昨日☆今日☆明日~金曜日のピュ

私の毎日と心に浮かんだこと

ギター全開

2013-07-21 13:06:27 | ギター合奏・ギター仲間
昨年からお世話になっているギター教室の合奏団が
この秋の合奏フェスティバルで演奏する曲の楽譜が全て出来上がった。
完成遅すぎの感もあるけれど、クラシックの大曲を制限時間の8分以内にまとめ
ソプラノ・アルト・プライム・バス、そして先生の8弦ギター、
それぞれ異なる10のギターパートに分けるのは、どんなに大変な作業だったろう。
出来上がった個所から少しずつ練習を重ねてきたが、昨夜はじめて全部を通して弾いた。
ううう、感激。先生、お疲れ様でした!
大好きな曲なのだ。この合奏の話が出るずっと前から携帯の着メロにしていた。
10月末のギター合奏フェスタまで、どれだけシゴかれ叱られるだろう。
合宿もある。オバサンの青春ね。

青春といえば、先週は地元のYギター合奏団の合宿があった。
一度は「物足りない」と退会したこともある。
今は言いたいことを言い合って曲を作っている。
深夜まで続いたギター談義も楽しかった。
11月には2年に一度の定期演奏会がある。


ほかにもたくさんの合奏曲・重奏曲を抱えている。
一つ一つの曲に愛着がある。どの曲も、どの人間関係も疎かにしたくない。
大忙しだけれど、一度きりの人生だから、踊らにゃ損・損…


最後に。
今日は参議院選挙日だ。
与党圧勝の下馬評…。それでいいの?って思う。
彼らは臭いものに蓋をして、原発再稼動を狙っているよ。
あの不幸な出来事は、これからの日本を考え直すきっかけになったのに
何も変わらないまま過ぎてしまうのだろうか。
原発再稼動を念頭に置いているから、代替エネルギーの研究や開発が進まない。
私はもういい。これだけ生きたのだから、放射能にまみれて死んでも。
でも生まれたばかりの小さな孫を、目に見えない危険にさらすのは
やめてください。

人生の番外編

2013-07-12 20:18:19 | ギター・ギター音楽
JR山手線はグルグル回っている線だから始まりも終わりも無いのだけれど
西武池袋線の椎名町や練馬で育った私にとっては、池袋が始発駅みたいな
ものだった。
池袋→目白→高田馬場…、高校は渋谷にあったから渋谷駅が終着駅。
大学生になって2駅先の目黒が終点になった。
大学2年の夏休みだったか、さらに先の品川でアルバイトをしたことが
あった。当時の品川には工場が沢山あって、地の果ての街のような気がした。
もう30年以上も昔の話だ。


そんな私だったから、池袋の一つ手前の(手前という表現は適切ではないが)
大塚駅は名前だけの存在にすぎなかったが、大学2年か3年の頃、
新聞で<ギター音楽鑑賞会>の仲間募集記事を見つけた。
会場は大塚駅の近くのマイ・スタジオというところだった。
以来、月に1~2度、大塚に足を運ぶのが私の密かな楽しみになった。
大学ではクラシックギター研究会に所属して、ギターを弾いたり恋をしたり
お酒を飲んだりしていたが、そことはまた違う世界を持っていることが
何だか誇らしかった。
(私には元来、「ここ」ではない別の世界を持つことへの嗜好があるらしい。
そんなワケで今も、それぞれ何の関わりもないギター合奏団に3つも4つも
所属している)


「ギター音楽鑑賞会」を主宰していたのはマイ・スタジオのオーナーのA氏で
A氏は、さる大企業の部長さんだった。
10年前に合奏でギター復帰してから、クラシックにせよフラメンコにせよ
有能な企業戦士のギター愛好家に何人も出会っている。
どの人も凄腕の見識家で、舌を巻くが、A氏のように自宅にスタジオを設け
何百枚ものレコードコレクションを持つほど造詣の深い趣味人には
お目にかかったことがない。


駅の雑踏を離れ、小道を入ったところにA氏の邸宅はあった。スタジオは
手入れの良い庭に面していた。
毎回、秘蔵のレコードが選び出され、美味しい紅茶とクッキーをいただきながら
ギター音楽に耳を傾けた。優雅で心安まるひとときだった。
誰のどんな演奏を聴かせていただいたのか、悲しいほど記憶にない。
A氏の静かな口調で語られた、音楽や演奏家にまつわる話も…。
髪の毛フサフサのイエペスの写真が載ったLPのジャケットを覚えているだけだ。
ちゃんと記録をとっていれば、あとあとまで財産になったのに、
女子大生の私には、ただ心地よい風のように時間が過ぎて行くだけだった。


マイ・スタジオでは時おり小さなコンサートも開かれた。
演奏家であり研究家でもあった石月一匡先生にお会いしたのもここだった。
集まるメンバーも個性的だった。A氏が絶賛するギターの腕前の青年もいたし
ギター製作家もいた。
サラリーマンもいたし、私のような学生もいた。


余談
ある冬の夕暮れどき。前日に降った雪が凍って、大塚駅前の路面は
滑りやすくなっていた。
私はすでに社会人になっていて、まだマイ・スタジオに通っていた。
流行りのハイヒールで凍った道を歩くのは無謀だった。
道の途中で足がすくんでしまった私の腕を取って、支えてくれた人がいた。
マイ・スタジオで出会った青年だった。
ワタシ、あのとき「これは永遠につながる運命の一瞬だ」と思いましたね…。
一瞬の誤解でしたが。


マイ・スタジオで出会った人たちは誰一人として、今の私の人生に残っていない。
記録も写真も無い。ただ思い出だけがある。
あれはA氏が紡いでくださった幻の時代だったような気もする。


