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昨日☆今日☆明日~金曜日のピュ

私の毎日と心に浮かんだこと

夏の名残りの澤乃井の酒

2011-09-13 10:17:30 | お酒
新内閣が発足して10日とたたないうちに鉢呂経済産業相の失言。「放射能つけちゃうぞ」って本当に言ったのだろうか。
放射能イジメをする子供のレベル。政治家が人格者でないことは分かった。せめて政治をしてほしい。その失言のせいで
「任命責任がどうの」と野党が騒ぎ出す。本当に話し合わなければならないことが、また置き去りにされる。
鉢呂さんは責められるべきだけれど、マスコミも火を付けて面白がっているとしか思えない。本当に追及すべきは何なのか
忘れている。
もし放射能に色が付いていたら、空気や海やスーパーマーケットで売られている食品はどんな色をしているのだろう。

友人から「十五夜、見た?」とメールが来て慌てて外に飛び出した。近視&乱視なので、月がボンヤリ2つ重なり合って見える。
眼鏡を取りに戻る。冴え冴えとした良い月だった。このところ空も雲も美しい。頭の中から<放射能>の三文字を消しさえすれば、
夏の終わりは美しい。

土曜日、過ぎゆく夏を感じてきた。奥多摩の緑、渓谷の川音、そして戸外で味わう冷えた日本酒…。
大学時代の先輩や友人は、いつも素敵な旅を企画してくれる。今回は奥多摩の澤乃井酒蔵を訪ねる一日。

乗り換えのために青梅駅に降りるとクラシックな待合室があった。窓枠やベンチの細工がレトロ。懐かしい映画<駅馬車>
<ロミオとジュリエット>の看板が飾ってある。

「駅馬車のテーマはどんな曲だっけ」 ちょっと口ずさんでみる。たぶん違うな、これは<荒野の七人>だ。
「布施明って、どうしてオリビア・ハッセーと結婚できたんだろうね?」…などと私たちの年代ならではの話題も飛び出す。
青梅は古い映画の看板がたくさん並んでいる古くてアートな町なのだそうだ。今度ゆっくり行かなくちゃ。

沢井駅で降りる。緑の山々に囲まれた小さな駅だ。ここはまだ東京都なんだろうか。空が抜けるように青い。
駅を出るとすぐに澤乃井園がある。日本酒を造っている酒蔵はもちろん、渓谷を臨む庭や、レストラン・売店もあって、
気持ちの良い時間が過ごせる。

S先輩が11時からの酒蔵見学を申し込んでおいてくれた。社員さんの案内で蔵の中に入ると、空気がひんやりとして麹の
匂いがする。大きな貯蔵甕が並んでいる。

東京都の蔵元は10ほどしかなくて殆どは西東京に集まっている。全国で一番酒蔵が多いのは新潟県。次いで長野、兵庫…
長野県が意外に健闘している(そっか、真澄があるよね)…など豆知識を頭に詰め込みながら、早く飲みたいな…と思う。
日本酒の命はお米と水。輝くように美しく透明な仕込み水は洞窟の奥にあった。入口には、しめ縄が張られている。
お酒は自然と神と人間が共同で作るものなのだ。
最後は、この時期だけ飲むことのできる<ひやおろし>を大きめのおちょこで試飲する。ひと夏を過ごした酒は味わい深い。

レストランが混んでいたので、庭の丸テーブルで食事。先ほどの<ひやおろし>ともう一本、6人で瞬く間に飲み干した。

夏の最後のあがきのように暑い日だったから、冷酒が格別美味しかった。
それから、試飲コーナーで大吟醸酒や古酒を飲む。大吟醸酒はおちょこ一杯500円もする。すでに酔っていたせいか、もう1つ
感動が無かった。やはり高いお酒は最初に飲まないといけない。古酒は普通の日本酒とは違う枯れた味わい。

