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クロス豚がゆく

やりたいことは増える一方、しかし自分の時間は減る一方。
そんな中での悪あがきと迷走の日々。

北斗星で札幌へ

2010-09-22 02:39:31 | 旅行
未だ東京に居座る猛暑から逃れるべく、寝台特急「北斗星」で北海道に行くことにした。

久しぶりに行く北海道ということで、いろいろと欲張りたい。
キャンプ道具は宅急便の営業所留めで送り、クロスバイクは輪行袋に詰めて持っていく。
現地ではレンタカーを借り、帰りはフェリーを使う予定だ。

輪行袋に詰めたクロスバイクも15kg近くあるのでそれだけでも大変だが、
旅行荷物は着替えやデジタルカメラのほか、ラジオとアンテナまで詰めているため
かなり重い。現地までの移動はかなりの重労働になりそうだ。
そんな事情もあって、自宅(板橋)から「北斗星」の始発駅である上野までの移動は
ずいぶん迷ったが、結局電車移動を選んだ。

初めての輪行なので、混雑を避けるべく赤羽経由の宇都宮線を利用したが、
赤羽駅の混雑でも初心者にとっては十分に過酷な状況だった。

そして宇都宮線では座れたものの、


上野駅ではこんな階段まで待ち構えており…


乗車ホームにたどり着いた頃には疲労困憊。
そして今さらながら、これらの荷物がデュエットの個室に納まるかが心配に。


そして程なく「北斗星」が入線。

人並みに記念撮影をした後、出発までのわずかな時間で尋常ではない大荷物を搬入。


我々の個室は車両中ほどの下段側のデュエット個室だ。


まずは我々のデュエット個室に放り込むことが最優先。

個室の通路部分に自転車2台分の輪行袋を押し込み、手荷物はとりあえず寝台に。

スリッパを寝台の下に入れれば、個室の扉もギリギリ閉められたので、ひと安心。


上野駅を出発してから扉の上に荷物スペースがあることに気づく。

幸い二人分のリュックサックが収納できたので、寝台も何とか使える状態になった。

そんなこんなの間に相棒は食堂車へ。北斗星のペットマークが入ったタオルセットと
ロビー車両にあるシャワー室の利用券を買ってきてくれた。


割り当て時刻を待ってシャワー室へ。

手前側の脱衣室には、シャワー利用券の差込口とドライヤー、
コンセントを備えた洗面台がある。


シャワーの利用時間はひとり30分以内、利用券を差込口に入れる(すぐに吐き出される)と
準備完了。


お湯を出せるのは合計6分まで。

ただし、シャワー室の扉の鍵を開けてしまうと、まだ時間が残っていても
お湯は出せなくなるとか。



上限6分を意識し、頭を洗ってそのまま流さず身体を洗う節水モードで臨んだためか、
3分以上湯の利用時間を残してしまった。

ちなみにシャワーの温度調整はかなり大雑把なので要注意。
ぼくは浴びはじめに頭から熱湯をかぶってしまった。


それでもシャワーを浴びてさっぱりできたのは、やはりありがたかった。
やや強めに効かせられる空調とあいまって、個室は快適だ。

夕食は、上野駅で買った「田子にんにくスタミナメガ弁当」という
すさまじい名前の駅弁。


明日までは何とかなりそうな目処も立ち、じわじわと晩酌モードへ移行。

それから先は、また次回。

石廊埼灯台

2010-05-02 11:40:14 | 旅行
港の駐車場代500円は周辺の相場から見ても割高だと思うが、
石廊埼灯台での「一杯」は、それでもやはり魅力的だ。

今回も港の駐車場で金を払い、20分ほど上り坂を歩くこととなった。


灯台を通り過ぎて石廊崎の先端を目指すのも悪くないが、
我々ふたりの一番のお気に入りは人の少ない灯台の手前。


早速「一杯」のための準備に取り掛かる。


普段持ってくるシェラカップを今回は忘れてしまったので、
下田市の100円ショップで調達したアルミホイルなべで代用。


