母の忘れもの

軽度認知障害になった母の記録

何も変わらない父

2020-06-02 12:57:02 | 日記
母が認知症の病院に行き始めた頃
「できるだけうちで見ていってやりたいと思う」
と言った父

昔から抱いてきた父のイメージがちょっと変わった

父のイメージは
子供のことも家庭のことも全くかえりみない
母が体調悪くても自分の食事の用意をさせる
部屋が汚くなっても自分の回りだけ掃除機をかける
自分が一番の人だった

その父が母の事を思っての発言をしたことに驚いた
もしかしたら父なりに母を大切に思ってきたのかもと考えさせられた

しかし…

先日の土曜日
朝久しぶりに母がうちに来た
元気そうだが
もう夏日が続いていると言うのに
真冬の格好をしている
分厚い長袖のババシャツにニット系の服
分厚いズボン下の上に裏起毛のズボン
朝晩はまだ涼しいとはいえ
ありえない服装だ
ちなみに2週間前に会ったときも同じ格好をしていた
そのときも服の入れ替えしないとと話したけれど全然やってないようだった
「今日はやりなよ。来週からもっと暑くなるから」
と言ったがきっとすぐ忘れるとは思っていた
冷蔵庫のことも気になっていたが母の抵抗を受けながらの冷蔵庫掃除が嫌でその時は実家に足は向かなかった
さすがにもっと暑くなればやるんじゃないかという微かな希望もあった

夕方家族で外出していると父から電話があった

「Y子(母)が気持ちが悪いって寝込んでるがどうする?」と

どうやら昼から何も食べれず吐いていると言う

私「水分はとってるの?」
父「とってるんじゃないか?少しずつ飲んでるみたいだ」
私「夕飯も食べれないって?」
父「俺は買ってきて食ったけど食べれんらしい」

家に帰ってから娘と一緒に実家に行くと母は昼間いつもいる場所でクッションを抱えて横になっていた
熱は無さそうだ
娘に言って血圧を計ると下が108程の上が180程度だった
ちょっと高い様だが重症ではなさそうだ
「頭痛は?めまいとかするの?」と聞くと意外なほどにすっと体を起こす
「それはない」と普通に言う
少しするとまた気持ち悪いと横になりトイレに駆け込むときもあった
見た感じ寝たら翌日けろっとしそうなレベルだったので「水分だけはちゃんととってね」と言い、母が寝込んでるすきに冷蔵庫を片付けた
野菜室はやっぱりパンパンで腐ったものもたくさん入っていた
腐って水が出ているものは実家のゴミ箱に入れたがたくさんありすぎるものと期限切れで水のでないものはうちに持ち帰りまとめて処分することにした

父と母の事を少し話し合ったが
「もうマグロを3日も食べさせられたからもうマグロはやめてくれって言ったんだ」
だの
「今日はあんなんだから俺は自分の分買いに行ってもう食べたんだ」
だの
父の後ろを見ると自分の分の布団だけ敷いてある

「ママはごはんちゃんと食べれてるの?」
と聞くと
「まともに食べてないんじゃないか?昼は一緒に食べないし夜もちょこっと食べてすぐ終わるし」

母の認知症の診察に行くようになって2年たつのに母の様子を気にするでもなく努力するでも改善するでもなく母が寝込んでも布団を敷いてやるでもなくイオン飲料を買いに行くでもなく自分の分のごはんだけ買って自分の分の布団だけ敷いて父が母のためにしたのは私に電話をしただけ

父を見直したあのセリフも父がみてやりたいんじゃなく私にみさせたいって言う意味だったのか

やっぱり父は何も変わっていない

次の日実家に行ったら母は元気に
「何しに来たの?」と言った

母の服の引き出しを見たら全部真冬のものだったので「自分でやるからいい」という母を無視して服の入れ換えを強行した

そしてやっと地域包括センターに電話をした