昼間のお酒は効く。いつもは怖い吊り橋を何なく渡り(酔った勢い)、酒蔵から玉堂美術館を目指して渓流沿いを歩く。
川に面した由緒ありそうな旅館は河鹿園という。

日本画の大家、川合玉堂の絵は上品な日本酒みたいだ。美術館の石庭が立派だった。


夏はもうウンザリ…と思う。けれど、この緑の美しさも太陽が作る陰影も、くっきりとした雲も、夏にしか作れない。
だから往く夏を惜しんだ。素敵な企画をありがとう。

溝の口<西口商店街>で飲む

2010-12-12 09:39:05 | お酒
先週に引き続き大学のギターサークルの定期演奏会に行った。今回は母校の後輩たちの演奏。
11月の学園祭でも何曲か聴いたが、さらに磨きがかかっていた。合奏より重奏が良かった。
皆、アガリもせず力みもせず、さらりと弾いていた。編曲も演奏も洗練された感じがあり、さすが
我が後輩たちと鼻が高い。

先輩二人も来ているはず。
S先輩はこのサークルを立ち上げた人。Y先輩の代で愛好会から研究会に格上げになった。
そして私の代のとき初めて学園祭で「ギター喫茶店」を出店した。
第一部が終わってニ人を探しにロビーへ。あれ?もう帰り支度をしている。
「そろそろ時間も良いので飲みに行こう。」ニ人とも満面の笑顔。
『第二部、聴かないんですかあ…?』と目が点になるものの「良い飲み屋があるんだ。」という言葉に
つられる私。後輩たち、ごめん!

目的地は溝の口。溝の口って昔はドサクサ感のある怪しい街だったが、今は再開発が進んでいると
聞いている。
最近はどの駅もどの街もきれいになっちゃって似たり寄ったりだよなあ…などと思いながら改札口を
出ると、先輩たちは迷うことなく右側の狭い階段を下りて行く。
ん?何だか美味しそうな匂いが漂ってくる。

外に出てビックリした。まさに昔ながらの溝の口があった。目の前の看板にはデカデカと緑の文字で
「西口商店街」と書いてある。商店街たって、線路に沿ってチャチなアーケードが続いているだけじゃ
ないですか。戦後の闇市…という言葉が頭をかすめる(見たことないけど)。
再開発から取り残された地帯なんだろうか。
美味しそうな匂いは、このアーケードの奥から漂ってくる。自称「奥様」の私一人だったらとても
踏み込めないが、ニ人のツワモノ先輩がいるから大丈夫。
お二人の目当てのお店は、古本屋(何故か古本屋がある)の隣の焼鳥屋さんだったが、すでに
狭い店内は満席、路地は立ち飲み客でごったがえしている。
なになに、焼き鳥は店内で食べれば一串90円、外で食べれば80円だそうな。
この店に限らず、商店街は立ち飲み客でいっぱい。七輪で焼くモツの香ばしい匂いがする。

結局どこも満員だったので、商店街を抜けた所にある「十字屋」という居酒屋に入った。
広い店内は仕事帰りのサラリーマン風のオジサマたちでいっぱいだったが、運よく奥の席が
空いていた。女性客は2~3人しかいない。皆、すこぶる機嫌の良い顔をして飲んでいる。
小さなまな板に盛られた厚焼き卵が目を引いた。一切れ卵1個分くらいの大きさなのが8個くらい
並んでいる。大皿に盛られた野菜炒めの量も半端じゃない。

席に着くとビール2本、厚焼き卵(先輩たちも目を付けていたのね)、お刺身盛り合わせ、牡蠣鍋を
注文する。どれも美味しい。
ビールはすぐに無くなって次はマッコリ。白濁して甘味のある韓国のお酒で普段はあまり好まない
のだけれど、酒好きの人たちと飲むとどんなお酒も美味しいから不思議だ。
大学時代みたいに、先輩たちとまた飲んでいる。ほのぼのと楽しい。

マッコリを一瓶飲みほして店を出る。さっきの店は相変わらず満員だったので、隣の店に入る。
ここでは、酢モツ、モッツァレラチーズの味噌漬け(味噌漬けにすると衝撃の美味しさ)、柔らかな
鳥モツをツマミに焼酎を飲んだ。芋焼酎のトリコになって以来、麦は物足りなく感じていたけれど
「おこげ」という名の麦焼酎を頼んでみた。麦の焦げた香りがする。これならイケる。