携帯ガスコンロとともに、今や我々の旅の常備品となったドトールのドリップパック。
うまく淹れるポイントは、湯をできるだけ細く、丁寧に注ぐこと。


ラジオのスイッチを入れて傍らに置き、準備は整った。
石廊埼灯台からの船舶気象通報は、毎時17分ごろの放送だ。


最高の「一杯」を楽しみながら、待つこととしよう。

南伊豆へ

2010-04-25 10:51:38 | 旅行
海が見たくなり、2か月ぶりの週末旅行で南伊豆へ行くことにした。

朝9時に出発し11時過ぎに東名高速を沼津ICで降りたが、先はまだまだ長い。
昼食を摂るため、沼津魚市場内の食堂へ立ち寄った。


決して安くはないが、市場の食堂といわれたら期待するようなものを
きちんと押さえたメニューがそろう。今回は相棒と二人、マグロ丼1200円を注文した。
(いうまでもないが、ぼくは100円追加で大盛りに…)

マグロ丼はもちろん、のりの味噌汁も香りが良く満足いく食事だった。

西伊豆を寄り道しつつたどって夕方4時に宿に到着。
部屋は和室(居間)と洋室(寝室)が一続きになっている和洋室タイプ。

和室と洋室は完全には仕切れないがとても広く、快適そうだ。
温泉は露天風呂もあり、屋上には別の足湯もある。

温泉&足湯にも惹かれるが、明るいうちに宿の近くにある弓が浜を散歩することにした。


陽が翳り少し肌寒くなっていたためか、人影はまばら。
波の音を聞きながら静かな散歩を楽しむことができた。


宿に戻り、温泉に行ってから食堂でバイキングの夕食。

種類は多くてもイマイチなバイキングもあるが、ここはそうではなかった。
天ぷらは少しずつ揚げるなど、温かいものは温かいまま供するため、工夫している。
静岡おでんなどのB級グルメを含む郷土料理も何品目かあり、満足度はかなり高かった。
ブログ用写真を撮るのも忘れて、つい食べ過ぎてしまったほどだ。

温泉の利用は深夜0時まで。その夜最後の客として大浴場を出た後
部屋でビールを飲みながら1669kHzの船舶気象通報(灯台放送)を聴く。

船舶気象通報は、日本列島約30か所に点在する灯台から、
各々2分ずつ「灯台の名前、風向、風速、気圧、波高、天気」等の内容を
淡々と伝える業務放送だ。
バイクに乗り始めてから20年超、いろんなところを訪ねたが、
放送される灯台の名前がそれらの旅で見た風景を思い出させてくれるので、
いつもBGM代わりに聞いている。

今回は久しぶりの旅行なので気合を入れてラジオ2台(ICF-2001D、ICF-SW55)のほか、
アンテナ2本(500SL、AN-12)、受信用プリアンプ(DPA-100B)まで持ち込んでいる。

深夜0時以前はAN-12をつないだICF-2001Dでも、近隣の石廊埼や八丈島、野島埼、犬吠埼
程度しか確認できなかったが、0時40分を過ぎたあたりで突然に受信状態が改善、
あれよあれよと思ううちに結局送信している全局を受信できてしまった。

就寝前のBGMのはずだったが、この好条件は見逃せない。
ベッドを飛び出しラジオを2台とも稼動させ、ついにはベランダに500SLも出して
角度を調整、プリアンプもつないで微調整…

皆さんの失笑を買うだけなので、この後のことは「我のみぞ知る」ままとさせていただきたい。

とにかく、久々に満足の1日であった。

万座温泉スキー

2010-02-21 16:29:01 | 旅行
今シーズン初のスキーで万座温泉に行った。


紅葉の時期に万座ハイウェイをフュージョンで走ったことはあったが、
スキーでは初めての訪問。

どこまでも高い青空と純白の風景。
文句なしに美しいが、気温が上がって雪が重くならないか、
リフトの上でちょっと心配になる。


リフトを乗り継ぎ、頂上から滑り出した。
標高2000mのゲレンデは気温が低く、
この晴天の下でも軽く締まった雪質を保っていた。
おかげで相棒も、1年のブランクからすぐに感覚を取り戻せた様子。

