北イタリア旅行記(フィレンツェ・ウフィッツイ美術館)

2014-12-10 22:44:08 | 旅行 ・ 装飾吊り看板

 

  こんにちは。

  急に寒くなってきましたね。お部屋がなかなか暖まらないので、驚いています。

  みなさん、如何お過ごしでしょうか。

 

  今日はルネサンス発祥の地フィレンツェの3回目、ウフィッツイ美術館へ行きたい

  と思います。

  ちょうど今、上野の東京都美術館で「ウフィッツイ美術館展 黄金のルネサンス・ボ

  ッティチェッリからブロンヅィーノまで」が(12月14日まで)開催されていますので、

  ご覧になったかたもいらっしゃるかもしれませんけど。

  そのタイトルのとおり、ウフィッツイ美術館はイタリア・ルネサンスの絵画をたくさん

  所蔵しており、それが中核になっている美術館です。

  レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ボッティチェッリ、ラファエロなどなどルネサ

  ンス時代に活躍した多くの芸術家の作品が、84室までの展示室に並んでいました。

 

  ↓下の写真はウフィッツイ美術館の入場券です。

  印刷も消えかかっていて、手の平サイズの薄っぺらで簡素な入場券。

  でも、所持品や身体チェックは空港と同じくらい厳しいチェックでした。

        

 

  作品も厳重警戒かしらと思っていますと、意外にもオープン。

  絵の真近かまで進んで見ることができました。

  また、今年の一月に来たときには撮影禁止だったのですけど、何故か今回はフラ

  ッシュを焚かなければOKということで、全館許可されていました。

    

  ↓下の写真は廊下です。

  美術館らしくない造りになっているのは、もとはここはフィレンツェの行政の各官庁

  を一つの建物に収めるために建てられたオフィス(=ウフィッツイ)だったからです。

  16世紀の始めに、メディチ家のコジモ一世の命によって建設が始まりました。      

      

 

  メディチ家のコジモ一世は、第二次ルネサンスの後ろ盾となった人です。

  前回もお話ししましたように、メディチ家の経済的な支援を得て、ルネサンス(文芸

  復興)は15世紀の黄金時代を迎え、さらに16世紀の第二次ルネサンスへと大きく

  開花していったのでした。 

 

       

 

  ↓下の写真の右手の壁に掛かっている横に長い絵は、レオナルド・ダ・ヴィンチの

  有名な「受胎告知」。いつも人が集まっていまして、なかなか前に出にくい空気感。 

      

 

  ↓下は、ようやくその「受胎告知」の前で撮れた写真。 

  大天使ガブリエル(左)がひざまずいてマリアに、神の子を受胎したことを告げ、祝

  福しているシーン。張りつめたような厳しい写実描写に、マリアが置かれた厳しい

  現実が感じられ、それでいて美しく、素晴らしい絵だと思いました。       

      

  ↑このときの大天使ガブリエルの祝福の言葉が、「アヴェ・マリア(おめでとうマリア)」

  から始まり、「アヴェ・マリア」という歌にもなっています。

  ご存知のように、たくさんの画家が受胎告知の場面を描き、たくさんの作曲家が「ア

  ヴェ・マリア」を作曲しています。

  画面の後ろに4本描かれている細長い木は糸杉です。イエス・キリストを磔にした木材

  は糸杉の木だったという言い伝えがありますが・・。

  糸杉は死の象徴で、よく墓地に植えられているそうです。

  マリアはなんというたいへんな役割を背負った人だったのでしょう。

 

  ↓下は、サンドロ・ボッティチェッリの有名な「ヴィーナス誕生」(上)と「春」(下)。

  ボッティチェッリの絵画は、5室を使ってたくさん展示されていました。

  その上この時、上野の美術館にも貸し出していましたので、ボッティチェッリが描い

  た絵は全部メディチ家が買い上げたのでは、と思うほどです。 

      

 

      

 

  ↓下は、これも有名なラファエロの「ヒワの聖母」。右がイエスで左が幼い洗礼者

  ヨハネ。絵画に描かれるマリア像は必ず赤いドレスに青いローブを着ており、それ

  がマリアの象徴だそうです。

      

 

      

 

  ↓下は、ミケランジェロの「聖家族と幼い洗礼者聖ヨハネ」。

  ミケランジェロは本職は彫刻家ですけど、絵画も素晴らしい、万能天才なのですね。

  人間の頭が飛び出ている面白い額縁です。    

      

 

  ↓下は、2世紀中頃の古代彫刻「眠れるアリアドネー」。ギリシア大理石だそうです。

        

 

      

 

  ↓ウフィッツイ美術館の渡り廊下の窓から外を見ますと、美術館の二棟の建物と、

  正面右手にヴェッキオ宮殿、左手に赤いクーポラのあるドゥオーモ(大聖堂)が見え

  ました。

       

 

  ↓美術館のテラスでは、これもまた右にヴェッキオ宮殿、左にドゥオーモ。

  ヴェッキオ宮殿はお隣り。ドゥオーモまでは歩いて10分の近さです。

       

 

  ↓そしてアルノ川に架かるヴェッキオ橋も見下ろすことができました。

  ウフィッツイ美術館は、アルノ川の川岸に建っているのです。

      

  ↑ヴェッキオ橋の上はショッピングの繁華街になっていまして、主に宝石店が軒を

  連ねています。

  画面右手の赤い屋根の細長い建物はウフィッツイと接続している回廊。

  回廊はヴェッキオ橋の上部を通って川を渡り、さらに建物の中を通ってメディチ家

  の住居であったピッティ宮殿までつながっています。

  つまり、ウフィッツイとピッティ宮殿を屋根つきの回廊で結んでいるのです。

  その全長1km。「ヴァザーリの回廊」といいます。セキュリティ上は道路よりも安全。

   

  そして、この1kmの回廊にはたくさんの絵画や彫刻が並べられているそうで、メ

  ディチ家の人たちはその美術品を楽しみながら回廊を歩いて政務のオフィス(ウ

  フィッイ)との間を往復していたということです。  

  ルネサンスのスポンサーになるだけあって、よほど美術品の好きな一族だったの

  でしょう。

  また、このヴェッキオ橋は、プッチーニ作曲のオペラ「ジャンニ・スキッキ」の中の

  アリア「わたしのお父さん」でも歌われている有名な橋でもあります。

 

  インフルエンザが流行していますので、みなさんご注意くださいね。

  わたしは予防注射をしました。一年間有効だそうです。

  

                            

  

 

  

 

  

  


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