目的の店に入れなくても大満足。飲ん兵衛たちが歩けば良い酒場に当たるってことか。

「コンサートに行って来るね。」と家を出た私なのに、商店街の焼鳥やホルモン焼きの匂いを
たっぷり染みつかせて帰宅することになった。
あ~~、でもお酒が飲めるって幸せだな。素敵な仲間がいて幸せだな。

ポルトガルワイン

2010-09-29 06:24:06 | お酒
お酒の種類は数あるが、好きなお酒は?と聞かれれば、ビール・日本酒・ワインが三種の神器になる。
ビールはベルギービールのように味わい深くバラエティーに富んだものもあり、こだわりはじめたら
奥が深いのだろうけれど、私は居酒屋で飲む生ビールや家で飲むお気に入りの発泡酒で十分満足。
4時間ギター合奏の練習をした後の乾杯ビール、フィットネスで一汗かいた後のビールはたまらない。
日本酒は心から美味しいと思う。お刺身・ちょっとした煮物と辛口の冷酒…生きていて良かったあ。
ビールは「わいわい」だけれど日本酒は「じっくり」。もう一度恋をするチャンスがあったら、粋な店で
大人の日本酒を味わいながら語り合える人と…と思う(勝手に言ってろ)。
ただこのところ日本酒の甘さが気になることが多い。猛暑のせいだろうか。
冬になれば、おでんをつつきながら少し甘みのある日本酒が恋しくなるかもしれない。

最近はワインが一番好き。以前はワインを飲むと体温が上昇して苦しくなったので、夏は自粛していた。
秋風が吹くころになると「ああ、ワインが飲める」と思ったものだ。この頃は身体が慣れたのか夏でも
美味しく飲める。最初の一口、広がる香りを楽しむ。ワインはお料理と相性が良いのも嬉しい。
ありあわせの肉や白身の魚を、これまたありあわせの野菜と共にニンニクとトマトで煮込み、最後に
ルッコラでもちぎって振りかければ素敵なワインの友。パスタもチーズもイケる。白ならお刺身も。
イチジクを生ハムでくるみ、クラッカーに乗せる…というのをワイン通の方に教えていただいた。
意外な組み合わせだったが口の中で絶妙なバランス。

ワインで悩むのはあまりにも種類が多いこと。国もブドウの品種も値段も様々だしラベルも魅力的なのが
多くて、ワイン専門店に行くと途方に暮れてしまう。通販で買うことも多いが、どれもこれも過度な
褒め言葉で飾られていて取り寄せたらイマイチ…なんてこともある。
私が買うワインはせいぜい1500円から2000円ちょっとくらいの価格だが、栓を開けたら一回で
飲み切りたいから、ビールなどと比べれば贅沢品だ。失敗は出来るだけ避けたい。

ということで、昨日は前々から気になっていた<ワイン試飲会>というのに行ってきた。
ささいなことだが初めての経験ていうのはワクワクする。
スペイン語の仲間の女性~素敵な大人の酒豪さん~が付き合って下さった。
試飲会は某ワインショップの奥のスペースで開かれていた。500円払ってグラスを受け取る。
今回はポルトガルワイン特集。まずは8種類のワインを順番にいただく。少ししか入れてくれないのが
物足りなかったが(酒に卑しいワタクシ)、8種類も飲むのだから最初から欲張ってはいけない。
白、スパークリング、白、赤4種、最後はポートワイン(甘口)を大人仕立てにドライに仕上げた白。
(そういえば昔、赤玉ポートワインという甘いワインがあった。子供の頃、母が時どき飲んでいたのを
思い出す。苦労していた母の小さな楽しみだったのかもしれない。日本人も美味しく飲めるようにと
甘く作られたワインだが、ポートワインという名称はポルトガルの甘味果実酒のことを指すので、
ポルトガル政府から抗議があったらしい。今は赤玉スイートワインと名前を変更している)