普段、相棒の滑る姿を写真に撮ろうとすると、なかなか降りて来ない被写体を
斜面の途中でじっと待つことが多いのだが、この日は違った。
ハイペースで降りて、すばやくスタンバイしなければ、タイミングを逃してしまう。
相棒の姿を写真に収めるのに、かなり苦労した。

「頭の中に突然”カプサイシン”って単語が浮かんだ!」
いつもながらの意味不明なセリフを残し、相棒は斜面を降りていった


普段はガリガリと斜面を引っ掻く滑り方をする相棒が
珍しく軽やかな滑走音で滑っている。

絶好調のようだが、あすは筋肉痛で泣くに違いない。


夕食後、宿の中に3箇所ある温泉をめぐった。
硫黄泉、ラジウム泉、鉄泉など4種類の源泉から引き湯されており、
全ての浴槽がかけ流しになっているとのこと。


相棒の筋肉痛にもきっと効いてくれることだろう。


全ての源泉を混ぜ合わせた湯を使った浴槽が多かったが
こまめな温度調整がされており、いずれの浴槽も快適。
3箇所それぞれで趣向が凝らされており、満足度は高かった。


ランプの宿・青荷温泉

2009-09-25 01:17:26 | 旅行

東京を出て3日目、青森県の青荷温泉に行った。


エントランスロビーを照らすのは5基のランプ。
ここは電気の照明がない、いわゆる「ランプの宿」である。


ランプの光で手元を確かめながらのチェックイン。
だからといって快適性が全く排除されているわけではなく、厨房や売店には
冷蔵庫があり、トイレは電球の照明でウォッシュレットもあった。
「初心者向け」という位置づけにピタリとはまりそうなところが、「ランプの宿」初体験の我々にはちょうどよさそうだ。


部屋はフロント前の階段を上った正面にあった。
館内数箇所にある非常灯が真前にあるため、部屋番号の札が薄暗い廊下の中で、
ぼんやりと浮かび上がっていた。


部屋に入ると、懐かしさを感じさせる灯油の匂いがツンと鼻をつっついた。
身長174cmのぼくの目の高さ辺りに底面が来る感じで、ランプが吊り下げられていた。

「扱いが難しく、危ないので触らないでください」
チェックインのときに注意されていたにもかかわらず、荷物の移動で頭を
ぶつけてランプを落としてしまったのだが、怪我をせずランプも割れなかったのは幸いであった。
再発防止のため、ランプ下にはテーブルを置き、動かさないようにすることに。


