土曜日は久しぶりに千葉のフラメンコギターサークルの例会へ。
毎月参加したいのだけれど、スペイン語クラスの担当日と重なってしまうのが残念だ。
新しいメンバーや見学者も加わって、これまでで最高の10名になった。
高級外車に高価なギターを積んで集まってくるリッチで凄腕の方々だが、ギターにかける情熱は少年みたい。
練習曲目選定委員さんの工夫で、練習内容も充実している。
今回は、昨年他界されたフラメンコギタリストの松坂美樹先生編曲の<グアヒーラ3重奏>を採用していただいた。
<グアヒーラ>は、キューバで働いていたスペイン人労働者たちがスペインに持ち帰り、フラメンコのレパートリーとなった曲。
南国のゆったりとした雰囲気と、どことない哀愁が魅力的だ。
松坂先生の雑然としたスタジオで、フラメンコギターの初歩を習ったのは7~8年前になる。
先生のシンプルで明るい<グアヒーラ>が、5月の爽やかな午後によみがえって嬉しかった。
今月から、一人ひとりが「主役」になって演奏する時間が設けられ、私もへなちょこ独奏をした。すぐに忠告が飛んできた。
ラスゲアードがぐしゃぐしゃしている...。一本一本の指がしっかりと弦をはじかなくてはならないのに、私のは指が弦の表面を
なでているだけなのだ。で、企業秘密の練習方法を教えていただいた。
帰宅後、夕食の支度もそこそこに、お教室の合奏団の練習会へ。11月のギター合奏フェスティバルで演奏する曲はとても美しい。
ここでも指の力が足りなくて弾ききれない個所がある。隣の席の凄腕氏がアドバイスをしてくれた。
これまで、そんなに無理をしなくても弾ける合奏を楽しんできただけなので、私には基礎力というものが全く無く
最近は、いろいろな指摘を受けヘコむことが多い。この年になって無理がきくだろうか...と不安にもなる。
でも凄腕さんたちに囲まれて2重奏、3重奏、合奏、そして独奏にも挑戦できるのは幸せ。
...と気持ちも盛り上がった翌・日曜日は<カディスの赤い星コンサート>へ。
案内役の逢坂剛先生の軽妙なトークとメインギタリストの沖仁さんのギター、そして大物ゲストの演奏が楽しみなこのフラメンコ
コンサートは2008年に始まり、第六回目を迎えた。
今回のゲストはロシア出身のフラメンコギタリスト、グリーシャさん。
往年のフラメンコギタリストたちのレパートリーをバリバリ演奏するという。
独奏としてのフラメンコギター曲は、基本の形式はあるにせよ、巨匠たちが独自の世界を繰り広げるもの(ジャズのアドリブ演奏
みたいな)。それぞれの個性と超絶技巧をコピー演奏するのは神業に近いのに、グリーシャさんはなんなく弾きこなしていた。
最初の巨匠はサビーカス。私が学生だった頃、先輩たちが手本にしていた大御所のギタリストだ。
演奏された<ファルーカ>も<ソレア>も<グアヒーラ>も、いつかどこかで聴いたことがある。バッハやビートルズと同じように
いつの間にか私の心に刷り込まれていた。
当時付き合っていた人がサビーカスのコンサートに連れて行ってくれたような気がする(記憶曖昧)。
2本の弦を絡めてドラムのような音を出す奏法の曲があって、面白いと感じたことだけ覚えている。
フラメンコ界の大巨匠だということは意に介していなかった。
サビーカス 当時はクレイジーキャッツの桜井センリにそっくりだと思っていた。今もそう思う。
続いてマノロ・サンルーカルの<サパテアード>。出だしを聴いたとたん胸がいっぱいになる。
私はやはりサンルーカルが一番好きだ。初めて訪れたスペインのバスの中、運転手さんがずっとサンルーカルのカセットテープを
かけていた。スペインの抜けるような青空と広い大地の間を走りながら聴いていたサンルーカル。今も感動は変わらない。
今回演奏の巨匠たちの中で、存命なのはサンルーカルだけ。逢坂先生、次回はサンルーカルを呼んでください!!!!