ポルトガルというとちょっと田舎臭い素朴なワインを想像していたが、2種類の白ワインはスッキリと
上品で驚いた(どちらも2000円弱)。
赤ではコット・レッド(1990円)というのがブランデーを思わせる味わいで美味しかった。
それとマルケス・デ・ボルバ(2190円)が一押しかな。華やかで独特な香りがスッと喉に入る。
スペインワインのコクに慣れている私には少し物足りないような気もしたが、そのもどかしさを
ゆっくりと楽しみたくてマルケス・デ・ボルバ(写真)を購入。

次はフランスの白ワイン特集とか。秋の楽しみが一つ増えた。

コリドー街でベルギービール

2010-02-15 16:05:24 | お酒
バレンタインデーだから、という訳ではないが久しぶりに夫と外食。銀座で待ち合わせたものの
気楽に食べて飲んで…というコンセプトなので、銀座通りやその周辺のレストランは避け、
新橋に向かってコリドー街を歩く。いろいろな店があるし、たいていの店はガラス張りで
中が覗けるのも楽しい。
いつも行列のできる「美登利寿司」。一度入ってみたいが冬のさなかに並ぶのは気が進まない。
それに店内はごった返していて、ゆっくり話をすることも出来ないだろう。ま、いつも夕飯を一緒に
食べている夫と今さらゆっくり会話もないのだが…。
小さな洒落たバルが幾つかあり、そそられたが、ここは娘か友人と来ることにしよう。
少し行くとベルギービールの店があった。店内は天井が高くて広々している。食事も美味しそう
だけれど、ベルギービールはちょっと高いんだよね。
エビスビールの店もあった。暖かな雰囲気で値段もお手頃。
年末に家族で来た「マイモンギンザ」は牡蠣が美味しい。トロッとした牡蠣にキリリと冷たい
辛口の白ワインは絶妙な取り合わせ。でも今日は寒いからパス。
隣は韓国料理。これにしよう!と思ったが調理場前のカウンター席しか空いていない。体中が
ニンニク臭くなりそう。
ということで道を引き返し、考えた末、ベルギービールの店に入った。

ベルギービールを初めて飲んだ時は「え?それじゃあ私がいつも飲んでいるビールは何ですかあ?」
と愕然とした。香りもコクも味も豊かで別の飲み物という感じなのだ。それに種類が多い。
きれいな琥珀色のものもあれば、白濁しているのも、フルーツを漬けこんだカクテルのような
味わいのもある。多くは修道院で独自の製法で作られているらしい。それぞれのビールに
専用のグラスがあるというのも凝っている。

アンティークな雰囲気の店に入ると何だかヨーロッパの街角に居るような気分になる。
ウエイトレスのお嬢さん2人はスタイルが良く美人で、こちらが気恥ずかしくなるくらい。
まずはビールのメニューが出される。やっぱり高い。樽生で一杯700円から1000円。
瓶に至っては1000円以下のものは無い。
ベルギー人はもっと安く飲んでいるよね、当たり前だけど。
夫は樽生のレフ・ブラウンを注文、こげ茶色で複雑な味わいがある。私はベルビュー・クリーク、
チェリーに漬けこんだ少し酸味のあるビール。2杯目はレフ・ブロンド、こちらもお見事な味わい。
食べ物は、ベルギーのフライドポテト…普通のフライドポテトだけれど15種類のソースを選べる。
チョコレートソースなんてのもあった。いくらバレンタインデーでも、それはちょっと…。
黒胡椒を混ぜ込んでもらう。
ソーセージと野菜のグリル、荒挽きの大きなソーセージと数種類の野菜を粒マスタードでいただく。
ミネストローネはたくさんの野菜が刻み込まれていて美味しい。
どれもボリュームたっぷりでお腹がいっぱい。2人あわせて8千円弱は予算内。
味わい深いベルギービールは、そんなに沢山は飲めないことも分かった。