部屋には鍵はない。その代わり小型金庫が備えられてあった。


敷地内の3つの建物にそれぞれ温泉があり、さらに混浴露天風呂もあるとのこと。
夕飯前に温泉めぐりへ。


建物の前を流れる渓流に架かるつり橋を渡ると、「滝の湯」と混浴露天風呂がある。


明るいうちの混浴にはさすがに抵抗感があるので、「滝の湯」をチョイス。


手早く浴衣を脱ぎ、がらりと引き戸を開けると幸い先客なし。
木造りの浴槽にたっぷりと注がれた湯は適温で、何とも柔らかな湯だ。


岩造りの露天浴槽はぬるめの湯。深緑の狭間を滑り落ちる白滝が眺められる。


浴後は涼みがてら、夕食時間まで敷地内を散策。


夕食は、外がまだ明るいうちに大広間で。
温泉では混雑を感じなかったが、夕食はほぼ時間差を設けずに始まるので
かなり手狭な印象を受けた。

焼き物は冷めていたが不満を感じるほどではない。
食事は平均レベルと思う。


食後は部屋戻って一休み、暗くなってからエントランスロビーに出てみると、
ランプの光がいい感じで存在感を高めつつあった。


本館の内湯に行ってみた。

浴室の様子を伺うと、これまた幸い先客なし。

カメラをスローシャッターにして撮ってみると、実際の印象よりもかなり明るく
写った。

長めの入浴を済ませても誰も来ないので、今度は浴室を照らすランプを1枚。

まだ明るいが、かなり肉眼の印象に近づけられた。

ランプに照らし出される空間が何とも暖かな印象であり、対照的に光が消えゆく影の部分は、とても深い闇に感じられた。

過去に読んだ歴史小説の夜の場面をこの陰影でイメージすると、テレビや映画で描かれる空間とは全く違ったものになりそうだ。


「電気の前の光」はこれほどにまで暖かく、闇はどこまでも深く遠いものだったのだ。


人によって受ける印象の違いはあると思うが、ランプが作り出す陰影は
多くの人にとってきっと面白いものであると思う。


館内のランプを眺め温泉をめぐるうちに、夜半を軽く超えてしまった。


部屋に戻ると、ただひとつのランプが待っていた。


晩酌を楽しむ。
司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を読み、竜馬にあこがれたこともあったが
あの時代の酒盛りは、こんな陰影の世界だったのかもしれない。


肴はランプの光で十分だ。


夜明け前、夜の終わりを惜しみつつ、眠った。

福島で餃子と温泉

2009-08-23 00:59:45 | 旅行
いよいよ今年の夏旅がスタートしたが、
今は相棒の発作的な思いつきで、福島に居る。

そして、「福島といえば餃子でしょう!」との力強い主張に押し切られて
宿近くの餃子店「山女」で円盤餃子2枚(40個)と大瓶ビール1本(突き出し
の漬物付き)3250円をわけがわからないうちに食べてしまった。


食後は電車に乗り、飯坂温泉へ。
今日は飯坂温泉ファイヤー祭り2009という、ローカル色豊かな祭りの当日
とのこと。川の対岸の祭り会場の喧騒を離れた共同浴場「鯖湖湯」に
とりあえず入浴。

浴槽に差し込まれた温度計は48度を示しており、足先や腕に刺すような
感覚が伝わってくる。
それをじっとこらえるうちに、やがて熱さに体の毒素をすべて溶かして
体の外へ出してくれているような、不思議な爽快感を伴ってくるから不思議だ。

そうは言っても、そうそう長湯ができる湯でもない。
浴後は、温泉街の餃子店「照井」に行った。

薄皮で野菜多めの餡をくるみ、円形の鉄板に敷き詰めて油で揚げるようにして
焼きあげる小ぶりな餃子は実にビールによく合う。
ここでは3人前27個の円盤餃子と中瓶ビール1本、ハイボール1杯で2250円。

餃子好きの相棒も、さすがにもう餃子はいいと言うので、腹ごなしに
祭り会場を散歩。メインイベントの流し踊りはすでに終わってしまっていたが
飯坂温泉駅近くの橋にさしかかった時、空に花火が咲いた。

百数十発のささやかなものではあったが、旅先で出会った祭りのフィナーレは
何ともうれしく、旅情かきたてられるものであった。


すでに10年来の恒例行事となった行き当たりばったりの夏旅であるが、
今年も何気に幸先が良いようで、まずはめでたい。

三浦半島 魚グルメと灯台めぐり

2009-06-09 00:34:17 | 旅行
日曜日、久しぶりに晴れたので、三浦半島に出かけた。
最近買った雑誌の情報で、三浦半島は漁港や市場の食堂が
充実していることが分かったので、海を見てうまい魚も
食べようという魂胆である。

バイクで高速は使わず、すり抜けもほとんどせずに3時間、
午後2時半に三浦半島の南東端の金田漁港に着いた。
閉店準備をまさに始めようという矢先に、きわどく入店。
ぼくは雑誌で目をつけていた日替わりB定食をオーダー。

揚げたてのアジフライ、かますの干物、マグロ、たこ、アジタタキの
刺身3点盛り、ムギイカの煮付け、サザエのつぼ焼き、味噌汁、
漬物とポテトサラダ、ごはんの豪華キャストがずらりと並ぶ。
これで1500円は、うれしい。


