漫画家を目指す人へ

漫画家を目指す人へ参考になれば。

構図について

2012-03-19 07:25:33 | ■漫画を描いてみる②絵

私はこの言葉は「コマの中にどのような大きさ・角度・視点でどのように人物や背景を配置して描くか」という意味で使っています。
(人によって違うこともあるようですので要注意です)

「アングル」とも言いますね。アングルは角度のことですので、構図よりはやや狭義な定義かもしれませんが、あまり厳密に分けて使う人は少ないと思います。
基本的な用語として、以下くらいは覚えておきましょう。編集さんも普通に使うので知っていないと指摘内容がわからなくなるかも。

「俯瞰」・・・上から見た構図
「あおり」・・・下から見た構図
「アップ」・・・何かの一部を(主には人物の顔を)大きく描くこと
「バストアップ」・・・人物の胸くらいから上を描くこと
「ロング」・・・人物の全身画(たまに、人物に関係なく遠くから見た構図のことを言う人もいます)


プロの作品をよく見てみましょう。
すべてのコマの構図に、「なぜこういう構図にしたのか」理由があるはずです。

ここは、場面転換したところだから、まず俯瞰で背景をいれ、人物の状況がわかるようにしているのだなとか。
ここは、人物の表情を大きく見せたいから、アップにしているのだなとか。
ここは、人物のポーズが変わるところだから、ポーズが変わったことをわかるように見せているのだなとか。



1.人物がどこにいて、どんなポーズ・立位置で、何をしているのか常にわかるように描く


初心者にありがちなのが、人物の顔のアップとバストアップばかりが並んでしまうというもの。
一番描きやすいので、ついついそうなるんですね。
でも、それじゃその人物がどこに、どういう姿勢でいるのかもわかりません。
人間って、そういうものを常に把握しながら読まないと、なんだか不安になるんですよね。落ち着かないです。

なので、1Pに最低でも1コマくらいは、人物がどこで、どういう姿勢でいるのか、わかるようなコマを入れてください。
そのためには俯瞰や遠景の構図を取り入れたり、背景だけのコマを入れたりするといいと思います。


2.ページ画面内に変化をつける。

似たような構図が続くと読者は退屈に感じてしまいます。(演出としてわざとやる場合はありますが)
かといって不必要に俯瞰になったりあおりになったり、普通のシーンなのにぐるぐる視点が動き回っても読む方が疲れてしまいます。
ですので、読者がスムーズに読める程度内で、構図に変化をつけるようにしましょう。

また、これもプロの漫画を読めばわかりますが、何も全コマに人物を描く必要はなく、表情を見せる必要がないコマでは背景を見せたり、敢えて体の一部だけを見せる、また、何も描かずセリフだけを目立たせるなど、いろいろと変化をつける方法はあります。

だいたい全コマにぎっちり人物が詰まっていると窮屈で読みづらくなるので、どこかを「抜く」ことは意識しましょう。


3.話している人物同士の位置関係に気をつける。

たとえば、向かい合ってしゃべっている二人の人物がいたとして、あるコマでAさんが左向きの構図でしゃべっていて、それに対しBさんも左向きの構図で返事を返していると、向かい合ってるはずなのに、二人そろって左を向いているような不自然な印象を受けてしまいます。
たとえコマが分かれていても、向かい合っている二人なら、向かい合っているように見える構図にしましょう。

AさんがBさんを見上げているなら、Bさんの顔がAさんより上にあるような立ち位置(Bさんのほうが背が高い、Bさんは立っていてAさんは座っているなど)でなければなりません。
また、さっきまで横に座っていた人物が、次のコマではなぜか振り向いてしゃべっていたりすると、読者は二人の位置関係がつかめなくて混乱します。

一つのコマの中だけで構図を考えるのではなく、ちゃんと話の流れにそって、読者が人物の位置関係を不自然なく把握できるように注意しましょう。


4.構図で演出する。

これもプロの漫画をry(こればっかりですね)
たとえば、話している相手が主人公を脅している恐ろしい人間だとします。その場合は威圧感を出すためにあおりの構図で描くとよいでしょう。

また、主人公の不安感をあらわしたいなら、わざと斜めや横、さかさまの構図で描くというような工夫もよくありますよね。
コマ割とあわせて、いろいろな演出ができますので、研究してみましょう。

ただこれも、変わった構図をむやみに使うと、ただ読んでいて疲れるだけで、ここぞというところが目立たない作品になってしまいます。
全体のバランスを考え、特殊な構図は「ここ一番」という使いどころで使うようにしましょう。

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