いつもは居酒屋で賑やかに大ジョッキ…の私だが、たまにはこんな大人飲みも良いものだ。
年齢から言ったら十分すぎるくらい大人だものね。。。

お酒にまつわるあれこれ

2008-09-14 09:04:30 | お酒
大学のサークルの先輩たちに目黒のナントカ横丁の赤ちょうちんに連れて行かれ、
噛んでも噛んでも噛み切れないゴムチューブのような臓物の煮込みを食べながら
恐る恐る杯を傾けたあの日から今日まで、一体どれだけお酒を飲んだろう。
小学校のプール一杯くらい?そんなものでは済まないかもしれない。

お酒にまつわる失敗談はそれほど多くはないが、よくやるのは歩いて20分ほどの
地元の盛り場で飲んだ帰りに道に迷うことだ。ある時は人通りの無い住宅街に迷い込み、
ある時は隣の隣の町に辿り着き、ある時は元の盛り場に戻ったりした。
電車で寝過ごすのは日常茶飯事で、目覚めたら大切なギターが消えていたこともある。
人けの無い住宅街に迷い込んだ時は、奇跡的にタクシーが出現して帰宅できた。
ギターは寝ているうちに倒してしまったのだろう、見知らぬ人が拾ってドアの脇で
見張っていてくれた。

人様に迷惑をかけたのは生涯一度だけ。駆けつけテキーラ三杯で意識をなくした。
到着して15分くらいで気を失い、意識を取り戻したのは2次会のカラオケが
終わった頃。意識は戻ったが立てなかった。支えられ、もたれ掛かり…。
私の全体重を引き受けた人たちはどんなに大変だったろう。翌日、意気消沈していると
一番迷惑をかけた二人から『大丈夫ですか?また飲みましょう』とメールが来て、
あの時は本当に嬉しかった。
若い頃の話ではない。7~8年前。一緒に飲んだのは、スペイン語会話教室で
知り合った若い人たちだった。

メールをくれた一人、B氏は郷里に帰り結婚した。この3月に上京し久しぶりに
飲んだが、落ち着いた紳士になっていた。もう、ワーグナーがどうの、ビスコンティの
映画がどうの、夏目漱石が、村上春樹が…とウンチク語りをしなくなり、
「ええっ?金曜日のピュさんは、そんなことも知らないんですか?」「なにっ(ムカッ)」
のような会話も無くなり、少し寂しかった。でも、私を若い仲間に引き入れてくれた
彼の大らかさにはいつも感謝している。積極的に生きる自信をくれた人だ。
もう一人のT氏は今も語学仲間であり飲み友達。相変わらず気ままな独身で、
2年に一回は第二の故郷エクアドルで過ごしている。
昨日、9月13日はT氏の誕生日。同じ会話教室で知り合ったEちゃん、Mちゃんと
4人で誕生会をした。
Mちゃんは見た目は楚々とした女性だが、マイペースで飄々としている。おとなしそうに
見えるが存在感と人望がある。一緒にいるとホッとする。盆栽を育てている。
すごく年下なんだけれど見習いたいところがたくさんあるのだ。
Eちゃんは世界中に友達がいて、イギリス人のご主人と時々バトルしながら楽しく
暮らしている。ものすごく前向きで社交的で勉強家。新しい世界を切り開き、
それを教えてくれる人。ビールとワインにかけては特別の感覚と嗅覚がある。

誕生会のお店は、Eちゃんが発掘した浅草の「大桝酒店ワイン館」。
浅草の情緒とお洒落なワインバーの雰囲気が妙にマッチしている。ひんやりとした
地下室には様々なワインが貯蔵されていて(写真)、酒屋さんの価格で買取り、
500円をプラスすれば店でも飲める。ワインはバーやレストランで飲むと値段が
3倍くらいに跳ね上がるから、これはかなり良心的。
まずはスパークリングワインでクールダウン。続いて飲んだ白ワインは、私の
白ワインのイメージを覆してくれた。濃厚で大人の味だが飲み下すとスッキリ感が残る。
Terre di Ginestra、イタリアのワインだった。
仕上げは赤。樽とフルーツの複雑な香りを思い切り楽しんだ。Pedroncelli、
これはカリフォルニア産。カリフォルニアワインは大味だと思っていたので嬉しい発見。
料理はシメジとキャベツのサッパリしたパスタとハチノスの煮込みをメインに、
ワインを引き立てるものばかり。Eちゃんの采配だ。そして、とめどないお喋り。。。