少食な相棒は、手堅く刺身定食。刺身4点盛りにサザエのつぼ焼き以下は同じ。
揚げ物煮物焼き物はしっかり温かく、店のスタッフもとても丁寧だった。

食後は南へバイクを走らせ、剱崎灯台に立ち寄る。
1871年に開かれ、1925年に現在の灯台になったという、歴史ある灯台だ。


ここが東京湾の出口だ。風の音がするだけである。

「コーヒーセット(水とコーヒー、キャンプ用の携帯コンロ等)、
持って来たら良かったね」
灯台の日陰に入り、空を見上げながら相棒が言う。

確かに。

海渡る風の爽快さ、眼下の磯に砕け散る波、房総半島を背景に行きかう船。
許可してもらえないだろうが、出来るものなら一晩キャンプしたいぐらいだ。


最近灯台に凝っているぼくは、カメラのほかにラジオも持ってきていた。
毎時0分から15分間放送される、東京湾の船舶交通情報に合わせた。

板橋では電波状態のいい日の真夜中、混信だらけでわずかに受信できるだけだが、
ここではラジオ単体でも十分に内容が理解できるレベルで入る。

これぞ男のロマン…と思っていたのだが、相棒曰く「ウォークマンの猿みたい」

言葉イジメにもめげず、50円払って城ヶ島大橋を渡り次の灯台を目指す。
城ヶ島公園の先にある安房崎灯台だ。
公園のベンチで一息つく相棒を置き去りにして階段を下りていくと、
眼前に地磯が広がった。


久しぶりの磯歩きに難儀しつつ、先端にたどり着く。

この小さな灯台が目指す灯台だ。


釣竿の先には水平線。見なくなって久しい風景だ。
ラジオを1669kHzに合わせると、石廊崎、八丈島、野島崎の灯台放送が
順々に入ってきた。

やがて追い着いた相棒と公園に戻り、展望台に登る。

一般的には安房崎灯台は、この場所から見れば十分かもしれない。

いよいよ日没が近づいてきたので、今度は城ヶ島の西端にバイクを進めた。
夕陽との競走である。灯台公園の階段を駆け上がった。


夕焼けに十分の間合いを残せたようだ。


灯台公園の階段を下りながら町を眺めると、バイクにちょこんという感じで
座る相棒が見えた。

少し疲れたと言うのでバイクに残してきたが、相棒にも見せてやりたかった。

バイクに戻ると、相棒が港に行こうと言う。


食堂の角を抜けると、今回の旅を締めくくる灯台があった。


帰路、横須賀魚市場の食堂に立ち寄った。


ぼくは地魚丼1260円


相棒は天丼を賞味。

刺身と天ぷらを交換し合ったが、いずれも甲乙付けがたく
昼夜の食事においても満足度の高い旅であった。

寝台特急はやぶさ乗車(2日目)

2008-10-09 01:23:10 | 旅行
翌朝、発車の時のガッタンという大きな振動で目が覚めた。
時刻はまもなく午前5時半、時刻表によれば停まっていたのは
広島駅だろうか。窓の外はすでに明るい。
向かいのカーテンがのそりと揺れ、寝癖でパイナップルの
葉のような髪形になった相棒が顔を出した。


睡眠不足ではあるが目が覚めてしまったので、通路の補助席を
出してぼんやりしていると、30分ほどで岩国駅に到着した。
夕食が早かったので、すでに空腹であるが、すでに手元には
水しか残っていない。
しかし例に漏れずここでも停車時間はわずか1分、駅で何か
買うこともできない。

しかし、岩国駅を発車した直後から、なにやらみんなが
列車の後ろの方に向かい、やがて袋を提げて戻ってきて
いるので、相棒とふたりで向かってみた。
すると、最後尾で数人の行列が出来ており、その先には
何と駅弁販売のおばさんが!

