昨夜は、Eテレ(旧NHK教育テレビ)で放送された<クラシック音楽館~荘村清志 ギターで巡る音楽の旅>を楽しんだ。
クラシックギタリストの荘村清志さんが東京都交響楽団と共演した演奏で、懐かしいスペインの香りに溢れていた。
荘村清志さんの演奏活動は45周年を迎えたそうだ。
大学生の頃、渋谷の東急文化会館(今はもう無い。ヒカリエになってしまった)の隣?にあった<リトルプレイハウス>で
初めて演奏を聴いた。当時「クラシックギター界のプリンス」と呼ばれていた荘村清志さん。カッコよかった。
帰り道、先輩の一人が「なんか、キザだよなあ...」と口惜しげにため息をついていたっけ。
今だって60歳代後半とは思えない。姿が美しい演奏家だ。
東京都交響楽団との共演曲は
スペインの盲目の作曲家ホアキン・ロドリーゴ( 1901年- 1999年)の
「ある貴紳のための幻想曲」「アランフェス協奏曲」「アンダルシア協奏曲」だった。
ホアキン・ロドリーゴも実際に見たことがある。
誰の「アランフェス協奏曲」の演奏だったか覚えていないけれど(多分イエペス)ロドリーゴご夫妻も来日していて、会場で
軽く挨拶された。目の見えない夫を献身的に支えていた奥さまの姿が今も目に浮かぶ。
「ある貴紳のための幻想曲」は、スペインのバロック音楽の作曲家、ガスパル・サンスの小品をもとにしている。
上品なのに親しみやすく、幻想的な雰囲気もある。ギターの巨匠セゴビアのために作られた曲だそうだが、私が持っているCDは
イエペスの演奏。
「アランフェス協奏曲」の第2楽章は甘く美しく、ポールモーリア・オーケストラが「恋のアランフェス」というタイトルで
演奏してヒットした。
でも私は第1楽章が好きだった。フラメンコのブレリアのリズム~1・2・3、1・2・3、1・2、1・2、1・2~が取り入れられていて、
とても心地良い。
好きだった...と過去形で書いたのは少し苦い思い出があるから。
以前在籍していたギター合奏団で「アランフェス協奏曲」の第1楽章を演奏したことがある。トップギタリストがギターソロ、
私たちはギター用に編曲されたオーケストラのパートを弾いた。
外部から指揮者も呼んで練習は順調に進んだが、本番でトップギタリストの指が動かなくなった。この日の演奏のために、懸命に
練習しすぎたせいだった。後ろで弾いていた私も辛かったが、本人はもっとずっと辛かったろう。プロを目指している人だったから。
それから、その人の心は少しずつ病んでいった。
その人だけではない、あの合奏団が持っていた自負心や矜持が、私には重くなっていった。
あーあ、忘れていたのに思い出しちゃった。
今、私は楽しくギターを弾いている。自負心や矜持とは無関係に淡々と練習に励むサークルと、自負心と矜持はあっても軽やかな
合奏団と、ジャンルの違う演奏をする陽気なグループと、3つの場所で頑張っている。
「アンダルシア協奏曲」は初めて聴いた。オーケストラとギター4本。
スペインの有名なギター・ファミリー<ロメロ一家>の父親と3人の息子のために作曲された。
荘村清志、福田進一、鈴木大介、大萩康司という、年代は違えども日本を代表するギタリストたちが登場。うわ、贅沢。
第1・第3楽章は、南スペインらしい明るく軽快なリズム。メランコリックな第2楽章も良い。でも私の聴き方が悪かったのかな、
オーケストラの音の方が勝っていて、ギター重奏の良さがあまり伝わらなかった。
次のギター4重奏<ボッケリーニのファンダンゴ>でスッキリ決まった。こんなふうにカッコよく重奏ができたらいいなあ。
アンコールは荘村さんの「アランブラ宮殿の思い出」。目を閉じてじっくりと奏でている。
歳月...。歳月は、音楽と共に流れていく。
演奏曲
「歌劇“ゴイェスカス”から間奏曲(グラナードス)」
(管弦楽)東京都交響楽団、(指揮)大友直人
「ある貴紳のための幻想曲(ロドリーゴ)」
(ギター)荘村清志、(管弦楽)東京都交響楽団、(指揮)大友直人
「アランフェス協奏曲(ロドリーゴ)」
(ギター)荘村清志、(管弦楽)東京都交響楽団、(指揮)大友直人
「バレエ組曲“三角帽子”から第2部(ファリャ)」
(管弦楽)東京都交響楽団、(指揮)大友直人
「アンダルシア協奏曲(ロドリーゴ)」
(ギター)荘村清志、(ギター)福田進一、(ギター)鈴木大介、(ギター)大萩康司、(管弦楽)東京都交響楽団、(指揮)大友直人
「序奏とファンダンゴ(ボッケリーニ)」
(ギター)荘村 清志、(ギター)福田 進一、(ギター)鈴木 大介、(ギター)大萩 康司