Manolo Sanlucar plays zapateado Flamenco
マノロ・サンルーカル<サパテアード>
Grisha Goryachev plays Zapateado by Manolo Sanlucar (2012)
グリーシャの<サパテアード>
エスクデーロの<インペトゥ~impetu 情熱~>。これもお馴染みの名曲。パコ・デ・ルシアも弾いていた熱い曲。
そしてパコ・デ・ルシアの再現。
このコンサートのテーマでもある「パコ・デ・ルシア追悼」に捧げられた演奏は、<コロンビアーナ><ファンダンゴ><ブレリアス>、
そして<アルモライマ(ブレリアス)>。
足を組み、ちょっと胸をそらした自信満々の演奏スタイルが目に浮かんだ。フラメンコ界の新風だった人は、歳月と共に古典となり、
急ぎ足で逝ってしまった。
PACO DE LUCIA: "Almoraima"
アルモライマ
沖仁さんとの2重奏、パコ・デ・ルシアの<二筋の川~entre dos aguas>で追悼コンサートの演目は終了。息詰まる迫力の2重奏に
逢坂先生から「殴り合いみたいだったね。」と一言。
大迫力のコンサートの最後に、ご自分のギター演奏を披露する逢坂先生ってホント可愛い先生だと思う。腕は確かなのだけれど
カンテ(唄)の女性と打ち合わせ不足だったり...。とはいえ、日本のカンテはレベル高く、満足のお開き。
最後になってしまったが、沖仁さんの演奏も感動的だった。初めて沖仁さんの演奏を聴いたときはクールで現代的な印象を受けた。
今は深みも温かみも感じる。
クラシックギターを長く学んだグリーシャさんの音が美しくてクリアだったせいか、少し元気がなく聴こえてしまったのは気のせい?
でも沖仁さんのオリジナル曲は、巨匠たちの名曲のように、いずれレジェンダになるような気がする。
というところでレポート終了。
今回はスポンサーがつかなかったため、このコンサートのテレビ放映は無いそうです。行ったもの勝ち。
毎月参加したいのだけれど、スペイン語クラスの担当日と重なってしまうのが残念だ。
新しいメンバーや見学者も加わって、これまでで最高の10名になった。
高級外車に高価なギターを積んで集まってくるリッチで凄腕の方々だが、ギターにかける情熱は少年みたい。
練習曲目選定委員さんの工夫で、練習内容も充実している。
今回は、昨年他界されたフラメンコギタリストの松坂美樹先生編曲の<グアヒーラ3重奏>を採用していただいた。
<グアヒーラ>は、キューバで働いていたスペイン人労働者たちがスペインに持ち帰り、フラメンコのレパートリーとなった曲。
南国のゆったりとした雰囲気と、どことない哀愁が魅力的だ。
松坂先生の雑然としたスタジオで、フラメンコギターの初歩を習ったのは7~8年前になる。
先生のシンプルで明るい<グアヒーラ>が、5月の爽やかな午後によみがえって嬉しかった。
今月から、一人ひとりが「主役」になって演奏する時間が設けられ、私もへなちょこ独奏をした。すぐに忠告が飛んできた。
ラスゲアードがぐしゃぐしゃしている...。一本一本の指がしっかりと弦をはじかなくてはならないのに、私のは指が弦の表面を
なでているだけなのだ。で、企業秘密の練習方法を教えていただいた。
帰宅後、夕食の支度もそこそこに、お教室の合奏団の練習会へ。11月のギター合奏フェスティバルで演奏する曲はとても美しい。
ここでも指の力が足りなくて弾ききれない個所がある。隣の席の凄腕氏がアドバイスをしてくれた。
これまで、そんなに無理をしなくても弾ける合奏を楽しんできただけなので、私には基礎力というものが全く無く
最近は、いろいろな指摘を受けヘコむことが多い。この年になって無理がきくだろうか...と不安にもなる。
でも凄腕さんたちに囲まれて2重奏、3重奏、合奏、そして独奏にも挑戦できるのは幸せ。