早速2つ購入。

買ったのは岩国の駅弁「あなご飯」である。


甘辛く煮付けたあなごがご飯に良く合う。

お茶も買えばよかった。

食べ終わった頃に車内販売のカートがまわって来たので
コーヒーを頼んだ。

こちらは…余りお勧めできない。とにかく薄かった。

岩国から2時間半、7駅目の停車駅が下関駅である。
6分停車、ここでようやくホームに出られた。


ホームに出てみると、今度は老いも若いもみんな駆け足で
先頭車両の方へ走っていくではないか。
ついていってみると、そこはまさに鉄ちゃんパラダイス。
非鉄道オタクのぼくまで、つい釣られて1枚。

親子連れからいかにも鉄道マニア、携帯電話からモーター
ドライブつき一眼レフまで、とにかく人カメラ人カメラ…

そこにいて何もしないと、なにやら取り残されたような
気までしてきたので、やむを得ずもう1枚。



怒涛の6分間が終わり、ガッタンと大きな振動とともに
下関駅から走り出すと、10分もしないうちに
今度は門司駅に着いた。
門司駅では13分停車する。ここでは列車を切り離して、
熊本行きのはやぶさと大分行きの富士に編成しなおす作業が
見られるらしい。

鉄道マニアじゃなくても見ておきたいかも…

ホームに出てみると、先端付近にすでに黒山の人だかりが出来ている。

ただならぬ雰囲気を察してか、腰の重い相棒も今回はついて来た。

人垣に分け入り、どうにかこうにか機関車が見えるところに出られた。

ちょうど機関車を接続するところだ。

相棒は身長150cm足らず、小学生とさほど変わらない。
鉄ヲの人垣はすさまじいがせっかく来たんだから、
せめて少しは見せてやりたい…
持ち上げてやろうかと後ろを見ると、ついてきていたはずの
相棒がいない。

あれ?

キョロキョロと探し回ると、ヤツは意外なところにいた。

小学生の集団に紛れて、いつの間にか最前列。
したたかなヤツである。

はやぶさの旅は、おそらく下関―門司間がクライマックスなのだろう。
ここから先は、ほぼ書くことも尽きた感がある。
発車のベルに追われながらも缶コーヒーを買って車内に戻ったあとは
1時間走って博多、そこで車両点検で予定内に停車が長引いたものの
その後ペースを上げたのか、鳥栖、久留米、大牟田とほぼ30分間隔での
短い停車をはさみながら遅れを取り戻し、終点・熊本駅にはほぼ定刻どおり
到着した。


寝台列車の旅は終わったが、夏休みはまだ2日目。
長いプロローグをようやく書き上げたに過ぎない。

その後の行き当たりばったり旅もそれなりに
エピソードはあったのだが、それはまた後日
記すこととしたい。

寝台特急はやぶさに乗った

2008-10-04 01:27:06 | 旅行
今年は遅めの夏休みを取った。相棒と相談し、
久しぶりに九州へ行くことにした。
東京から九州への移動は結構な長旅である。
せっかくなら、その移動自体も楽しもうということで
わが人生初の寝台特急を使うことにした。

東京駅構内の大丸で餃子と弁当、ビールなどを買い込み
夕方6時、プラットホームへ。

相棒たっての希望で、予約したのは開放式のB寝台。

狭い通路をたどってわれわれのブースにたどり着いた。
幸い2人とも、席は下段である。


窓際卓の下には栓抜きがあった。子供のころはカンよりビンが安かった。

枕もとの禁煙表示までなぜか懐古の情をくすぐる香りを
放っている。
やがて発車のベルが鳴り、最近の電車にはありえない
「ガッタン!」といった感じの大きな揺れの後で、
東京駅のホームがゆっくりと背後に流れていった。

神戸では2度の引越しを経験しているが、小学生の頃をすごした
神戸駅近くのぼくの家の窓からは山陽本線がよく見えた。
神戸駅で駅員に頼めば、特急列車の時刻が載った少し立派な
時刻表を分けてくれたものだ。
なかなか寝付けない夜、走り去る寝台特急の最後尾にかけられた
プレートを見分けることで、真っ暗な部屋でも時刻が分かったものだ。
その少年も、不惑の歳を前にしてようやく車中の人となれたわけだ。
鉄オさながらやたらとシャッターを押すぼくを尻目に、
相棒は一人黙々と弁当を食べ、さっさと寝床にもぐってしまった。