私の場合、人との出会いや語らいには美味しいお酒がスパイスになってくれる。
平凡な主婦の人生を広げてくれた酒飲みの血は、財産も父親らしい思い出も
あまり残してくれなかった父からの最大のプレゼントなのだと思う。


最近行った店、飲んだ酒

2008-08-08 14:53:51 | お酒
神楽坂『花かぐら』
飯田橋駅を出て神楽坂下から神楽坂上にダラダラ歩いて行く途中の右側に、
中華饅頭で有名な『五十番』があり、そこを入って10軒目くらい。黒塗りの小さな建物。
暗めでジャズが流れているのは今どき珍しくないが~自慢じゃないが地元・K田だって
そんな店ばっかりだ~シックな大人の雰囲気は、さすが神楽坂。
ゲーセンと裏に入ればヤバい店ばかりのK田を引き合いに出したのは場違いでした。
懐石風コース3500円は、見た目もきれい。じゅんさいのスープ、松茸と牛フィレ肉の
ソテー(松茸は超ミニサイズ、値段考えて贅沢言わない!)、和風パスタが美味。
私のコトゆえ、友人たちに事後承諾で飲み放題1500円をつけた。
日本酒は薄口だがキリッとして、飲み放題の酒にしては満足度高い。
ゆっくり食べたからお腹がいっぱいになったけれど、頭の中で合算してみると
ほんのちょっとしか食べてない。懐石料理だものね、贅沢言わない!

恵比寿『さくら水産』
得意の『さくら水産』。といっても恵比寿は新しい店舗なので、
体育館のようなK田(またかい)の『さくら水産』に比べればきれいだと思う。
安いし何でもありだし、そこそこ美味しいので安心して注文できる。
外国人の店員さんが多いので、注文は口で言わず注文用紙に書き込む。
魚類はその日の特別メニューもあり、いつだったか鯨の竜田揚げがあったときは
皆で大喜びして注文した。昔、給食でコッペパンと一緒に食べたのね。
だから、いつまでたってもB級グルメな私。

熊野前『かきくけこ』
熊野前の商店街の途中。店の前には打ち水がしてあり、ガラリと格子戸を開ける。
こういう店は、ありそうで滅多に無い。(K田には無い)。
白木の清潔な店内、壁には手書きのお品書きがびっしり貼ってある。
感じの良いご主人と調理場の奥様(?)の二人だけで切り盛りしているから、
肴はすぐには出てこない。青菜はきれいな色が出ている。秋刀魚のお造りが感動的に
美味しかった。日本酒も豊富に揃っている。また行きたい。冷えた久保田の千寿と
秋刀魚のお造り。生きていてよかったあ!と思う瞬間だろう。
舎人ライナーが開通して熊野前は行きやすくなった。とても快適な電車だ。

北千住『ダンデライオン』
ライブハウス、ジャンルはロックかな。ジャズやブルースも合いそうな雰囲気。
地下に下りると暗くて、タバコの煙と酒の匂い、ロックの大音響。
バンドのメンバーもお客も一つになってリズムをとっている。
こういう店で飲みたいのはウイスキーの水割りかジントニック。
男たちの作り出す世界に、温かいのや甘いのは合わない。

神楽坂『ぷらてーろ』
神楽坂上の狭い路地にあるスペイン料理店。入り口は神楽坂っぽい板塀と格子戸(写真)。
中は、よくあるスペイン風の内装ではなくシンプルで都会的。
またもや3500円のコース(私には3500円が限界なのか(>_<))。
前菜のお刺身サラダはなかなかのもの。マッシュルームのソテーは、マドリーの
メソン(居酒屋)を思い出させてくれるガーリック味。魚も牛肉もパエリャもあり、
かなりのボリューム。スペイン料理だからやや塩辛いのは仕方ないが、パエリャは
特に美味しかった。ワインはあまり揃えていない。芋焼酎があったのは何故?
どう考えてもスペイン料理とは合わない。別料金だがデザートはどれも美味しかった!