「アランブラ宮殿の思い出(タレガ)」
(ギター)荘村 清志
クラシックギタリストの荘村清志さんが東京都交響楽団と共演した演奏で、懐かしいスペインの香りに溢れていた。
荘村清志さんの演奏活動は45周年を迎えたそうだ。
大学生の頃、渋谷の東急文化会館(今はもう無い。ヒカリエになってしまった)の隣?にあった<リトルプレイハウス>で
初めて演奏を聴いた。当時「クラシックギター界のプリンス」と呼ばれていた荘村清志さん。カッコよかった。
帰り道、先輩の一人が「なんか、キザだよなあ...」と口惜しげにため息をついていたっけ。
今だって60歳代後半とは思えない。姿が美しい演奏家だ。
東京都交響楽団との共演曲は
スペインの盲目の作曲家ホアキン・ロドリーゴ( 1901年- 1999年)の
「ある貴紳のための幻想曲」「アランフェス協奏曲」「アンダルシア協奏曲」だった。
ホアキン・ロドリーゴも実際に見たことがある。
誰の「アランフェス協奏曲」の演奏だったか覚えていないけれど(多分イエペス)ロドリーゴご夫妻も来日していて、会場で
軽く挨拶された。目の見えない夫を献身的に支えていた奥さまの姿が今も目に浮かぶ。
「ある貴紳のための幻想曲」は、スペインのバロック音楽の作曲家、ガスパル・サンスの小品をもとにしている。
上品なのに親しみやすく、幻想的な雰囲気もある。ギターの巨匠セゴビアのために作られた曲だそうだが、私が持っているCDは
イエペスの演奏。
「アランフェス協奏曲」の第2楽章は甘く美しく、ポールモーリア・オーケストラが「恋のアランフェス」というタイトルで
演奏してヒットした。
でも私は第1楽章が好きだった。フラメンコのブレリアのリズム~1・2・3、1・2・3、1・2、1・2、1・2~が取り入れられていて、
とても心地良い。
好きだった...と過去形で書いたのは少し苦い思い出があるから。
以前在籍していたギター合奏団で「アランフェス協奏曲」の第1楽章を演奏したことがある。トップギタリストがギターソロ、
私たちはギター用に編曲されたオーケストラのパートを弾いた。
外部から指揮者も呼んで練習は順調に進んだが、本番でトップギタリストの指が動かなくなった。この日の演奏のために、懸命に
練習しすぎたせいだった。後ろで弾いていた私も辛かったが、本人はもっとずっと辛かったろう。プロを目指している人だったから。
それから、その人の心は少しずつ病んでいった。
その人だけではない、あの合奏団が持っていた自負心や矜持が、私には重くなっていった。
あーあ、忘れていたのに思い出しちゃった。
今、私は楽しくギターを弾いている。自負心や矜持とは無関係に淡々と練習に励むサークルと、自負心と矜持はあっても軽やかな
合奏団と、ジャンルの違う演奏をする陽気なグループと、3つの場所で頑張っている。
「アンダルシア協奏曲」は初めて聴いた。オーケストラとギター4本。
スペインの有名なギター・ファミリー<ロメロ一家>の父親と3人の息子のために作曲された。
荘村清志、福田進一、鈴木大介、大萩康司という、年代は違えども日本を代表するギタリストたちが登場。うわ、贅沢。
第1・第3楽章は、南スペインらしい明るく軽快なリズム。メランコリックな第2楽章も良い。でも私の聴き方が悪かったのかな、
オーケストラの音の方が勝っていて、ギター重奏の良さがあまり伝わらなかった。
次のギター4重奏<ボッケリーニのファンダンゴ>でスッキリ決まった。こんなふうにカッコよく重奏ができたらいいなあ。
アンコールは荘村さんの「アランブラ宮殿の思い出」。目を閉じてじっくりと奏でている。
歳月...。歳月は、音楽と共に流れていく。
演奏曲
「歌劇“ゴイェスカス”から間奏曲(グラナードス)」
(管弦楽)東京都交響楽団、(指揮)大友直人
「ある貴紳のための幻想曲(ロドリーゴ)」
(ギター)荘村清志、(管弦楽)東京都交響楽団、(指揮)大友直人
「アランフェス協奏曲(ロドリーゴ)」
(ギター)荘村清志、(管弦楽)東京都交響楽団、(指揮)大友直人
「バレエ組曲“三角帽子”から第2部(ファリャ)」
(管弦楽)東京都交響楽団、(指揮)大友直人
「アンダルシア協奏曲(ロドリーゴ)」
(ギター)荘村清志、(ギター)福田進一、(ギター)鈴木大介、(ギター)大萩康司、(管弦楽)東京都交響楽団、(指揮)大友直人
「序奏とファンダンゴ(ボッケリーニ)」
(ギター)荘村 清志、(ギター)福田 進一、(ギター)鈴木 大介、(ギター)大萩 康司
「アランブラ宮殿の思い出(タレガ)」
(ギター)荘村 清志