ロマンの分からんヤツには、用はない。
旅の相棒は、やはりこいつだ。


幸い準備は万端だ。一人酒盛りを楽しんでいると、時折向かいの
カーテンから、ふぐのようにプッとほほを膨らませた”元相棒”が
顔をのぞかせる。


午前1時27分、闇の中から我が目にひときわまぶしい
光の川が現れ、一瞬のうちに流れ去った。

祖父母が神戸を終の棲家と定めた、生粋の神戸っ子も
今は東京住まいである。
窓の外を走り去る寝台列車を見送るばかりだった頃、
夏休みに田舎へ行ける友人のことがひどく羨ましかった
ことを、ふと思い出した。

川原毛大湯滝と栗駒山荘

2008-09-07 07:28:32 | 旅行
かき三昧の次は温泉三昧である。

翌朝仙台でレンタカーを借りて、栗駒山荘に向かう。
仙台から高速道路を古川まで、そこからは国道47号、
108号などを走る150kmほどのアクセスだ。

47号沿いには魅力的な温泉が多いので、寄り道を
しない手はない。
相棒が「ここどう?」と選んだところに寄ってみた。
湯温はやや高め、とろみが感じられるほど、肌に
ツルツルとなじむ湯だ。
湯に浸かりながら窓の外を見ると、山から湯を引く
木の樋が見える。かけ流しのようである。
午前中ながらなかなかの賑わっているのもうなずける。
外で記念写真を撮っていると、店主らしき人が
「撮りましょうか?」と声をかけてくれたのでお願いした。


108号線に入ると昼どきになった。
車で走りながら選べるほど食事処があるわけでもないので
余り期待せずに道沿いの「鬼の庄」というそば屋へ。
相棒は冷やしざる700円、ぼくは大盛り900円を頼んだ。

まず大盛りが到着。

街なかのそば屋の3人前はありそうな盛り。

「普通にしてよかった」と言う相棒には

たぶん”街なか2人前相当”のそばが配された。

そばつゆがちょいツケですするには、やや弱め
(濃いつゆが好き)だが、値段と量はかなり良心的。
十分再訪してもいいと思えるレベル。
隣の席で天ざるを頼んでいたが、天ぷらも盛大な
盛りであったことを付け加えたい。

108号から県道310号に入る。
この道沿いには泥湯温泉という温泉街に湯煙ならぬ
火山性の水蒸気がたなびく相当に魅力的な温泉地があるが、
栗駒山荘に近すぎるので、今回は保留することにして
その手前の野湯・川原毛大湯へ立ち寄ることにした。

駐車場に車を停めて坂を下ると、足下に拡がるのは
火山地帯。


その奥深くにある湯を目指し、噴煙たなびく荒地をゆく。

基本下りの道は行く気になれば、誰でも歩ける。
しかし相棒は、ややおっかなびっくりの様子。

30分ほどで眼前に目指す湯(滝)に到着。

前回の訪問時より、水(湯)量は多そうだ。


今回は相棒も準備万端。


湯温はややぬるめ、長湯が出来る温度。

湯量(流れ込む水の量)が増えている関係で、
やや薄まっている印象。
前回は浴後に尻の皮膚がヒリヒリしたが、今回は大丈夫だった。

楽あれば苦有。帰りは基本登りである。

夏の日差しに加え、火山地帯の地熱が相棒を襲う。

駐車場に戻り、大汗滴るTシャツを着替えた後、
1時間のドライブで栗駒山荘に到着。

標高1100mの空気は肌に涼しく、さっぱりとしていた。



早速、絶景の露天で川原毛大湯行きの汗を流す。


相棒が愛してやまない宿の夕食は今回で3回目。
そして今回もまた、相棒は完食できず。
昼のそばが誤算だった(本人談)とのこと。


食後内風呂に行くと、幸いにも貸し切り状態。


広い浴槽でただ一人、注がれる湯の音を聞きながら
揺られる至福の時を堪能。
やはり良い湯だ。
いつか親も連れてこられたら…


ここ数年、普通の読書は"ひとり居酒屋"の時か
旅の夜だけになってしまった。
今宵は沢木耕太郎の「無名」に付き合ってもらおう。