外で飲むと雰囲気もそれぞれで楽しいな。雰囲気もまたお酒のツマミになる。

でも、もちろん家でも飲む。日本酒は頂き物の山田錦、優しい味がする。ビールは金麦。
母が作った梅酒も欠かせない。この時期ワインだけは、あとが暑くてつらいので飲まない。

…結論のつけようがないので、これで終わり。

スペインワイン キタァアアァァ━(゜∀゜)━ァアァアァ!!!

2008-05-27 23:44:28 | お酒
と、大人の女としてあるまじき取り乱した大喜び。
ネットで注文していたスペインワインが9本届いた!
今回は送料・代引き手数料が無料ということで、もっと頼みたかったけれど、
ワインセラーのようなオツなものも無いし、これでも家計を預かる身だし…。
9本で1万4千円、しばらく楽しめるのだからリーズナブルなお買い物だと思う。ね?

ワインは基本的にはスペインワインしか買わない。
美味しいワインは世界中にあるけれど、きりがないもの。他のお酒も飲まなくちゃならないし。
2000円以上のものは買わない。
レストランでソムリエが運んでくる何万円もするようなものは私にとってはワインではない、
別世界の飲み物。
ワインの良し悪しは全く分からない。好きか嫌いかだけ。動物的本能で嗅ぎ分ける。
スペインワインは色が濃い。
ワイングラスに注がれた深い色を見ていると、それだけで豊かな気持ちになる。
香りも味もインパクトが強くて最初の一口を飲むときの「U~~n」という感じがたまらない。

それにスペインワインはスペインを思い出させてくれる。
一人でふらりと入ったグラナダの立ち飲みバル。オジサンたちにじろじろ見られて
恥ずかしかったが、普通のガラスコップに注がれたワインと揚げたての小魚が
感動的に美味しかった。
ラ・マンチャ地方の村では、赤いポリ缶~日本では石油用だが~をぶら下げて
ワインを買いに行くオジイチャンたちとお喋りした。
どこの村で訪ねたのか忘れたが、大きな樽がぎっしりと並んだ地下のワイン倉庫には
圧倒された。小さな村だったのに。

それでは、ワインのご紹介。

向かって右から<La Planta>。
シックな深紫のラベルは、ワイナリーの一家に有名なファッションデザイナーがいて、
その人のデザインだそうだ。香りは深く印象的。
1年の半分以上をスペインのバスク地方で暮らしている知り合いの男性がいる。
野生バトの狩猟が始まる頃は、郊外のレストランで「鳩料理」と渋いワインを味わうのが
格別だそうだ。「日本では美味しいスペインワインが見つからない。」と嘆いていらしたので
この<La Planta>をオススメしたところ「こんなワインがあったのか!」と感心して下さった。
消費税込みで1974円は、私にとっては決して安くないが外せない定番。

<Allozo Crianza>
以前一緒にスペイン語を勉強していた女性が広尾でスペインバルを経営している。
小さなお店だが、スペインの田舎でお料理を習った彼女の作る家庭料理はどれも美味しい。
私も酒飲みだが彼女はもっとすごい。酔っ払って転んで歯を折っても、
翌週のバーベキュー飲み会に元気に姿を現した。私も骨折して足を引きずりながら
飲みに行くヒトだから似たりよったりか。
そのすごい酒飲み&スペイン通の彼女が、店に置くワインとして選んだ銘柄だから
間違いはない。1659円。いかにもスペインのワインという味がする。

