。
↓ 近所にお住まいの親戚の人たちも集まって来られて、チャイを出すお手伝いを
したり、男の人は隣室でテレビを観たり。
↓ ↑ トルコ絨毯ふんだんに。厚地のものは絨毯、薄地のものはキリムといいます。
ちなみにこの家に敷いてあるトルコ絨毯はすべて奥さまや娘さんたちのお手製だ
そうです。 壁には、お子さんたちの思い出の写真が。
洞窟って、冬は暖かくて夏は涼しいそうです。岩の中に住むのも古代からの知恵。
ここカッパドキアは標高1000mの高地です。
↓ 台所です。 オーブン付きのガスレンジもあり、水道も流し台もありました。
↓ 下は、岩を削った壁のインテリアです。
↓ お部屋の隅に、水キセルを入れた壺が。きっとご主人が喫われるのでしょう。
窓から夕暮れの外を見ますと、ここは何かの鉱山の町のようです。
こんな、見知らぬ土地の見知らぬお宅にいるなんて・・不思議な気分に。
↓ 二階建てですが中二階もあり、岩の形状次第なのか、ちょっと複雑な構造。
右手に見えているのは二階の床です。 気を付けないと石の階段に落ちてしまい
そう。 建材が岩なので、仕方のない面もあるのでしょう。
でも岩だからこそ、子孫の代になってもずっと建て替えをせずに住めるのです。
↓ トルコ絨毯を織る機織り機。
女の子は子供のときから母親に機織りを習い、この地方ではお嫁入りのときまでに
機織技術をしっかり身につけておくことが必須なのだそうです。
嫁いでからは、お姑さんの機織りのお手伝いをし、織り上がったトルコ絨毯は売って
その家の収入の足しにする。
なので、機織りの上手な娘さんは、すぐにお嫁入りが決まるとか。
↑ 彼女もまた、機織りをしながら四人のお子さんを育て上げ、今は息子さんのお嫁
さんと機織りをしているということでした。
手織りのトルコ絨毯の底辺はこういう女性たちが支えているのですね。
それにしても、岩盤を掘ってこれだけの住居を完成させるというのは、昔から開発
されてきたこの地方ならではの技術があるからなのでしょう。
さて、カッパドキアに二泊した後、かってのシルクロードをバスでひた走り、次
の都市へ向かいます。
この道も、ラクダに荷物を乗せたキャラバン(隊商)が歩いて通ったのですね。
途中、シルクロードのキャラバン・サライ(隊商宿)を見にゆきました。
次回はそのお話をしたいと思っています。キャラバンが泊まった昔のホテルです。
次回も是非、お出かけくださいね。