...と気持ちも盛り上がった翌・日曜日は<カディスの赤い星コンサート>へ。
案内役の逢坂剛先生の軽妙なトークとメインギタリストの沖仁さんのギター、そして大物ゲストの演奏が楽しみなこのフラメンコ
コンサートは2008年に始まり、第六回目を迎えた。
今回のゲストはロシア出身のフラメンコギタリスト、グリーシャさん。
往年のフラメンコギタリストたちのレパートリーをバリバリ演奏するという。
独奏としてのフラメンコギター曲は、基本の形式はあるにせよ、巨匠たちが独自の世界を繰り広げるもの(ジャズのアドリブ演奏
みたいな)。それぞれの個性と超絶技巧をコピー演奏するのは神業に近いのに、グリーシャさんはなんなく弾きこなしていた。
最初の巨匠はサビーカス。私が学生だった頃、先輩たちが手本にしていた大御所のギタリストだ。
演奏された<ファルーカ>も<ソレア>も<グアヒーラ>も、いつかどこかで聴いたことがある。バッハやビートルズと同じように
いつの間にか私の心に刷り込まれていた。
当時付き合っていた人がサビーカスのコンサートに連れて行ってくれたような気がする(記憶曖昧)。
2本の弦を絡めてドラムのような音を出す奏法の曲があって、面白いと感じたことだけ覚えている。
フラメンコ界の大巨匠だということは意に介していなかった。

続いてマノロ・サンルーカルの<サパテアード>。出だしを聴いたとたん胸がいっぱいになる。
私はやはりサンルーカルが一番好きだ。初めて訪れたスペインのバスの中、運転手さんがずっとサンルーカルのカセットテープを
かけていた。スペインの抜けるような青空と広い大地の間を走りながら聴いていたサンルーカル。今も感動は変わらない。
今回演奏の巨匠たちの中で、存命なのはサンルーカルだけ。逢坂先生、次回はサンルーカルを呼んでください!!!!
Manolo Sanlucar plays zapateado Flamenco
マノロ・サンルーカル<サパテアード>
Grisha Goryachev plays Zapateado by Manolo Sanlucar (2012)
グリーシャの<サパテアード>
エスクデーロの<インペトゥ~impetu 情熱~>。これもお馴染みの名曲。パコ・デ・ルシアも弾いていた熱い曲。
そしてパコ・デ・ルシアの再現。
このコンサートのテーマでもある「パコ・デ・ルシア追悼」に捧げられた演奏は、<コロンビアーナ><ファンダンゴ><ブレリアス>、
そして<アルモライマ(ブレリアス)>。
足を組み、ちょっと胸をそらした自信満々の演奏スタイルが目に浮かんだ。フラメンコ界の新風だった人は、歳月と共に古典となり、
急ぎ足で逝ってしまった。
PACO DE LUCIA: "Almoraima"
アルモライマ
沖仁さんとの2重奏、パコ・デ・ルシアの<二筋の川~entre dos aguas>で追悼コンサートの演目は終了。息詰まる迫力の2重奏に
逢坂先生から「殴り合いみたいだったね。」と一言。
大迫力のコンサートの最後に、ご自分のギター演奏を披露する逢坂先生ってホント可愛い先生だと思う。腕は確かなのだけれど
カンテ(唄)の女性と打ち合わせ不足だったり...。とはいえ、日本のカンテはレベル高く、満足のお開き。
最後になってしまったが、沖仁さんの演奏も感動的だった。初めて沖仁さんの演奏を聴いたときはクールで現代的な印象を受けた。
今は深みも温かみも感じる。
クラシックギターを長く学んだグリーシャさんの音が美しくてクリアだったせいか、少し元気がなく聴こえてしまったのは気のせい?
でも沖仁さんのオリジナル曲は、巨匠たちの名曲のように、いずれレジェンダになるような気がする。
というところでレポート終了。
今回はスポンサーがつかなかったため、このコンサートのテレビ放映は無いそうです。行ったもの勝ち。