真ん中の<Inurrieta Sur>は、今回の目玉。私はまだ飲んだことが無いが、
先ほどのバスクにお家がある男性のオススメなので期待できそう。
Surは南という意味。スペインの葡萄を使っている。
<Inurrieta Norte>というのもあるらしい。Norteは北という意味で、スペインの北にある
フランス産の葡萄を使っているそうだ。やっぱりSurがいい。1659円。

残りの2種類。
<Ramon Roqueta~1239円>は、『スペイン王室フェリペ皇太子がこのワインの造り手
ボデガス・ロケッタのワインを試飲し大絶賛!! ロイヤルファミリーの舌をも魅了!!』
という宣伝文句につられて、
<Vega sindoa~1344円>は、『あの世界屈指のワイン評論家ロバート・パーカー氏はほぼ毎年
このワインを試飲し大絶賛し続けています』という絶賛文につられて、
注文したもの。1000円ちょっとの掘り出し物ワインを見つけるのも楽しみの一つ。
失敗することもあるけれど。。。


このところ、スペイン語圏の詩に縁がある。
このブログにも書いた、ウルグアイの女流詩人の『無花果の木』という詩を、
スペイン語仲間のhatakeyさんがスペイン語圏のメル友さんたちに紹介してくださった。
沢山の反響が来た。スペイン語圏の人たちの詩への愛着と関心に驚かされ、
彼らの感想文を楽しんで読んだ。
スペインの詩人、ロルカの詩も幾つか読み直した。
今は、私のスペインへの想いの原点となったヒメネスの散文詩『プラテロと私』を読んでいる。
辞書を引くのに疲れたとき、スペインワインの香りが、きっと私を励ましてくれるだろう。



新橋飲み

2008-04-24 18:26:44 | お酒
虎ノ門に勤めていたこともあるし、新橋の語学学校で学んだこともあるのに、
新橋でゆっくり飲んだ記憶は数えるほどしかない。
サラリーマンの街、たて込んでいて静かに飲めない、という印象があるから?
昨夜は珍しく、じっくり新橋を楽しんだ夜だった。
待ち合わせ。駅前広場はスーツ姿でいっぱい。

最初に覗いた沖縄&韓国料理の居酒屋は満員。やっぱりね、と舌打ちしていると
<Doce>という文字が目に入る。スペイン語で<12>を意味する。
スペインバーもいいな。中に入ると外の喧騒が嘘みたいに静か。
洞窟のようなダークな空間に、お客はせいぜい2人連れ、何を思っているのだろう、
一人でグラスを傾けている人もいる。お料理はありきたりなスペインメニューだし
ワインも種類が無かったけれど、この静かな感じは好き。
赤ワイン「モナステリオ・デ・サンタ・アナ・モナストレル」を二杯飲んだ。
これはスペインの味。また来よう。

2軒目は、一度は行ってみたいと思っていた駅前の立ち飲み。本当に椅子が無い。
トレーを持って好きな肴やお酒を選び、先にお金を払う。
社員食堂みたい。女性も何人かいた。
一日働いて、頭の中に残った仕事のモヤモヤ空気を立ち飲みで一掃して、
家に帰るんだろうな。ここでは芋焼酎「吉兆宝山」のロック。
マイルドな味わいが気に入っている。

そして本命の店へ。なにやら怪しげな道を行く。
店の前で、ビールの箱を机と椅子代わりにして飲んでいる人たち。
風俗店の前の目つきの怖い男たち。所々に立っている一見フツーなお嬢さんがた。
居酒屋を覗くと、どこも満員でモウモウとしている。
その道を抜け、工事現場みたいなところを入っていくと小さな建物の2階に
「cyd」という店がある。今ではとても珍しいハモンドオルガンバー。
もうすぐ建物が取り壊しになるので、お店も今週いっぱいで閉めるのだという。
工事現場の中で、最後の最後まで頑張っていたお店。
ハモンドオルガンの優しい響きとギターの競演、スタンダードジャズの歌声は、
大人のお酒にふさわしい。ウイスキーの水割りとロック。
最後に挨拶をした、オルガン奏者のオーナーは大正時代の紳士みたい。
片手に「缶ピース」。
こんなお店が消えていくのは寂しい。。。