こんにちは
ゴールデンウィークも終わりました。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
今日は、以前旅行したスペインのラ・マンチャ地方の写真などを取り出してきました。
ラ・マンチャといえば、小説「ドン・キホーテ」の舞台になったことで有名な地方です。
ドン・キホーテが風車を敵と思い込んで、槍を掲げて突進していった奇想天外なシーンを覚えている
かたも多いことでしょう。
今回は、まさにそのシーンの舞台になった風車の丘、カンポ・デ・クリプターナへ行きたいと思います。
でも、若い子たちには「ドン・キホーテって、誰?」って訊かれそう。
今は、知らない人のほうが多いかもしれませんね。アニメにも登場していないようですし。
あのお店の名前のほうが有名かも・・ですね、きっと。
ミュージカル「ラ・マンチャの男」には登場しているのですけど。
ラ・マンチャ地方は、スペインのほぼ真ん中にある首都マドリードから、少し南下したあたりに広がる内
陸の広大な平原です。標高が高く、風の強い地方。
ラ・マンチャというのはラテン語で「乾いた大地」という意味だそうです。
なるほど、バスでラ・マンチャ地方に入ってゆくほどに↓下のように不毛かと思えるほどの乾燥してカラ
カラの赤茶けた農耕地ばかりが延々と続きました。
↑上の緑の木はスペイン名産のオリーブ。同じく丈夫なひまわりや小麦を選んで植えているそうです。
↓遥か丘の上に風車が見えてきました。
ドン・キホーテが槍をかざして突撃した丘、そして敵の巨人と妄想した風車。↓
↓下の写真、人が二人いますので、風車の大きさが大体お分かり頂けるかと思います。
巨人といえば巨人ですけど。
広大な丘に10基ほどの風車が点在していました。ドン・キホーテの時代には30基ほどあったそうです。
作者のセルバンテスは小説を書くときに何度もこのあたりを下見に来たということです。
「ドン・キホーテ」が初めて出版されたのは、1605年。日本では徳川家康の時代。
その時代の風車がまだ残っていたのです。頑丈な教会や宮殿ならともかく、吹けば飛ぶような風車が。
上の写真は、風車の後ろ姿。↑
この棒を使って、風向きの良い方向へ羽根を動かすのだそうです。
棒で円錐形の屋根を動かせば羽根も屋根ごと動くようになっているということでした。
羽根が回る動力で石臼が回り、粉を挽いていました。
↓どの写真も羽根が静止しているように見えますけど、皆ゆるやかに回っています。
風の音だけが聞こえる、何もない広大な丘の上でした。
さて、風車を敵の巨人と妄想して全速力で突撃したドン・キホーテは、羽根の勢いに吹き飛ばされて野
原を転がってゆき、敗北。
騎士道物語を読み過ぎて、現実と物語の区別がつかなくなってしまったドン・キホーテ。
世の中の不正を正すために立ち上がり、サンチョ・パンサを従えて正義の旅に出ているのです。
結果、次々に騒動を巻き起こしてゆくのですが。
ブロードウェイ・ミュージカルの「ラ・マンチャの男」は、この「ドン・キホーテ」が元になっていて、作者の
セバスチャンが主人公。劇中劇として「ドン・キホーテ」が演じられます。
日本版では松本幸四郎さんが主演のミュージカルで長く(1207回)上演されてきました。
今年10月に東京、大阪などでまた公演されることになっています。
そのポスターにこのカンポ・デ・クリプターナの風車群の写真が載っていました~
丘から町のほうへ降りてみました。かなりのアップダウンです。↓
こんなところにも風車が。↓
↓写真撮影用のサービスも。後ろから顔を出し、ドン・キホーテとサンチョ・パンサになって。
↓下の写真は、白壁に男性二人連れの絵が描いてありました。とてもスペインらしい白黒の壁絵。
ここは内陸ですから、夏は厳しい暑さです。
スペインは太陽の陽射しが強いので、反射させて建物の中の熱を下げるために外壁を白い石灰で塗っ
ているのだそうです。石灰は壁に虫が湧くのを防ぐ役割もしていると聞きました。
さて、カンポ・デ・クリプターナを後にして、次はドン・キホーテが泊まったという宿や作者のセルバンテス
がよく泊まった宿(現在はレストラン)などに立ち寄りました。
その時の写真はまた次回に~
↓レストランの外壁です。小説を書くセルバンテスと、ドン・キホーテとサンチョ・パンサのスケッチ。
最後に、カンポ・デ・クリプターナの風車群(全部で10基)の一部をYahoo画像からお借りして。
わたしが撮ってきた写真の中には綺麗に撮れているものがありませんでしたので。
風車群の全体像を撮るのは5基が限界かもしれません。後は、空からとか、特別の方法でないと。