大塚、マイ・スタジオ。
私の人生の番外編として、心に留めよう。


ネタバレあります<オブリビオン>

2013-07-05 01:38:47 | 音楽・演劇・絵画・映画
もうすぐパソコンを修理に出すので、今のうちに書いとこ。 ネタバレあります(勝手な想像あります)。

一番新しく入ったギター合奏団の熟女(オバチャマ)3人で重奏ユニットを結成した。
最初の演奏曲は「タンゴ界の革命児」というキャッチフレーズが言い古されたアストル・ピアソラの<オブリビオン~忘却>。
切なく重く、セピア色の遠い過去をジッと見つめているようなメロディーは熟女たちにピッタリ…などと悦に入っていたら、
テレビから「オブリビオーン」と渋い声が響いてきてビックリ。同名の映画の宣伝だった。

そもそも<オブリビオン>とは何語なのか…と気になっていた。ピアソラはアルゼンチン人だけれどスペイン語にoblivionという
言葉は無い。ラテン語?ギリシア語?この不思議な響きが英語であろうはずがないと思っていたら英語だったので少し白けた。
とはいえタイトルが魅力的なので、この映画を観ることにした。

あまり新しいものは観ないのでトム・クルーズの映画は<レインマン><マグノリア><インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア>
<バニラ・スカイ>くらいしか知らない。にやけたハンサム兄ちゃん…という印象だったが、もう50歳なんだ。


<オブリビオン>
暗くミステリアスな雰囲気の人間ドラマだと勝手に思い込んでいた。

空に浮かぶ無機質でスタイリッシュな住居に暮らすジャック(トム・クルーズ)は、最高のパートナー・ヴィクトリアと共に、
エイリアンを監視している。
時は2077年。
エイリアン・スカヴの襲撃を受けた地球は、戦いに勝利したものの環境は壊滅的。生き残った人間たちはタイタン(土星)に移住
している。ジャックとヴィクトリアは地球に残って「後始末」をしている訳だが、その任務期間もあと僅か。ヴィクトリアは任務を終え
タイタンに行く日を心待ちにし、一方ジャックは破壊を免れた地域を探しては昔の地球を懐かしんでいる。
任務に記憶は要らない…と二人は記憶を消されているが、ジャックには過去の地球をいとおしむ心が残っている。
彼の脳裏に時おり現れる美しい女性は誰??

とまあ話はありがちなSFで、どこかで見たようなハイテク戦闘機が飛び回る。
オバサマ心をくすぐるオブリビオン的ほの暗さは見当たらない。

と思いきや、ある日、空から宇宙船が落ちてくる。そこには60年の低温睡眠している女性のカプセルがあった。その顔を見たジャックは
驚く。時おり脳裏に浮かぶあの女性の顔だった。
蘇生した女性ジュリアによってジャックは記憶を取り戻す。かつてエンパイアステートビルの屋上で、ジャックはジュリアに求婚した。
二人は夫婦だったのだ。って、おかしいじゃないですか。
ジュリアが低温睡眠のおかげで60年前の姿を保っているのは良いとして、80歳~90歳になっているはずのジャックも若いまま。
 忘却の記憶

驚きの事実①
実は地球はエイリアン・スカヴと戦いもしなかったし勝利もしなかった。「別の敵~本物の敵」に侵略されていた。ジャックたちが
スカヴだと思い込んで監視していたのは、生き残った人間たちだった。もちろん移住先タイタンなど存在しない。
ジャックとヴィクトリアは敵に取り込まれ、記憶を消され、偽の情報をすりこまれ、同胞たちを根絶やしにしようとしていたのだ。

驚きの事実②
実はジャックは本当のジャックではなかった。オリジナル・ジャックは60年前、ヴィクトリアと共に敵に捕らえられてしまった。
そのとき妻のジュリアをカプセルに入れて逃がしたのだ。捕らえられたジャックとヴィクトリアは優秀であったがため、敵はこの2人を
基にしてクローン人間を何千と製造した。
何千人ものクローン・ジャックとクローン・ヴィクトリアは、敵の思うがまま、愛する地球を破壊し人間たちを殺戮した。
オリジナルのジャックとヴィクトリアは、たぶん殺されたのだろう。

切ない話
ヴィクトリアは妻のいるジャックを愛していた。その愛はクローン・ヴィクトリアにも受け継がれていたが、妻ジュリアの登場に
よって悲しい結末となる。「私とジャックはもう、最高のパートナーではなくなった」と告白したクローン・ジュリアは
抹殺される。クローンなんて、いくらでも代わりがいるのだから。
 ヴィクトリア

結末
全てを知ったクローン・ジャックは、生き残りの人間たちと共に「敵」と戦う決意をする。
彼は他のクローンとは違う、人間のハートを持つ特別なクローンだったといえる。
生き残りのリーダー(モーガン・フリーマン)と共に爆弾を抱えて「敵」の本部に乗り込むクローン・ジャック。
(このラストは「鉄腕アトム」の最期に似ている~自らの命を捨てて地球を救うのデス)
 この俳優さん、好きだな。


地球に平和が戻り、残されたジュリアは子供を産む。この子はオリジナル・ジャックの子なのか、クローン・ジャックの子なのか
分からないけれど。。。
そこへ別のクローン・ジャックが現れる。彼もまた、オリジナル・ジャックの心を受け継いだ特別なクローン・ジャックだった。
きっとジュリアと子供を守って生きるのだろう。おしまい。

ということで、ただのSFアクションではないことは判明。
でもアストル・ピアソラの<オブリビオン>を聴きながら、私は思う。
トム・クルーズにピアソラは似合わない。全然。